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「歩き」に特化した超フレキシブルな新作トレッキングシューズ|スカルパ/ラッシュトレックGTX

一昔前までは山でオールラウンドに使える万能シューズ、現在ではトレランシューズやアプローチシューズの盛り上がりもあり、対称的に「重くて硬い、でも足はしっかり保護してくれる」というイメージが定着しつつあるトレッキングシューズ。

だがトレッキングシューズも多様化しており、縦走や岩場に向いたハードめなモデルから、機動力を生かして軽やかに歩けるソフトなモデルまで、その幅は確実に広がっている。

この秋、ライトなスカルパの新作トレッキングシューズ「ラッシュトレックGTX」がリリースされたので、詳しく紹介していこう。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

ヨーロッパで人気のトレッキングモデルが日本初上陸

雪山向けのアルパインブーツから、トレッキングシューズ、クライミングシューズ、アプローチシューズ、トレランシューズまで幅広く手掛けるイタリアのシューズブランド「スカルパ」。

日本の無雪期の登山に対応する、いわゆるトレッキングシューズはスカルパ社では「トレイル」のカテゴリーに含まれており、さらにその中で「バックパッキング」「トレッキング」「ハイキング」の3つに分類されている。

「バックパッキング」は日本では比較的なだらかな場所を歩く旅的なイメージがあるが、スカルパ社においてはトレイルの中で一番ハードユースを想定したカテゴリーだ。

幅広い登山シーンという意味では「トレッキング」が中心となるが、このトレッキングカテゴリーに属する「ラッシュトレックGTX」は、現在のスカルパのラインナップ全体でのトップの売れ行きを誇る。

登場後すぐに人気を集めていた大注目モデルが、満を持して日本でも2023年秋から発売されることとなった。

ハイカットながら重量は軽めで、トレランシューズなどで培った技術を取り入れている。まさしく新時代のトレッキングシューズだ。

現在、スカルパではほかにも個性豊かなトレッキングシューズが多数ラインナップされている。どのシューズがどんなシーンに向くのか、モデル名だけだといまいちわかりにくいので、「ラッシュトレックGTX」のポジショニングを明確にするためにも、代表的なトレッキングシューズを紹介していこう。

「ラッシュトレックGTX」のライバルたち

ラッシュトレックGTXのライバル=無雪期の登山で比較的オールラウンド使えるシューズということで、「マルモラーダプロHD」「メスカリートトレックGTX」「ZG トレック GTX」をピックアップ。それぞれのシューズの特長は以下の通りだ。

マルモラーダプロHD

スカルパの「トレイル」のカテゴリーの中で一番ソールやアッパーの剛性が高く、足の保護性にも優れる。ソールは比較的フラットな形状でクライミングゾーンもあり、岩場に強い。テント泊など重たい荷物を背負ってのアルプス縦走などにマッチする。

メスカリートトレックGTX

マルモラーダプロHDよりはソールが屈曲しやすいものの、ベースはアプローチシューズでソールのグリップ力に優れるので岩場、岩稜帯を含むトレッキングが得意。山小屋泊や装備を削ったテント泊など、荷物が軽めの登山に向く。

ZG トレック GTX

上の2モデルと比べるとシャンクがソフトでさらに屈曲しやすく、岩場よりはなだらかな場所を長く歩くのに向いたモデル。ラストにボリュームがありゆったりめのフィッティングになるので、長時間履いてもストレスを感じにくい。現在、日本におけるスカルパのトレッキングシューズの中心的存在。

 

ライトなトレッキングモデルである「ラッシュトレックGTX」は「ZG トレック GTX」に近いキャラクターのシューズになるが、より軽く(「ラッシュトレックGTX」は片足555g、「ZG トレック GTX」は片足625g)、アウトソールもグリップ重視というよりは推進力も活かす作りになっている。

つまり、スカルパのトレッキングシューズの中で「一番軽快に歩ける」のが、このラッシュトレックGTXと言って間違いない。

そのための作りの工夫を解き明かしていこう。

「歩き」を重視したソフトなソールユニットの作り

ミッドソール+アウトソール=ソールユニットの硬さは、そのままシューズの特性となる。

硬めであれば歩行時の安定性が高まり、さらに岩などの接地面が小さい場所でも立ち込みやすくなるが、フラットフィッティングで歩くことになり平坦な道は少し歩きにくくなる。

対して、やわらかめであれば、平地は歩きやすくなるが、足が自由に動くので不意にねじれたりしやすく、さらに小さなポイントに立ち込む際には足の筋力が必要となる。

ラッシュトレックGTXは後者のソフトな作りとなっており、アッパーのやわらかさとも相まって、ハイカットのトレッキングシューズとは思えないほどストレスなく足を曲げやすい。

実際、走るまではいかなくても、下りでスタスタと駆け下りるようなシーンでも硬さが感じられず、ローカットのような軽やかな足運びが可能。

ただし、屈曲性に影響しないシューズの中足部からカカトにかけてはTPU素材のスタビライザーが入っており(写真の「SCARPA」のロゴの下の波型のパーツ)、必要以上にシューズの後ろ部分がねじれないようになっている。

