登山に手ぬぐいが好まれる理由とは?その便利さについて徹底解説
FUNQスタッフ
- 2023年02月22日
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皆さんは登山に手ぬぐいを持参したことはありますか?
手ぬぐいは登山者に愛用される便利なアイテム。山小屋泊をしたときに、販売されているのを目にした人も多いでしょう。手ぬぐいは、おしゃれなものや、かわいいものなどデザインもさまざまです。
しかし、手ぬぐいを使うことが少ない方は、なぜ愛用者がいるのかわからないという方もいるでしょう。そこで今回の記事では、手ぬぐいについて詳しく解説していきます!
- 手ぬぐいとは何なのか
- 登山での手ぬぐいの役割
- 手ぬぐいの活躍場面
おすすめの山小屋オリジナルデザインの手ぬぐいも紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
まずは「手ぬぐい」について知ろう
綿から作られた布に、さまざまな柄を染めた布を「手ぬぐい」といいます。
手ぬぐいの歴史は奈良時代までさかのぼり、当初は祭礼の道具として用いられていたといわれています。江戸時代に入って、綿花がたくさん栽培されるようになり、木綿の着物を作った際にでる切れ端から手ぬぐいが作られるようになったそうです。
使い道によって長さを変えられる手ぬぐいは優れた速乾性をもち、衛生面の良さなどから庶民の間で広まります。しだいにファッションアイテムとしても人気になり、品評会が開かれるようになりました。汎用性の高さとおしゃれさから、昔から現在にいたるまで変わることなく愛用されています。
手ぬぐいを登山のお供におすすめしたいポイント
手ぬぐいは登山に不向きな綿で作られているため、普通なら使われないアイテムです。しかし、手ぬぐいは他にはない優れたメリットであふれています。ここでは、そんな手ぬぐいの良さをお話します。
軽くて持ち運びがしやすく、荷物がかさばらない
タオルよりも薄い手ぬぐいは、軽量性に優れています。フェイスタオルと同サイズなのに、ガーゼのような薄さをもつ手ぬぐいは、ポケットにも収納可能です。コンパクトにたためるのでザックの中に入れておいても、荷物の邪魔になりません。
荷物の重さとスペースにこだわる登山において、手ぬぐいはピッタリのアイテムといえるでしょう。
吸水性と速乾性に優れている
手ぬぐいに使われている綿は、繊維の性質により吸水性が高いです。肌触りがよく清涼感のある綿は、タオルや衣服など幅広い面で使われています。綿の特徴に、内側と外側で温度差があると、内側の水分を吸って外側に放出するというものがあります。そのため、水に濡れている状態だと、肌に接している面が涼しく感じられます。
綿は水に濡れると強度を増すという性質があり、装備に耐久性を求める登山と相性が抜群です。デメリットとして、綿は濡れると乾きにくいというものがあります。しかし、デメリットを逆に利用すると、手ぬぐいを濡れたままの状態で長く維持させられます。濡れた状態だと滑りにくくなるのも利点です。
また、綿は乾きにくいですが、手ぬぐいは薄手なので速乾性にも優れています。ドライな状態で使い続けたい方にとって手ぬぐいは、タオルよりも使いやすいでしょう。
マスク代わりにもできる
登山中もマスクをしていたい方は、手ぬぐいを代わりに代用するのがおすすめです。手ぬぐいは通気性も良いため、息苦しさが軽減されます。手ぬぐいはやわらかな手触りをしているので、長時間着用しても不快感も少ないです。人によっては、手ぬぐいをハンドメイドして立体マスクを作る方もいらっしゃいます。
また、噴煙や土ぼこりが起きたときに、手ぬぐいをマスク代わりにできます。通常のマスクと違い、手ぬぐいは後頭部や耳もおおえるため、異物を排除する防御性能が高いです。通常時でも、山の稜線上で顔の日焼け止め対策に使ったり、就寝時の乾燥対策として使えますよ。
イラストが豊富で可愛らしい
手ぬぐいに使われている綿は、染めやすい性質があります。昔から、染めやすさを利用してさまざまな柄が考案されてきました。定番の和柄は和風で美しく、なかには家紋を染めた手ぬぐいもあります。近年の手ぬぐいになると、オリジナルの柄が個々で考案され、モダンデザインのものも増えています。
おしゃれな手ぬぐいが増えたことで、手ぬぐいは登山のコーデ力をアップするアイテムとなりました。おしゃれな手ぬぐいを集めるコレクターも増えていますよ。
さまざまな場面で使える!手ぬぐいの用途
手ぬぐいは日常から登山、緊急の場面でも使用できます。手ぬぐいの活用方法は人によって違います。そのなかでも、代表的な手ぬぐいの活用方法を紹介します。
汗を拭く
