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音楽と人と街をつなぐアウトドアな旅企画「ototabito」特別編・佐渡島/Rihwa【史跡 佐渡金山/ドンデン高原・ドンデン尻立山】

ototabito(オトタビト)では、音楽をきっかけとした、自然と街、そこで暮らす人たちと出会う旅を提案していきます。毎回1組のアーティストが、自身の音楽とつながりのある街と思い出の場所を紹介。今回は特別編として、アーティストのRihwa(リファ)さんが新潟県・佐渡島を訪れました。リファさんにとって、初めての佐渡島。日頃から、登山やキャンプを楽しむ彼女に響く、佐渡島旅の魅力を紹介します。

特別編・佐渡島/Rihwa【アウトドアベース/二ツ亀キャンプ場】
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長い歴史と無数の坑道を歩いて知る「史跡 佐渡金山 山師ツアー」

佐渡金山の歴史は400年。その金鉱脈は、東西3,000m、南北600m、深さ800mに広がり、その長い歳月のなかで産出した金の量は、78トンにもおよぶという(銀は2,330トン)。日本最大級の金銀山は、世界文化遺産の候補として、世界中から注目を集める場所でもある。

そんな史跡・佐渡金山を深く知りたいと、リファさんが参加したのが「ガイド付き山師ツアー」。普段は決して入ることのできない、ふたつの坑道を、地元ガイドの案内のもと歩くもの。

この日のツアーガイドは、地元生まれ、地元育ちの戸田涼太さん。山師ツアーガイド歴は5年。佐渡金山の魅力は、その歴史の長さと規模の大きさだと戸田さん。「ここには未整備の道が無数にあり、アリの巣状に広がっているんです」。

ヘルメット、ヘッドライト、雨合羽を装備し、いざ坑道内へ。まず案内してくれたひとつめの坑道は、佐渡特産の無名焼の原料を発掘した「無名異坑(むみょういこう)」。

赤みがかった色が特徴の「無名異焼」の原料となる赤い岩石を採掘し、器を作っていた江戸時代。この土は、貧血や止血剤としても使われていたという。空気に触れ、酸化し赤くなるこの岩石は、断層の周りにしかできないと、戸田さん。無名異焼は非常に硬いのも特徴。

真っ暗な坑道の中では、年代によってさまざまな灯りが使われていたという。金山開発始めから明治10年代までは、無名焼の器に油をひいて火を点けるスタイル。煙が充満する坑道内で働くため、肺を患い亡くなる人もいたそう。明治20年以降は、西洋式の灯油ランプ。明治41年からは、酸素を使わずに灯すことができるアセチレン灯(佐渡鉱山で作られたもの)が活躍。

次に案内してもらったのは、江戸初期に開削された「大切山坑(おおぎりやまこう)」。この大切山坑は、江戸初期の山師・味方与次右衛門が「この先に必ずや金脈があるはずだ!」と14年もの歳月をかけて400mの坑道を掘り進め、1647年に大鉱脈を発見したと伝えられている。

坑道の壁はボコボコとしており、江戸時代に人が手彫りをしていた跡。また、坑道内での酸素不足を防ぐために2本の平行坑道を同時に掘り、途中で数カ所貫通させ空気を循環させていたという。坑道内ではときおり風の流れを感じることも。

平行坑道の右側はトロッコが通れる幅に広げたもの。ふたつの坑道の幅は1m未満と、人力で掘らなければ不可能な幅だ。時代の境目をここで感じることができる。この先を進むと、大規模な採掘跡を見ることができ、トロッコ用レール跡も残っている。ツアーではここで灯りをすべて消して、暗闇体験なども。

「暗くて狭い坑道を、ヘッドライトの灯りを頼りにガイドさんと歩くツアーは、この土地の歴史を五感で体験できるもの。質問もいっぱいできました!足元が泥だらけになったり、常に10度前後だという坑道内で寒さや風を感じたり。人の手で掘られたうろこ状の壁を見て、人の気配を感じたりも。いまのほうが道具も技術も進化しているけれど、“人にしかできないこと”を知ることができました」(リファさん)。