つま先は最近の厚底のトレランシューズのような反り上がったロッカー形状となっており、接地後に足が自然に回転するような流れで地面を蹴り出せるようになっている。

フラットフィッティングでゆっくりと登っていくというよりも、足を屈曲させながら軽快に進められるような構造になっているのだ。

グリップ力と耐久性を備えるオールラウンドなアウトソール

アウトソールはグリップ力と耐久性を重視したトレッキングシューズ向けのブロックが大きめのパターンを使用。一般的にシューズの軽量化を図る場合には、ブロックを小さくするなどアウトソールの重量を減らすことが多いが、こちらは軽量モデルながらもトレッキングシューズならではの安定性を備える。

ラバーは粘り気が強めのコンパウンドとなっており、岩に対してグッと吸い付くようにグリップしてくれる。さらにブロックの形にも注目すると、ブロックが台形状、下に向かって広がった形状になっているのがわかる。

台形になることで、着地時のブレが少なくなり、さらなる安定感が生まれる。

このような個性あるソールが作れるのは、スカルパが独自にソールを開発しているから。自社開発だからブロックパターン、コンパウンド、さらにはソールユニットと一体になったスタビライザーなど、シューズのキャラクターに合わせたさまざまなアレンジ、細かいチューニングができるのだ。

ちなみに、こちらのラッシュトレックGTXはリソールも可能。ソールユニットはアウトソールだけでなくミッドソールやスタビライザーが一体となっており、ソールユニットごと交換できる。長く使うとへたって衝撃吸収性が落ちるミッドソールも新品になるのがうれしい。

粘りがあるアウトソールだけに速く減ってしまうのでは……と気になる人もいるかもしれないが、リソールできるので、減りを気にすることなくガンガン歩けるのだ。

多くの人にフィットしやすい形状

シューズの形状も「歩き」を重視。多くの登山者に支持されている「ZG トレック GTX」を受け継いだラストの形状を採用し、よりソフトなアッパー素材を使用することで足をやわらかく包むようなフィット感を実現している。長時間歩いて足がむくんできても圧迫感があまりなく、ストレスを感じにくい。

ただし、「マルモラーダプロHD」のようなタイトな作りのシューズに比べるとシューズの中で足が動きやすいので、やはり岩場を歩き続けるようなシーンにはあまり向いていない。

さらにアッパーを細かく見ていくと、足の甲の部分はシューレースを通す部分がフックやハトメでないことに気付く。ナイロン製のパーツにシューレースを通す作りになっている。

これにより点ではなく広めの面でアッパーにテンションが掛かり、足全体をほどよくホールド感で包んでくれる。

アッパーには耐水スエードを使用。トレランシューズのような軽さ重視のシューズにはたいてい化繊が使われるが、スエードなので擦れなどに強く、耐久性にも優れる。

岩や枝などに擦れて傷むことがあまりないタンの部分は、スエードではなく化繊素材。同様にダメージを受けにくい足首周りも化繊にして、軽量化を図っている。

履き口部分には厚めのクッションが入っており、歩行時、とくに足を強く曲げた際にアッパーのあたりがやわらかく感じられる。シューズの構造的に足幅が広めで、足首部分のシューレースをしっかり締めることでフィッティング性を高める作りとなっているが、シューレースを多少きつめに締めてもあまり圧迫感がない。

トレッキングシューズの概念を変えるヨーロッパからの刺客

とにかく「歩き」をストレスなく、快適にするためのさまざまな工夫が凝らされており、ヨーロッパ市場で同社シューズのベストセラーモデルになっているというのも納得だ。

もしアルプス縦走を登山のメインに据えるなら、もう少し剛性の高いモデルを選ぶ方がベターだが、樹林帯や稜線歩きでも岩稜が多くないルートであれば、とにかく歩きやすいというシューズの特性は存分に活かされる。

もちろんそのようなライトなシーンではトレランシューズなどローカットも選択肢として考えられるが、こちらはハイカットの防水仕様なのでシューズ内が濡れにくく、さらに足首が包まれるので安定性も高い。

軽くて歩きやすいシューズが履きたい、でもローカットシューズでは不安……という人は、ぜひお試しを。ロングセラーモデルから漂う、トレッキングシューズ然とした古めかしさがなく、いまのハイカーのウエアにマッチする現代的なルックスも魅力に感じられるはず。

期待のニューカマーは、軽いシューズの台頭で根付いた「重くて硬い」というトレッキングシューズの概念をぶち壊していくだろう。

スカルパ/ラッシュトレックGTX

  • 価格:¥35,200
  • サイズ:EU39~48
  • カラー:チタニウム
  • 重量:555g(EU42/片足)

「ラッシュトレックGTX」はこちらでチェック

ウエアに合わせやすい落ち着いたカラーのウィメンズモデル

男性に比べて筋力が弱い女性は、やわらかく歩きやすいこのシューズの恩恵をより感じられるはず。ウィメンズモデルはグレーベースに水色の差し色が入った落ち着いたデザインが特長で、どんなウエアにも合わせやすい。

スカルパ/ラッシュトレックGTX WMN

  • 価格:¥35,200
  • サイズ:EU36~42
  • カラー:ミッドグレー
  • 重量:465g(EU38/片足)

「ラッシュトレックGTX WMN」はこちらでチェック

 

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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