手ぬぐいの主素材である綿は吸水性が良く、汗をぬぐうのに適しています。綿は乾きやすいので、汗で濡れてもすぐにドライな状態に戻ってくれます。乾きがはやいということは雑菌が繁殖しにくく、長時間衛生的に使えるということです。
ネックウォーマーのように手ぬぐいを首や頭に巻くと、汗を蒸発させるときに肌面の熱を奪ってくれるので、とても涼しく感じられます。タオルよりも薄手なおかげで、熱がこもりにくいという性質もあります。手ぬぐいは汗をかきやすいシーズンに使いやすいアイテムといえるでしょう。
また、ハンカチとして手を洗ったあとの水分をふくのにも役立ちます。ハンカチよりも大きく、吸水性も良いので、素早く手を乾燥させられます。
鍋つかみ代わりになる
手ぬぐいは熱にも強いので、鍋つかみ代わりにも使えます。軍手やミトンなどは綿が使われることが多く、同じく綿が使われている手ぬぐいは耐熱性に優れています。綿の燃焼温度は約275℃以上といわれ、熱によって軟化しにくいとされています。熱によって穴があくこともなく、手ぬぐいの品質を損なわずに鍋つかみとして使えます。
また、登山装備は熱に弱い化学繊維が使われているため、登山で調理をする方にも手ぬぐいはおすすめです。手ぬぐいは折りたたみ方次第で、鍋つかみの形にすることもできますよ。
お風呂のタオルとしても使える
手ぬぐいは滑らかな質感をしているので、お風呂のタオルとしても活用できます。せっけんと一緒に体を洗うことで、肌の上を滑るようにやわらかく洗浄できるでしょう。体以外にも、顔の洗浄に使うことで角質をしっかりと落としてくれますよ。化粧品の成分次第では、メイク落としにも使えます。
手ぬぐいは速乾性も高いため、体を洗浄したあとに風呂場に干しておいても、すぐに乾いてくれます。繰り返し衛生的に使えるのもいいですね。ただし、手ぬぐいは天地(布の端)が縫われていないため、ボディタオルとして使い続けると糸が出てしまう可能性があります。糸はある程度のほつれで止まりますが、気になる方はカットして使い続けましょう。
怪我の応急処置に
突然怪我をしてしまった場合、手ぬぐいをもっていると応急処置ができます。手ぬぐいは手で裂くことができるので、出血があったとき傷に応じて手ぬぐいを小さくして巻けます。また、患部が腫れてしまったときは、手ぬぐいの濡れると冷える性質を利用して、アイシングもできます。何度も濡らし直して、くり返し冷やすことでより効果を発揮できますよ。
また、靴のソールがはがれてしまったときに、手ぬぐいを巻いて一時的に歩行ができるようにします。特に登山中は、ソールが剥がれてしまうと歩行不可能な状態となる可能性もあり、手ぬぐいによって靴の補強ができるのは心強いです。
手ぬぐいのラインナップが豊富な山小屋も!
山小屋で独自デザインの手ぬぐいが販売されている場合があります。おしゃれなものも多く、山小屋の手ぬぐいを買うために登山をする方もいらっしゃいます。山小屋の手ぬぐいのなかでも特におすすめの3つを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
涸沢ヒュッテ
登山者のあこがれ、涸沢カールに抱かれている涸沢(からさわ)ヒュッテには、オリジナルデザインの手ぬぐいが、約7種類もあります。アーティストによって、さまざまなデザインがほどこされており、涸沢カールをイメージしたものや、登山道具をイメージしたもの、穂高連峰を描いたものなどがあります。
槍ヶ岳山荘
北アルプスにそびえ立つ槍ヶ岳の直下に建つ槍ヶ岳山荘は、多くの登山者が立ち寄る山小屋です。オリジナルデザインの手ぬぐいには、雄大な槍ヶ岳の朝、夜が描かれたものがあります。朝焼けをイメージさせるオレンジデザインに、深夜の静けさを思わせる紫デザインは、どちらもそろえたくなる魅力があります。
白馬山荘
白馬岳の山頂近くに位置する白馬山荘は、日本有数のロケーションに建つ山小屋です。手ぬぐいには白馬岳を描いたものに加え、白馬山荘のオリジナルキャラクター「白馬らいぞう」をデザインしたものがあります。
以下の記事で、山をイメージした手ぬぐいを紹介しているので、ぜひ見ていってください。
手ぬぐいは山に最適!気になる方はチェックしてみよう
手ぬぐいの特性や活用方法、おすすめの山小屋オリジナルデザインの手ぬぐいを紹介しました。
- 登山にピッタリの性質をもつ手ぬぐい
- 手ぬぐいは緊急時にも使える
- 山小屋独自の手ぬぐいが人気
手ぬぐいは登山以外でも役立つアイテムです。お風呂から料理まで、日常生活のさまざまな場面でサポートしてくれます。ぜひ、お気に入りの手ぬぐいを探してみてください!
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