ミニテーブルを使わないなんて もったいない!プラス100~300gで 劇的に山行が豊かになる!かも…
PEAKS 編集部
- 2024年04月05日
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好評発売中「PEAKS 2024年5月号(No.165)」より、誌面記事の一部をご紹介します!
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1gを削り、できるだけ軽い装備で歩くというのも山を楽しむ方法なら、軽さを求めながらも快適さを得るのだって間違いではないし、そんな道具選びは楽しい。
その筆頭が山テーブル。ギミック満載な10モデルを比較検討してみた!
編集◉PEAKS編集部
文◉ポンチョ
写真◉矢野悠太
つくり手と使い手のアイデアが融合する道具
道具は、軽さとコンパクトさを求めるほど、つくり手と使い手のアイデアや経験が求められるようになる。つくり手が道具に施したいくつものギミックを使い手が理解し、自分なりに使いこなせるようになると、最低限の機能を最大限引き出し、両者の想像力が合わさり道具として完成する。
さて、今回はテーブルだ。他の道具と異なり、軽量コンパクト化へのつくり手のアプローチ方法が個性的。しかも、それらはユニークで、ワクワクするものばかり。そして少し前まで300g 以下のテーブルは少なかったが、今回紹介する10モデルは、すべてが300g 以下。半分の5モデルは、なんと100g 以下のスペックを達成している。これらは軽量素材のチタンやカーボンを採用。さらに天板サイズをA4からB5程度へとサイズダウン。使い勝手は少し落ちるけれど、シングルバーナーやアルコールストーブで湯沸かし+αの調理、食事の際にフリーズドライフードの袋とクッカーやカップを置くだけなら、B5サイズはジャストサイズといえる。
一方で、これまでは折り畳まれていた天板と脚を広げればセットできる手間要らずなテーブルが多かった。それが軽量コンパクト化にともない、天板が1枚板だったり、組み立て式だったりと、使い慣れることやコツが必要になっている。
そうしたつくりが面倒だと感じるなら、軽さは諦めなければならない。テントでいえば、自立式と非自立式のような違いといえる。でも道具好きであれば、これらの面倒は楽しみと思えるもの。多くは慣れればスムーズに組み立てられ、小さなテーブルサイズに合ったクッカーやストーブを選んで、調理&食事セットを組み直せばいいのだから!
注目したいのは、木製テーブル。十分な広さと200g 程度の軽さ、質感の高さを融合。ベルモントのヤマタクはチタンシートでストーブの熱を抑えるアイデアを採用。木製天板はまな板にもなる。シーピーラボのウルトラライトストーブテーブルはキャンプで使う焚き火テーブルのように、センターにストーブを配置する穴がある。調理はもちろん鍋料理など、火に掛けたままいただく料理を味わいたい。どちらも山メシ時間が充実するのは間違いない。
山へテーブルを持って行くことは、軽量化を一番に考えるなら不要。でも、食事で豊かな山時間をすごしたいなら必要だろう。だからこそ、さまざまなギミックを用いた楽しいテーブルが増えていると思えた。
SOTO/フィールドカイト
薄さ、軽さ、強度を追求
押出材を使い、アルミ素材の強度を活かしつつ、薄さを求めて軽量化。さらに収納サイズの薄さ、展開した際の手間を少なくするため、ステンレス製のワイヤー状脚部は、天板長辺側の裏にある溝に掛けてセット。使用時に天板表側から脚のセットが目視で確認できる切り込みも備わっていて、セットミスも防げる。A4サイズでソロ使用には十分な大きさだ。
- ¥4,895(4 月19 日発売)
- 素材:アルミ / ステンレス
- サイズ:305×190×75mm
- 収納時:305×97×14mm
- 重量:280g(耐荷重:3kg)
- (問)新富士バーナー
エバニュー/アルテーブル/ ライト
フラットなA4極薄1枚天板
折りたたみ構造が山テーブルの当たり前と考えていたがこれは1枚板。極薄のアルミで樹脂をサンドしたアルボリックという素材を採用。軽さはもちろん柔軟性もある程度あるので、バックパックの背中側や仕切り板的に収納できる。ただし耐熱温度が100℃ほどなので天板上の火器使用は厳禁。脚はシンプルな折りたたみ式。開閉が素早くでき故障の心配なし。
- ¥7,700
- 素材:アルミ+樹脂
- サイズ:295×186×93mm
- 収納時:295×186×13mm
- 重量:173g(耐荷重:未公表)
- (問)エバニュー
ノイコヤマイコ/ミニカーボ2
磁石留めで、簡単開閉
同社には樹脂でできたプラダン製のテーブルもあるが、これは天板をカーボンにし、テーブル上での調理も可能な耐熱性と軽さを求めた。カーボンならではの天板の模様は質感も高い。プラダン製の脚部は磁石で留まる仕組み。素早く開閉でき、折りたたみ式の天板もしっかりと固定。脚部のみ修理にも対応(¥2,600)してくれ、破損しても長く使えるのがいい。
- ¥8,800
- 素材:カーボン+樹脂+ネオジム磁石
- サイズ:230×176×70mm
- 収納時:230×86×13mm
- 重量:95 ± 5g(耐荷重:約3kg)
- (問)ノイコヤマイコ
アノバ/UL ソロテーブル パンチング
