小平奈緒さんが山登り|写真で楽しむ八ヶ岳・硫黄岳
ランドネ 編集部
- 2023年07月26日
長野県茅野市に生まれ育ち、幼いころは毎週末のように家族と山を訪れていた小平奈緒さん。スピードスケートの競技生活のなかでしばらく離れていた山登りを再開するにあたって、奈緒さんが選んだのは、お父さんと何度も訪れていたという八ヶ岳・硫黄岳でした。その模様は、「ランドネ2023年9月号」と茅野市のYouTubeチャンネル「Fun!Yatsugatake」でも公開中。この記事では取材でのエピソードを写真とともにご紹介します。
硫黄岳を訪れたのは、6月上旬。梅雨の晴れ間。
スタートは標高1,890mの桜平登山口。昨晩の雨で濡れた樹木や草、苔の緑がキラキラと輝く。
沢の響き、鳥の声、風で揺れる枝葉の音。森の命を聴覚で感じて。歩みを進めるにつれ、奈緒さんの表情がほころんでいく。
夏沢峠を越えて、樹林帯を抜けて、一歩ずつ。幼いころお父さんと歩いた記憶をたどりながら、樹木の間からのぞく青い空「八ヶ岳ブルー」に近づいていく。
稜線に出ると、眼下には茅野のまちが見えてくる。「わたしの実家はあっちのほうかな」
稜線に沿って立ち上がる雲海。背後には、天狗岳や蓼科山など、北八ヶ岳の名峰が並ぶ。
眼下に広がる茅野の暮らし。まっさらだった登山靴も少しずついい味に。
標高2,750mの硫黄岳。無事に登頂し、記念撮影!
オランダ留学で苦手だったコーヒーが好きになったという奈緒さん。この日は、お気に入りのコーヒーを持参。ドリッパーもカップも、
3種類のドライフルーツのりんごをいただきながら、おしゃべりを。家族との山の思い出、お仕事のこと、日々感じていること。
360度広がる眺望を愉しみながら、山頂で休憩している登山者同士で、「今日はいい日ですね」なんて声をかけあったり。自然体の奈緒さん。心の動くままに過ごす、束の間のひととき。
赤岳、横岳。目の前に聳え立つ、八ヶ岳の名峰たち。
「爆裂火口ってこんな感じだったかな?」子どものころの記憶とは、背が伸びたせいか、ちょっと違う景色が広がる。
下山は、赤岩ノ頭からオーレン小屋へ。オレンジと白の混ざり合った砂地がかっこよく、思わずこのままずっと先へと歩きたくなるような、気持ちのいい稜線歩き。
今回撮影を担当してくださったフォトグラファーの加戸昭太郎さんから、「可愛いお花を見つけたら教えてね」とのリクエスト。この日出会えたのは、キバナシャクナゲやチングルマ。
登山再開に向けて、忙しい合間を縫って準備した山のウエア。普段の生活でもシームレスに身につけられるものをと選んだ、自身の感性に合うアイテムをまとい、ぶれることのない自分の軸で山の空気を丁寧に味わい切る。
遅めのランチは、オーレン小屋名物のボルシチ。
「いただきます」。サイドには、ご主人の小平岳男さんおすすめの寒天入りパンを。
ごはんを食べたあとは、記念撮影をして、スタッフさんと交流タイム。帰るころには、「わたしも働いてみたいな」と奈緒さん。ご主人の岳男さんは、今回の取材を歩き始めから同行し、水力発電の仕組みを教えてくださったり、影でサポートしてくださった。
「気持ちが疲れているときでも、山に登るとリフレッシュできるはず。しっかり準備は必要だけれど、もっと身近に山を感じて、愉しんでほしい。これからはそんなことも伝えていけたらいいな」
選手時代から言葉を大切にしてきた奈緒さん。これからどんな山の時間をすごし、何を感じ、どんな表現をしていくのでしょうか。
旅のようすは、茅野市のYouTubeチャンネル「Fun!Yatsugatake」、「ランドネ2023年9月号」、「広報ちの」も合わせてお楽しみください。
◎小平奈緒さん
長野県茅野市生まれ。相沢病院所属。信州大学特任教授。2018年平昌オリンピックで日本女子スピードスケート史上初の金メダルを獲得。2022年に競技生活を終え、信州を拠点に「Life Artist」として幅広い活動をスタート。
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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