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【ウエアTips】冬のアウターシェルの使い分け、どうしてる?|PEAKS 2024年11月号(No.168)

冬季のアウターシェルに代表されるのは防水性の高いハードシェルだが、アウターシェルにはソフトシェルや、最近では高透湿のシェルなども登場し、シチュエーションによって最適なものが変わる。
どのように使い分けることができ、なにがベストなのか。個人的な使い方を聞いてみた。

編集◉PEAKS編集部
文◉阿部 静
写真◉熊原美惠

【聞いた人】ヨシキ&P2吉野時男さん
冬季は雪山登山のほか、バックカントリーでのテレマークスキーとアイスクライミングの山行が多い。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド資格を所持し、店主催のツアーの引率もする。

1:ゴアテックスジャケットを着るシチュエーション

寒さや濡れに強いのがハードシェル。かなり低温下になる地域で激しい活動をしないときや、寒い時期に雨が降ってしまうときに最適。ノローナのジャケットはシンプルなデザインと機能なため、さまざまなアクティビティをするときに併用できるところが好み。

▲(右)ノローナのハードシェルジャケット。中に着ている保温着吸汗速乾機能のある薄手のフリース。

冬季に雨が降りそうなときや、あまり汗をかかない活動をするとき

具体的な例では、3月の阿弥陀岳での着用。例年の平均気温は-6℃で天候が悪ければ降雪になるが、思ったよりも気温が高くなってしまって雨が降ることがある。そういったときには身体を濡らさないように防水のシェルを着用する。ただし、激しい活動の場合は衣服内で汗をかいてしまうので、運動量の比較的少ないシチュエーションで選ぶ。中には吸汗速乾性のある薄手のフリースを着用。

▲3月の阿弥陀岳アルパイン登山。

2:高透湿のハードシェルジャケットを着るシチュエーション

アイスクライミングの登攀時や、雪の降るBCでのハイクアップ時など、汗はかくけどシェルを脱げないときに便利。ストップアンドゴーを繰り返すアクティビティで、寒冷地でも衣服内の汗処理や熱処理をしながら外からの濡れを防いでくれるところが魅力。

▲(右)ティートンブロス/クライマティックジャケット。中に着ている保温着パタゴニア/ナノエアなどのアクティブインサレーション。

濡れる可能性があり、適度に熱を放出したいとき

12月の八ヶ岳、ジョウゴ沢にて。アイスクライミングでは氷でウエアが濡れてしまう可能性があるため防水のシェルを着用したい。だけど活動量が高いため汗をかいてしまう可能性もあるので高透湿の防水シェルが役立つ。適度な熱の放出を促し、汗による湿気もすぐにウエアの外へ出してくれる。通気性が良いため、少し暖かめなレイヤリングにしている。

▲12月の八ヶ岳・ジョウゴ沢でのアイスクライミング。

3:ソフトシェルジャケットを着るシチュエーション

濡れに弱いが体温調整や汗処理に対して強いのがソフトシェル。雨が降らないとわかっている雪山登山や、寒いけど積雪のない冬山登山に向く。とてもしなやかで着ていてストレスが少なく、適度に保温、熱の放出をしてくれるので着たまま行動できる。

▲マウンテンハードウェアのソフトシェルジャケット。中に着ている保温着薄手のフリース。

雨の心配のない雪山登山時や積雪のない低温下の山

12月の那須朝日岳のような登山では標高がそこそこ高くて気温が低いため、樹林帯を抜けると冷たい風に吹かれる。降雪や雨の心配がなければ濡れるリスクは少ないが、風に当たると寒いのでシェルを着ておく必要がある。また4 月の唐松岳など、天候のいい日の雪山登山にも着用する。ソフトシェルのほうがシェル内の熱や湿気を放出しやすく快適で、風が強くてもシェルが身体を守ってくれる。

▲12月の那須朝日岳冬山登山。

 

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※この記事はPEAKS[2024年11月号 No.168]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

 

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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