世界最軽量のアルミテーブル
同社のフラット天板モデルの重量は116g。これは軽さを追求し、天板の強度を保たせながらパンチングし、超軽量、76gのアルミ製ソロテーブルを実現。その天板の大きさは変形B5サイズで、必要最小限。パック内はもちろん、大型パックならサイドポケットにも収納できる。脚はネジ式で4本を個別にセット。手軽とはいえないが、迷いなく組み立て可能。
- ¥7,800
- 素材:アルミ / ステンレス
- サイズ:240×130×60mm
- 収納時:240×130×15mm
- 重量:76g(耐荷重:約1kg)
- (問)ユーザー
ダンロップ/コンパクトテーブル
コンパクト収納で強度十分
ビデオカセットのケースのような収納デザインがユニーク。組み立てにはコツと少しの力が必要。ジュラルミン製の板状の脚に、アルミで樹脂を挟んだ天板3枚を溝にセット。細めのA4サイズのフラットテーブルになる。耐荷重は10㎏もあるが、耐熱性が低いのでテーブル上の調理は不可。調理もしたければアルミ天板モデルもあるが、そちらは重量450g。
- ¥3,580
- 素材:アルミ+樹脂 / ジュラルミン
- サイズ:298×188×106mm
- 収納時:188×104×14mm
- 重量:260g(耐荷重:約10kg)
- (問)エイチシーエス
タイニーバイペップ/サイクルズテーブル
ギミック満載のULテーブル
自転車キャンプ好きが手掛けたULテーブル。軽く、薄く、小さな収納サイズは雨蓋にも収まるほど。天板は2つに分かれ、カーボンとアルミを好みで組み合わせられ、今回はカーボンとグリーンのアルミを選択。肉抜きされたチタン製の4本の脚の組み立てと天板のセットは正直難解。でもおもしろさに満ち、使いこなせるようになりたいと感じさせる魅力ある道具だ。
- ¥12,650
- 素材:カーボン、アルミ、チタン(脚)
- サイズ:220 ~ 190×170×77mm
- 収納時:170×95×4mm
- 重量:91 ± 2g(耐荷重:約5kg)
- (問)ペップサイクルズ
ベルモント/BM-264 ヤマタク
家具職人がつくる桐材テーブル
日本人ゆえなのか、桐材でできたテーブルの佇まいは、道具として美しさを強く感じる。桐は軽く燃えにくい素材だが、さらに付属のチタン製の天板をセット、火に注意して使えば、テーブル上で調理もできる。天板はリバーシブルで使えるので、片面をまな板にしてもよい。脚は天板をセットしたらドローコードでテンションを掛けるだけ。よくできている。
- ¥9,900
- 素材:桐+チタン
- サイズ:210×280×55mm
- 収納時:105×280×24mm
- 重量:205g(耐荷重:約5kg)
- (問)ベルモント
シーピーラボ/ウルトラライトストーブテーブル
使ってみたいと思わせるモデル
テーブルのセンターに丸い穴が備わり、シングルバーナーを置いて調理ができる画期的なテーブル。素材は木製なので注意が必要かもしれないが、高効率ストーブのように炎がクッカー下部に収まっていれば問題ないだろう。天板も広く、材料のカットを調理しながらできる。ビールとつまみを食べながら、鍋料理を味わうぜいたくも可能。早く山で使ってみたい。
- ¥9,000
- 素材:木(プライウッド)
- サイズ:300×255×60mm
- 収納時:150×255×12mm
- 重量:195g(耐荷重:約8kg)
- (問)コンパクトパックス
モフマ/ゴーストテーブル owo ラージ
1枚のシートがテーブルに!
ポリプロピレンの樹脂製のシートの周辺部を、中央に寄せて反転。付属のヒモで結ぶと脚になる。完成したテーブルは半透明でふわりと浮くような軽さ。商品名のゴーストのようなデザインまで施されていてキュート。リバーシブルで使え、ステッカーチューンもいい。樹脂製なのでテーブル上での火器調理はできないが、食事を楽しめる空間をつくれる。
- ¥3,850
- 素材:ポリプロピレン
- サイズ:240×210×55mm
- 収納時:345×242×1.2mm
- 重量:87g(耐荷重:約8kg)
- (問)モフマ
ファクトリーb/レベル
無段階調整脚で水平に置ける
チタン製1枚板のB5サイズ、88gの軽量テーブル。しかし驚くのは、脚。カーボン製で軽量化を図るだけでなく、5~55㎜の高さで4本の脚を独立して無段階調整が可能。凸凹した場所の多い山のテント場で、テーブル面を水平にして設置できるのだ。組み立ての手間もなく高さ調節するだけ。ストレスフリー! 収納時、脚は天板裏に収まりフラットになる。
- ¥11,000
- 素材:チタン、カーボン、アルミ
- サイズ:240×140×5 ~ 55mm
- 収納時:240×140×5mm
- 重量:88g(耐荷重:約4kg)
- (問)ファクトリーb
チェックポイントは3つ!
ポイント1:組み立てやすさ
ポイント2:使われている素材
ポイント3:ユニークなギミック
本誌では3つのポイントに注目して、各テーブルをレビュー!
あなたにベストなミニテーブルを見つけてください。
※この記事はPEAKS[2024年5月号 No.165]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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