山梨県・八ヶ岳のふもと、北杜市エリアの魅力を味うモニターツアー/体験レポート
ランドネ 編集部
- 2022年12月29日
冬になり、外はどんどん寒くなってくるころ、1年のごほうびにゆったりと美味しいものやお酒を味わって暖かい気持ちになりたいな……と思っている方も多いのではないでしょうか?私(編集部員山田)もそのひとりで、時間が空けば、美味しい情報をリサーチしています。
11月下旬、八ヶ岳のふもと北杜市で開催された、現地で活躍される和・洋・中のシェフとソムリエの方々の提供する特別なフルコースをいただけるイベント「やまなし美酒美⾷フルコースツアー」に参加。
時期は紅葉のシーズンまっただなかで。会場に辿りつくまでのバスの窓からは、南アルプス、奥秩父、八ヶ岳の山々が織りなす景色を楽しみました。このイベントで味わった、八ヶ岳のふもとで堪能できる美食と美酒を紹介。ぜひ、山とふもとの旅の参考にご覧ください。
八ヶ岳のふもとの山梨県北杜市
イベントの舞台となった北杜市は、山梨県の北西部にあり、八ヶ岳連峰、南アルプス、瑞牆山(みずがきやま)、富士山と日本を代表する山々に囲まれた場所。 太陽の光がたっぷりと降り注ぎ、森の奥からは美しい清水が湧き出ます(なんと3つもの湧き水が名水百選に認定されています)。さらに有名なワインに限らず、さまざまなお酒の醸造所が点在し、野菜、畜産など豊かな食にも恵まれています。
会場は八ヶ岳のふもと、もともと宿場町だったちいさな集落の一角にあるレストラン「Terroir 愛と胃袋」。築約170年の「問屋場」といわれる歴史ある大きな古民家をリノベーションした空間です。
▲大きな窓からは暖かな秋の日差しが降り注ぎ、木のぬくもりが感じられるすてきな空間
北杜市の魅力に魅了されたシェフたち
今回のイベントは、北杜市の自然の魅力に惚れ込んだ才能あるシェフとソムリエによるコラボレーションによって実現。「Terroir 愛と胃袋」の鈴木信作さん(写真左)は、自然のなかの遊びと学びと恵みを料理に活かすことを信条に、現地の豊かな食材とそれをつくる人々に敬意を払った一品を。さらにご自身も狩猟免許を保持し、みずから八ヶ岳の山に入り狩りをしたり、山菜の採ったりするそう。
みなさんに共通していたのは、手を加えすぎずにに食材が本来もつ旨みを引き出したいという気持ち。たとえば、「Chinese restaurant HUKU笑 i」の羽田野博司さん(写真右)は「複雑なものをつくるより、シンプルなものを作る。ことが、食材の良さを引き出す調理法」と。そんな羽田野さんは、新緑や紅葉などの山梨県の自然が好きだったご家族に付き添い訪れるうちに、ご自身もその魅力の虜になり移住されたそう。八ヶ岳の魅力は「都会に比べて不便かもしれないけれど、そのぶん人間らしい感覚を大切にできる」と羽田野さん。
八ヶ岳の恵みをたっぷり受けた食材を使った料理とお酒のスペシャルなペアリング
最初にいただいたのは、4人のシェフによる合作の一皿。
フレンチ、和食、中華、イタリアンなどさまざまな軸で、その土地が育む食材への敬意が表現されています。使用されている食材や調理方法についてのお話を聞くのも食の楽しみのひとつ。合わせていただいたお酒は「HOKUTO Japanese pilsner」。北杜市で栽培された「カイコガネ」だけを使用した、希少なプレミアムなビールで、クリアな苦味と爽やかな味わい。
次に「Prosciutteria」の森本慎治さんによる「八ヶ岳生ハム3種盛り」。
左奥から、12カ月熟成、60カ月(!)熟成の野生イノシシ肉、24カ月熟成。完全無添加の生ハムで山梨県産の豚を天然の塩と八ヶ岳の自然の風のみで熟成されているそう。
柔らかく風味豊かな生ハムは、もちろんそのままでもすばらしい味に。添えられたリンゴのスープや、北杜市で採れる武川米の新米をモモのお酢と合わせた酢飯といっしょにいただくとよりいっそう美味しい。
合わせるお酒は、耕作放棄地を再生したブドウ畑で作られたワイン。お肉、お米、フルーツ、お酒すべてに北杜市のものが使われていて、まさに八ヶ岳の恵みが生んだマリージュを堪能!
