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【ウエアTips】ウインターパンツの使い分け、どうしてる?|PEAKS 2024年11月号(No.168)

4シーズンパンツといわれたりする、冬季にも使える厚手のトレッキングパンツがあるがハードシェルパンツとの使い分けはどのように行なうのがベストなのか。
それぞれ使い分ける具体的なシチュエーションについて個人的な話を聞いてみた。

編集◉PEAKS編集部
文◉阿部 静
写真◉熊原美惠

【聞いた人】エルク/綾井 瞭さん
2016年に入社、2023年より店長に就任。冬季は山梨の低山のトレッキングや、ホームマウンテンの南アルプスでの雪山登山、バックカントリースキーなど、あらゆる山で楽しんでいる。

4シーズンのトレッキングパンツを履くシチュエーション

冬山でトレッキングパンツに求める特徴は、丈夫さと適度な防風性、そして撥水力の高さ。夏用のパンツに比べ通気性は劣るぶん防風性がちょうどよく、丈夫なのに足上げがしやすいストレッチ性が気に入っている。

▲(左)ザ・ノース・フェイス/ビッグウォールパンツ、(中)中に履いているウエア「山と道/アルファタイツ」、(右)中に履いているウエア「ザ・ノース・フェイス/ドライドットタイツ」

scene-1:天気のいい日の八ヶ岳雪山登山に。

冬の赤岳は日帰りで登ることが多い。寒さと風雪に対応しながらもすばやく行動できるレイヤリングを意識しているので天気さえよければハードシェルパンツを着用せずビッグウォールパンツのまま登る。丈夫なアルパインパンツなので岩や雪に擦りつけても安心。厳冬期は気温がかなり低くなるので、保温性と通気性のバランスがすばらしい山と道のアルファタイツを中に着用し、保温力を追加する。

▲1~3月の赤岳雪山登山

scene-2:初冬の中低山ハイキングに。

山梨の初冬の中低山では、雪がない場合が多いが、気温はすでに冬山。シーン1と同様に、すばやく行動できるビックウォールパンツが使い勝手がいい。また茅ヶ岳には藪のなかに入るようなトレイルもあるが、引き裂き強度の高い丈夫なビッグウォールパンツであればものともせず突き進める。中低山の場合はドライドットタイツのように、少し保温力と汗処理能力に優れたものをパンツの下に着用する。

▲11~12月の茅ヶ岳ハイキング(深田公園~)

ハードシェルパンツを履くシチュエーション

雪山のハードなシチュエーションでも安心できる堅牢さがありながら立体構造パターンによる動きやすさが気に入っている。防水・防風・透湿性が非常に高く、ラッセルも急峻な雪稜もこの一本でこなすことができる。

▲(左)アークテリクス/ベータARパンツ、(中)中に履いているウエア「ザ・ノース・フェイス/ビッグウォールパンツ+ウールのタイツ」、(右)中に履いているウエア「山と道/アルファタイツ」

scene-1:雪稜上での行動時間が長く、急峻な岩場も出てくる冬季ルート。

雪稜上での行動時間が長く、雪だけでなく急峻な岩場も出てくる北岳の冬季ルートでは、頼りになるベータARパンツを愛用している。稜線までの長いアプローチはウールのタイツ+トレッキングパンツで歩き、稜線に出てからハードシェルパンツを上から着用する。厳冬期の北岳の稜線を吹き抜ける風は強く、気温は-20℃まで下がることもある。ハードシェルなら厳しい風雪のシーンでも心強い。

▲1~3月の北岳雪山登山

scene-2:厳冬期のバックカントリースキー。

乗鞍岳などの厳冬期のバックカントリースキーでもベータARパンツが活躍する。スキー専用のハードシェルパンツではないが、裾を広げれば使用しているATブーツにもギリギリ対応し、BCスキーに求められるプロテクションと動きやすさのバランスがよく、ハイクアップから滑走までこなす。運動量が高いためトレッキングパンツは履かず、保温性の高い、山と道のアルファタイツを中に履く。

▲12~2月の乗鞍岳バックカントリースキー

 

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※この記事はPEAKS[2024年11月号 No.168]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

 

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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