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「海と、森と、人がつなぐ。」知床国立公園60周年・世界遺産20周年記念事業が始まる

去る5月7日、「National Parks Discovery Center」にて事業の目的や概要を周知するフォーラムが開催された。環境省北海道地方環境事務所・釧路自然環境事務所の所長、岡野隆宏氏により説明のあった、実施事業の概要や目的に関するガイダンスと、本事業を強力なタッグ体制でサポートする、斜里町長・山内浩彰氏、羅臼町長・湊屋稔氏、ゴールドウイン社長執行役員・渡辺貴生氏、スノーピーク代表取締役社長執行役員・山井太氏の4氏により行なわれた、トークセッションをハイライトでお届けする。

編集◉PEAKS
文・写真◉山本晃市(DO Mt.BOOK)

「THE NORTH FACE × 斜里町」と「snow peak × 羅臼町」がタッグを組み、知床の魅力を改めて発信

「ヒグマが目と鼻の先の原野に暮らし、家の玄関前にはシカが悠然と訪れる。オジロワシが空を自由に舞い、シャチの家族が海で戯れている。夜の時を告げるのは、フクロウの鳴き声……」(羅臼町長・湊屋稔氏の発言より要約)
在るがままの濃密な自然をいまに残す「知床」は、今年2024年に国立公園に指定されてから60年、来る2025年には世界自然遺産登録20年を迎える。
※1963年 昭和39年6月1日に国立公園指定
※2005年 平成17年7月17日に世界自然遺産登録

これを機に「Shiretoko 60th 20th 海と、森と、人がつなぐ。」と題した周年記念事業が開始されることになった。
本事業の目的は、
「知床国立公園指定60周年・知床世界遺産登録20周年を契機として、世界自然遺産に認められた顕著で普遍的な価値(OUV:Outstanding Universal Value)を始めとする知床ならではの価値を再認識し、その保全を図るとともに、周辺地域を含めた感動と学びを享受できる良質な自然体験の創出とこれらを持続可能に実施するためのルールやリスク管理について広く発信する。これにより、高付加価値で持続可能な体験を通じて、知床ならではの価値を幅広い関係者とともに次世代に継承する取り組みを推進する」
というもの。

キーワードのひとつは、“感動と学び”。知床の貴重な自然の奥深さと魅力、そして同時に内在するリスクやマナー・ルールについてもフィーチャーしていく。

実施期間は、2024(令和6)年4月~2026(令和8)年3月までの2年間。
環境省釧路自然環境事務所、林野庁北海道森林管理局、北海道、斜里町・羅臼町が主体となり、事業を実施していく。
この体制をサポートするのが、「斜里町」と包括連携協定を結ぶ「ゴールドウイン(THE NORTH FACE)」、そして同じく羅臼町と包括連携協定を結んでいる「スノーピーク(snow peak)」。両社はいずれも国立公園オフィシャルパートナーでもある。

周年事業の主要イベントに先駆けて、フォーラムを開催

▲フォーラムの会場となった「National Parks Discovery Center」。令和2年、新宿御苑内に設置され、全国34カ所の国立公園の多彩な情報を発信している。
▲「National Parks Discovery Center」では、映像や展示写真などを通して国立公園のさまざまな魅力や特徴について知ることができる。

 

トークセッションのテーマは、「人生を変える知床の魅力」。以下、4氏が語った“知床の魅力”を要約して紹介しよう。

「知床の魅力は、ひと言では言い表せない。それほどとても深い魅力、未知の自然の世界があります。初めて訪れた際には、とくにそう感じました。とはいえ、自然は美しくも厳しいもの。つねに謙虚な姿勢で自然のなかへ入ってほしい。私たちメーカーも、自然との共生、自然保護というスタンスを軸に、日本人の心が豊かになるような、そんなサポートをしていきたいと考えています」
(ゴールドウイン社長執行役員・渡辺貴生氏)

「アイヌの人々をはじめ、代々伝わる経験というものが、知床にはしっかりと残っている。これはとてもすばらしい。そんな知床にいると、自分も自然の一部になれる。人間が本来もっていた野性を感じる。それは、人生を豊かにしてくれるものだと思います。ホンモノの自然、濃い自然そのもの。知床は究極のリアル体験をできるすばらしいフィールドです」
(スノーピーク代表取締役社長執行役員・山井太氏)

「知床は、どこを切り取っても自然。365日、ディープで圧倒的な自然があります。それは、人工物をもって入っていいのか? と感じてしまうほど……。11月になると海が荒れ、海の音が聞こえてきます。それがある日突然、聞こえなくなる。流氷の訪れです。多くのみなさんに、そんな知床の自然の魅力と厳しさに触れあっていただければと思います」
(斜里町長・山内浩彰氏)