史跡 佐渡金山/ガイド付 山師ツアー
催行期間:4月~11月
料金:大人2,400円、小中学生1,200円
見学時間:100分(出発時間10時、14時)
定員:2名以上10名未満
予約:前日16時まで
※長靴、キャップライト、合羽の貸出あり

問い合わせ:ゴールデン佐渡
新潟県佐渡市下相川1305番地
TEL.0259-74-2389
http://www.sado-kinzan.com/

360度の絶景とお花畑が広がる「ドンデン尻立山」

佐渡島には標高1,000m前後(島内で一番高い山は、金北山/標高1,171m)の山が連なり、日帰りから縦走登山まで、さまざまな歩き方と楽しみ方ができるもの魅力のひとつ。リファさんが今回歩いたのはドンデン高原にある、標高940mのドンデン尻立山。ドンデン山荘から片道45分ほどでたどり着ける、初心者でも安心のコース(片道約700m)。

このコースのハイライトは2度訪れる。1度目は上写真のお花畑。歩き始めて15分ほどで、草原のようなその場所には、数えきれないほどの花が咲いていた。「えー!」「キレイ!」。そんなリファさんの感動の言葉が響いていた。山肌にまっすぐ伸びる登山道をたどりながら、尻立山の山頂を目指していく。

▲歩き始めは、トンネルのような木々のあいだを通り抜けていく。足元には、秋らしい紫色の花(リンドウなど)が咲き、“花の山”への期待も高まる。上り坂もとてもゆるやか。

そして、2度目。たどり着いた山頂からは、その先の山まで道が続いていくようすが見渡せ、眼下には赤い屋根の小屋が見える。1時間でたどり着く景色とは思えない、深くて、広くて、美しすぎる風景にだれもがため息を漏らすはず。目線の先には、海が見える。本州側には、鳥海山や月山、朝日岳、飯豊連峰と東北を代表する名峰の姿があり、ここが30km以上離れた島であることを実感する。
「どこまでも歩いて行けそう」。そんな気分にさせてくれるのが、佐渡の山の魅力だ。

▲ドンデン山荘に戻る途中、木々の向こうに両津港のある町と加茂湖が、眼下に広がる。旅人を島へと運ぶカーフェリーも、海の上に小さく見える。

「見渡す限り、山、海、山、海……。そして、どこを切り取ってもお花がいっぱいの山肌を歩ける低山なんて、本当にすてき!山頂から見えた稜線を、次は縦走してみたい。もう一度ここに来たいと思いました。遠くには本州の山もみることができて、離れた場所から“日本”を見ているみたいで、とても新鮮でした」(リファさん)

リファさんの撮影するyoutube動画もお楽しみください!

Rihwa
北海道・札幌出身。シンガーソングライター。15歳で単身カナダに留学。ボーカルクラスで歌うことの楽しさと音楽の与えるパワーを知り、楽曲制作をスタート。2012年にメジャーデビュー。10周年記念アルバム『The Legacy EP』が発売中。2016年頃から登山を始め、仙丈ヶ岳や鳳凰三山、富士山などに登頂。現在は関東近郊の低山ハイクやキャンプも楽しむ。https://www.rihwa.net/

トライトンジャケットウィメンズ¥18,700、マルチフィールドパンツウィメンズ¥15,400、バックパック:セクター25¥11,550、TCサコッシュポーチ¥2,750(すべてカリマー/カリマー インターナショナル)、サーカ ディア ミッド¥15,400(キーン/キーン・ジャパン)、その他スタイリスト私物

問い合わせ:
カリマー インターナショナル 03-3221-6883
https://www.karrimor.jp/
キーン・ジャパン 03-6804-2715
https://www.keenfootwear.com/ja-jp/

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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