3品目は「秀よし」の櫻井秀義さんによる「鱒(ます)の真薯 白肌ごぼう煎餅添え」。
真薯に使われたマスは八ヶ岳の湧き水で養殖されているそう。そのためか川魚にもかかわらず、まったくくさみはなし。
いっしょにいただいたのは、150年以上もの歴史を誇る歴史のある酒蔵「武の井酒造」の「武の井」。北杜市産の酒米と八ヶ岳の湧き水で仕込まれており、造られているのは、ペアリングを提案してくれたソムリエの鈴木忍さんの同級生。造る人とそれをそれを伝える人の繋がりを知れることは、いただく側の私たちにとってもうれしいこと。
4品目は羽田野さんによる「甲州地どりの蒸しスープ」。
日本酒の仕込み水と生ハムのスープを合わせてできたスープは、しっかりとした地鶏に勝るくらい風味が豊かで、各テーブルからスープの力強い味わいへの驚きの声があがるほど。ペアリングは「シャトーセミヨン」。セミヨンとは古酒のことで、素朴な味わいがスープのあたたかさにぴったり。
5品目は鈴木さんの「陸作信玄エビ ブイヤベース」。
食材のエビは「ミソを食べるエビ」といわれるほど濃いミソで有名。食べると口いっぱいにエビの豊かな風味が。頭から尻尾までいただけるぜいたくで、お気に入りの一品に。
いっしょにいただいた「グレイス ロゼ」は、骨太のロゼワインを作りたいという生産者の思いから生まれた1本。
6品目は羽田野さんによる「八幡芋の台湾式おこわ」。
新米の柔らかくもちもちした食感と甘みが、山梨県の特産品であるねっとりした八幡芋とぴったり。
合わせるのは、武の井酒造の焼酎「長期樫樽熟成」。37℃のお水で1:1で割ったものをいただきます。7年間熟成されておりウィスキーを思わせる味わい。通称「八ヶ岳ハイボール」と呼ばれる炭酸割りもおすすめとのこと。
続いては、鈴木さんによる「ジビエのトゥルト」
カットする前の焼き上がりの状態を見せていただくと、きれいなきつね色でなんとも美味しそう。
カットされたものがこちら。鴨肉が猪肉で包まれ、そこにラズベリーの酸味が効いた赤ワインソースがかかり、ビーツと根セロリの赤白のピューレが添えられています。北杜市の山の幸がたっぷり!お肉は柔らかくさっぱりとした味わい。
デザートは、櫻井さんによる「柚子プリン 柚子ピール甘露煮」。
あますことなく使われた柚子の優しく爽やかな香りがプリンの濃厚さと抜群のバランス。プリンはトロトロだったのでほろ苦いカラメルよく絡んで至福の味。
合わせたのがスパークリング日本酒の「山の霞」。スパークリングの日本は、泡がきめ細やかでとても飲みやすく、優しい甘さでデザートとの相性もバッチリ。
最後に鈴木さんによる小さな焼き菓子もいただきました。
こちらのフィナンシェにはどんぐりのリキュールを使用。秋の森を切り取り、そのまま食卓に持ってきたかのような盛りつけがかわい。柚子の入った和紅茶もいただきました。
今回のスペシャルなコースを作り上げてくださったシェフとソムリエのみなさま。
▲今回の選りすぐりの美味しいお酒たち。
初めて訪れた山梨県北杜市。美しい自然に恵まれた土地で、大好きなお料理とお酒をいただく1日。好きなものを入り口にして、知らない土地を訪れる楽しさを、改めて知ることができました。
山の麓で美味しい食とお酒に出会える山梨県
山梨県県内のワイナリーや酒蔵をめぐることで美味しいお酒と食のペアリングセットが当たるイベントが開催されています。美酒と美食の旅は、自分へのご褒美にぴったりの山旅に!ぜひ訪れてみては。
2023年1月からは「山梨美食ウィーク」が開催されます。山梨県内の飲食店で県産の食材を使用した特別メニューが提供されます。今後の情報は下記のホームページからご確認ください。
https://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sk/bishoku/top_page_since_2022.html
やまなし美酒めぐりデジタルスタンプラリー
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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