「知床は、いるだけで自然と共生できるところ、自然と共生しなきゃいけないところ。ここに生まれて本当によかった、そう思っています。当たり前のようにある自然、その魅力は外から来たみなさんによって改めて気づかせてもらうことが多くあります。アイヌ語で、羅臼(ラウシ)は、ケモノの骨のあるところ、知床は、地の果て、という意味。それほど厳しい環境ということでしょう。そんなところだからこそ感じることができる感覚、人生観を味わってほしい、体験してほしい、そう思っています」
(羅臼町長・湊屋稔氏)

▲代表4氏によるトークセッション。左から、羅臼町長・湊屋稔氏、スノーピーク・山井太氏、ゴールドウイン・渡辺貴生氏、羅臼町長・湊屋稔氏。

「Shiretoko 60th 20 th」関連イベント、多数開催

知床国立公園60周年・世界遺産20周年記念事業「Shiretoko 60th 20 th 海と、森と、人がつなぐ。」では、関連イベントが多数開催される予定だ。
以下、主要イベントを紹介しよう。

周年記念事業実行委員会主催イベント Anniversary Event

知床国立公園指定60周年記念シンポジウム
~私たちは自然とどう向きあうか~

  • 概要:
    知床国立公園ならではの価値を再認識するとともに、今後の知床について語り合い、発信する。
    ・基調講演(河崎秋子氏 作家)
    ・各団体による取組発表
    ・パネルディスカッション「私たちは自然とどう向きあうか」
    開催日:2024(令和6)年6月1日
    時間:14~17時
    場所:ゆめホール知床 文化ホール(斜里町)
    参加費:無料
    問い合わせ先:
    知床国立公園60周年・世界遺産20周年記念事業実行委員会事務局/環境省釧路自然環境事務所 TEL.0154-32-7500
    環境省ウトロ自然保護官事務所 TEL.0152-24-2297

SHIRETOKO Adventure Festival 2024

  • 概要:
    国立公園の保護と利用のバランスを考える、斜里・羅臼の両町で2日間にわたって開催されるイベント。
    開催日:2024(令和6)年9月14(土)~15日(日)
    時間:終日(時間は予定)
    場所:知床自然センター(斜里町)、羅臼オートキャンプ場(羅臼町)他
    参加費:一部有料
  • -1日目-
    <斜里町>
    ・映画上映会
    ・アスリートによるトークショー
  • <羅臼町>
    ・キャンプイベント
    ・知床の特産品ディナー&焚火トーク
  • -2日目-
    <斜里町>
    ・野外アクティビティ(登山、フォトハイク、自然観察会等)
  • <羅臼町>
    ・朝のランニング
    ・知床の特産品を使った朝食
  • 問い合わせ先:
    斜里町環境課 TEL.0152-26-8217
    羅臼町産業創生課 TEL.0153-87-2126

上記以外にも、各種講座や登山・トレッキング、展示や自然体験、保全活動など、2024年4月から2026年3月にかけて多数の関連イベントを開催予定(詳細は、以下の各問い合わせ先まで)。
国内のアウトドアを代表するメーカーが注目する知床。ぜひこれを機に訪れてみてほしい。
知床の自然と触れ合うことで、人生が変わるかもしれない。

詳細はこちら!

知床国立公園60周年・世界遺産20周年記念事業の実施について

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PROFILE

山本 晃市

PEAKS / 編集者・ライター

山本 晃市

山や自然、旅の専門出版社勤務、リバーガイド業などを経て、現在、フリーライター・エディター。アドベンチャースポーツやトレイルランニングに関わる雑誌・書籍に長らく関わってきたが、現在は一転。山頂をめざす“垂直志向”よりも、バスやロープウェイを使って標高を稼ぎ、山周辺の旅情も味わう“水平志向”の山行を楽しんでいる。頂上よりも超常現象(!?)、温泉&地元食酒に癒されるのんびり旅を好む。軽自動車にキャンプ道具を積み込み、高速道路を一切使わない日本全国“下道旅”を継続中。

山本 晃市の記事一覧

山や自然、旅の専門出版社勤務、リバーガイド業などを経て、現在、フリーライター・エディター。アドベンチャースポーツやトレイルランニングに関わる雑誌・書籍に長らく関わってきたが、現在は一転。山頂をめざす“垂直志向”よりも、バスやロープウェイを使って標高を稼ぎ、山周辺の旅情も味わう“水平志向”の山行を楽しんでいる。頂上よりも超常現象(!?)、温泉&地元食酒に癒されるのんびり旅を好む。軽自動車にキャンプ道具を積み込み、高速道路を一切使わない日本全国“下道旅”を継続中。

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