雪山登山には高い登攀性をもつ機種が適している。How toスノーシュー＆ギアカタログ｜PEAKS 2025年1月号（No.169）

スノーシューは一体どんな道具で、楽しむにはなにが必要で、山登りにおすすめの機種は？
まずは、基本の“キ”と注目モデルをチェックしよう！

編集◉PEAKS編集部
文◉吉澤英晃
写真◉熊原美惠

スノーシューは、足元が深く沈むほど雪深い場所を歩くためのスノーギアだ。歴史は古く、原型はいまから数千年以上も前に誕生したといわれている。長い進化の過程で備わる性能は枝分かれし、現在は起伏の少ないハイキング向けから傾斜地に対応する登山向けまで、さまざまなタイプを選ぶことができる。

なかでも雪山登山には高い登攀性をもつ機種が適しており、ヒールリフトが付き、鋭利なクランポンを備え、フレームやデッキにも雪面を捉えるブレードをもつモデルがおすすめだ。

今回は、主要メーカーの登山向けモデルから注目機種をピックアップ。各パーツの説明、スノーシューで山に登るために必要なこと、ワカンとの違いと共に紹介する。

各パーツの名称

1.クランポン

ビンディングの裏で飛び出る爪状のパーツ。雪面を捉えてグリップ性やトラクション性を発揮する。

2.フレーム＆デッキ

本体の外枠を形作るのがフレームで、内側に張られているシート状の生地をデッキと呼ぶ。フレームは金属プレートや中空パイプなどで作られ、フレームとデッキが樹脂で一体形成されるモデルもある。

3.ヒールリフト

斜面を登るときふくらはぎの負担を軽減するサポートパーツ。かかとを支えて足裏の水平を保つ。

4.ビンディング

本体と登山靴を固定するパーツ。靴の固定には甲を包むものやバンドやラチェット、Boaシステムなどが採用されている。

ワカンとはなにが違う？

深雪での歩行をサポートする道具にワカンがある。用途はスノーシューと同じだが、浮力（足元の沈みにくさ）はスノーシュー、軽さはワカンのほうが勝っている。雪深いフィールドを終始歩くことがわかっていればスノーシューを、出番があるかわからない場合にはワカンを持っていくのがよく、状況に応じて使い分けよう。

スノーシューで山に登るにはなにが必要？

スノーシューを履いて雪山に登る行為は一般的な雪山登山と変わらない。そのため雪山登山の基礎知識が必要で、装備や服装も基本は同じものを用意する。バランスをとるためのトレッキングポール、公共交通機関で移動する場合は持ち運び用の収納ケースも準備しよう。

スノーシュー

４種類の登山向けスノーシューをご紹介。

アトラス/レンジ MTN 22

強固な金属フレームをもつ山岳モデル「レンジ」のなかで、「MTN」は登攀性を重視した設計が特徴だ。波打つフレームで雪面を捉える高いグリップ性をもち、Boaシステムのビンディングで着脱しやすい操作性も備えている。

• ￥55,000
• カラー：ワンカラー
• サイズ：ワンサイズ（56×18cm）
• 重量：1,720g
• 問）モンベル

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モンベル/アルパイン スノーシュー 56

他メーカーの上位機種に引けを取らない軽さやグリップ性を誇り、左右を重ねたときに嵩張らず携行しやすい点も好ポイント。高機能を備えながらエントリーユーザーに優しい手頃な値段で話題をさらった人気モデルだ。

• ￥19,800
• カラー：ワンカラー
• サイズ：ワンサイズ（56×20cm）
• 重量：1,720g
• 問）モンベル

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TSL/シンビオズ インスティンクト

Boaシステムを採用したビンディングはダイヤル操作ひとつで靴全体を均一に包み込む機構をもち、優れた一体感を発揮。雪面の凹凸に沿って変形するフレキシブルなフレームにより、少ない負担で軽快な雪上歩行を楽しめる。

• ￥55,000
• カラー：ワイン、他1色
• サイズ：S（52.5×19cm）、M（59×21cm）、L（69×22.5cm）
• 重量：1,690g（M）
• 問）ミヤコ・スポーツ

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MSR/ライトニングアッセント

登攀性に優れるスノーシューとして不動の地位を誇る定番機種。本体の両サイドをつなぐ2本のブレードと全方位にグリップするフレームにより、急斜面での安定感が群を抜く。ビンディングにも金属パーツを多用し強度も高い。

• ￥68,200
• カラー：コバルトブルー、他1色
• サイズ：22in（56×20cm）、25in（64×20cm）
• 重量：1,874g（22in）
• 問）モチヅキ

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トレッキングポール

（上）MSR/ダイナロックアッセント S

軽さを重視したカーボン製。操作しやすいレバーロックで長さを調整できる。収納用のベルクロストラップを備え、MSRのスノーシューのヒールリフトを引き上げられるスノーバスケットも付属。

• ￥33,000
• サイズ：100 ～ 120cm
• 重量：471g（ペア）
• 問）モチヅキ

（下）レキ/シェルパ ライト

人間工学に基づくグリップが優秀で、さまざまなポジションでも手のひらにストレスを感じづらい。長さを調整するレバーロックはグローブを着けたままでも操作しやすく、アルミ製で強度も高い。

• ￥25,300
• サイズ：68 ～ 135cm
• 重量：約510g（ペア）
• 問）キャラバン

※この記事はPEAKS［2025年1月号 No.169］からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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