【スリーピングギア解説編】どちらもおろそかにはできない、スリーピングバッグとマット|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024
PEAKS 編集部
- 2024年05月11日
INDEX
スリーピングギアの主要2アイテムは、寝袋やシュラフともいわれるスリーピングバッグと、クッション性があるスリーピングマットだ。前者が掛け布団ならば、後者は敷布団。寝袋の保温力にはこだわるのにマットの断熱性を軽視する人は多いが、じつは体温は地面に接した部分からこそ逃げていく。だから自分のいまの寝袋では寒くて眠れないという人でも、本当に必要なのは寝袋ではなく、断熱性が高いマットであることも多いのだ。
スリーピングバッグカバーの主目的は寝袋を雨や結露による濡れから守ること。しかしある程度は寝袋の保温力も高めるため、寒い時期は晴れていても併用するとよい。また、コロナ禍のもと、山小屋の布団を衛生的に使うために人気が高まったのがシーツ。これも寝袋と組み合わせて使うと、寝袋の保温力をアップしてくれる。ウエアを丸めたものでも代用できるピローは山中では不可欠な存在ではないが、あればやはり寝心地が向上する。
編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎
写真◉後藤武久
スリーピングバッグ/SLEEPING BAG
スリーピングバッグは中綿の種類によって大別される。そのメイン素材はダウンで重量のわりに暖かく、収納時はコンパクトだが、水濡れには弱く、少し高価だ。その点、化繊の中綿は安価で水濡れにも強いが、ダウンほどは暖かくなく、収納時はかさばる。現在はそれらのハイブリッドやダウンを模した化繊の中綿なども登場している。
スリーピングマット/SLEEPING MAT
現代のスリーピングマットでもっとも多いのが、空気を入れて膨らませるエア注入式。内部にクッション性素材が封入され、その弾力性でバルブを緩めると空気が勝手に入っていくのが自動膨張式だ。ウレタンなどの素材を使い、広げるだけで使えるのがクローズドセルというタイプ。それぞれに長所と短所があり、使い分ける人も多い。
ピロー/PILLOW
登山用のピロー(枕)の大半は、空気を入れて膨らませるタイプ。軽量でいて収納時にコンパクトになり、空気の入れ具合で自分好みの弾力性や厚みを得られるなど、メリットが大きいからだ。テント泊のときだけではなく、コロナ禍以降は自分専用のピローを持参して、小屋泊でも使う人が増えている。
シーツ/SHEETS
コロナ禍を機に、共用する布団を衛生的に使えるようにと、自分のシーツを持参するように呼びかける山小屋が増えた。シーツは寝袋と併用して保温力を高めたり、気温が高いときは寝袋代わりに使ったりと、ひとつ持っていると想像以上に便利だ。素材は速乾性のものから肌触りがよいシルクまで多様である。
※この記事はPEAKS[2024年5月号 No.165]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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