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アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方|#02 原生林と展望の山

山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。
今年の3月から12月までの10カ月間で、100座登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」もいいペースで登ることができて、前回の記事から一カ月間で10座登ることができました。

今回も、そのなかでも山梨らしい&ランドネ読者に登ってほしい山を紹介させていただきます!

4~5月中旬までに登った山梨の山

・茅ヶ岳
・石割山
・兜山
・鳥ノ胸山
・黒川鶏冠山
・網笠山
・今倉山
・菜畑山
・大菩薩嶺
・笹山

まずはその前にこのひと月で登った山を簡単にふり返ります。

日本百名山の著者である深田久弥氏の終焉の山、「茅ヶ岳」。この山行については『ランドネ7月号』の誌面でも紹介しております。

▲石割山

「石割山」はお手軽なのに満足度は◎!富士山の絶景とパワースポットもめぐる爽快なハイキングに。

▲菜畑山

「鳥ノ胸山(とんのむねやま)」や「菜畑山(なばたけうら)」と、難読山名の道志山塊の二座は、新緑を満喫することができました。

▲大菩薩嶺

本企画初の日本百名山「大菩薩嶺」は、行った人ならだれもがおすすめするであろう、初心者にも優しい名山ですよね。

さて今回紹介する山は、山梨百名山のなかでも個人的に大好きな八ヶ岳のこの山です。

網笠山~美しい原生林を抜け、八ヶ岳ブルーの大展望地へ~

▲網笠山

急峻な岩峰の山々が多い八ヶ岳のなかのひとつ編笠山。ぽこんと丸くなだらかな山頂で、山裾を長く引いた美しい山容が特徴です。

ちなみに、八ヶ岳のなかで山梨百名山に選ばれているのは、赤岳、権現岳、網笠山の3つ。山梨県の県境は赤岳まで延びており、北八ヶ岳エリアは長野県となります。網笠山へ最短で登ることができる登山口・観音平までの林道は、ゴールデンウィーク前にオープンします。

観音平の標高は、すでに1,560mありますが、編笠山の標高は2,524m。約1,000mの標高差となり、中低山よりも少し気合を入れて登らなければなりません。しかしこのルートは原生林あり、展望ありと、登山者を飽きさせない山で、不思議と気分はラクに登れるので、初めての八ヶ岳にもおすすめできる一座です。

▲笹原と朝日

観音平から初めのパートは笹原に付けられたトレイルを登っていきます。早い時間に出れば、朝日を浴びた黄金色に輝く笹原を歩けますよ。

登山口から約1時間で「雲海」とよばれる休憩&展望スポットに。さらにそこから徐々に森の密度が濃くなり、苔が敷き詰められた原生林へと植生が変わっていきます。分岐点にもなっている「押手川」までくれば、その苔や樹林の濃さがピークを迎えます。

▲押手川周辺

標高差が1,000mもあれば、山の植生の変化がよくわかります。網笠山の場合は、明るいカラマツ林に落葉広葉樹から始まり、標高が2,000mを超えてくるとコメツガなどの針葉樹林帯に移り変わます。そして森林限界を越えた山頂には、大展望が待っている。網笠山は短い距離の中で日本の山の魅力や特徴がギュッと凝縮されているんですよね。

▲山頂直下

押手川を越えれば、あとは山頂まで登るのみ!

疲れも出てくる区間ですが、ここからが頑張りどころです。私が登った日は快晴で絶好の登山日和でしたので、早く八ヶ岳ブルーの青空と展望が見たい一心で、疲れも感じず歩くことができました。

山頂に近づくにつれて徐々に低木が増え、時折ふり返れば、南アルプスのダイナミックな展望を見ることができます。網笠山は八ヶ岳の最南端ということで、南アルプスまで遮るものがありません。

ハイマツ帯に変わり、青年小屋の応援メッセージが見えたら山頂まであとわずか!

▲網笠山山頂

残りは八ヶ岳ブルーに吸い込まれるように登り、登山口から約3時間で山頂に到着しました。

山頂は巨岩で敷き詰められた広い大展望地となっていて、登る間に見ることができた南アルプスの展望だけでなく、南八ヶ岳の展望も見事です。

▲山頂風景
▲山頂からの南八ヶ岳の展望

権現岳、赤岳、阿弥陀岳と、荒らしい岩峰の連なりは、南八ヶ岳の大きな特徴ですよね。

山頂からそのまま来た道を下りることもできるのですが、この日はせっかくならと青年小屋まで下りて押手川に戻る、周回ルートを選択しました。この道を選んでもコースタイムでいえばプラス15分と、余裕のある方は展望を長く楽しめるこのルートがおすすめです。

▲巨岩帯の下り

山頂からは一旦樹林帯に入りますが、すぐに視界が開け巨岩が敷き詰められた道に変わります。危険個所はなく、巨岩から巨岩へ飛び移るように下りていく、アスレチック感がおもしろいパートです。

▲青年小屋

青年小屋に到着後は押手川へのトラバース道に入り、また原生林と苔の気持ちのいい道を歩き押手川に戻ることができます。

▲押手川までのトラバース道
▲観音平へ下山

山頂の巨岩石帯、押手川の苔の森、そして観音平のカラマツ林と笹原、日本の山の魅力をギュッと凝縮されたコースを歩ける網笠山。だからこそ、何度訪れても飽きることなく登れ、いつ来ても季節ごとの新たな発見があるんですよね。

今回のルートは、秋の紅葉シーズンまで楽しめますので、網笠山へ行かれる際はぜひご参考に!

▲梅雨の登山
▲南アルプス

これから6月にかけては、梅雨の季節となります。山梨百名山は雨のなかでも苔や森を楽しめる山もあるので、そんな山を中心に登ってみなさまに魅力をお伝えできればと思います。

そして南アルプスなど高山の開山が待っています!

エルクスタッフ 綾井瞭
北岳の山小屋で勤務後、山梨の山が好きで移住し、エルクに入社し7年。登山、トレイルランニング、スキーと広く山を楽しんでいたが、ヒザを壊してからは山梨県の山を改めて登り始める。山梨百名山チャレンジ企画の担当であり、山梨県の山を登って魅力を発信することをモットーに山登りを続けている。

エルクブログ「山梨百名山チャレンジ」はこちらから!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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