【いつか泊まりたい山小屋#47北アルプス・大日小屋】ランプの下でアコースティックギターの音色に酔いしれる
ランドネ 編集部
- 2024年06月04日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。47軒目は、ギター職人が営む北アルプス大日岳の山小屋、大日小屋をピックアップ。
アルピニスト憧れの山を正面に望むロケーション
立山三山・剱岳の登山のベース基地である室堂からも、ふもとの登山口である大日岳登山道入口からも片道5時間以上。そんな長い道のりを歩いた先、大日岳の山頂直下に建つ大日小屋は、定員36名ほどのこじんまりとした山小屋だ。
この山小屋のなによりの魅力は、多くのアルピニストを惹きつけて止まない“岩の殿堂”、剱岳の眺めがすばらしいことに尽きる。大日岳の隣にそびえる奥大日岳には山小屋がないので、剱岳全体を東側から拝める山小屋は大日小屋のみ。1泊すれば、剱岳の背面から昇る朝日、剱岳を赤く染めながら沈みゆく夕日など、刻々と変化していく風景を堪能できる。北西方面へ目をやれば、富山湾や富山市街を見下ろせることも大きな魅力だ。
夕食後には食堂兼休憩室でギターの生ライブが行なわれることも
オーナーの杉田健司さんがギター職人であることも、大日小屋の魅力を語る上で欠かせないポイントだ。杉田さんは、夏の間は代々受け継いできた大日小屋を営み、オフシーズンには富山市内にある工房でアコースティックギターの製作を行なっている。
杉田さんが手がけたアコースティックギターは山小屋内に飾られているので、滞在すればその美しいフォルムを間近に見ることができる。夕食後には食堂兼休憩室の一角でギターを使った生ライブが行なわれることもあるため、タイミングが合えば実際にその音色を聴くこともできるのだ。街の喧噪も光も届かない山の上で聴くアコースティックギターの音色は、山旅をよりいっそう特別な体験へと変えてくれるに違いない。
山小屋から目指すおすすめルート【大日小屋~称名滝 片道約4時間】
ふもとの登山口である大日岳登山道入口の近くに、350mと日本一の落差を誇る称名滝がある。大日小屋への往路または復路のいずれかで、稜線上で眺める山々の景色とはひと味違うダイナミックな滝の景色を楽しむことをおすすめしたい。
称名滝には展望台もあるが、登山口から20分ほど、登山道ではなく沢沿いを歩いていけば滝つぼまで行くこともできる。滝つぼから見上げる迫力満点の滝、落差350mが生み出す水しぶき、沢底まで透き通った水など、足を運ぶ価値が充分にある景色が待っている。
とくにハイシーズンになると室堂周辺は観光客や登山客で大賑わいだが、いっぽうで大日小屋はそれほど人が多くはなくゆったりした時間が流れている。ギターに目がない人はもちろん、山の上で静かに過ごしたいという人にとっても、大日小屋はこのうえなく居心地のいい山小屋に違いない。
大日小屋
http://www.dainichigoya.jp/
・標高:2,425m
・営業期間:7月10日~9月30日
・宿泊料金(税込):1泊2食13,000円~、素泊まり8,500円~
・電話番号:090-3291-1579
※この記事は、2024年5月31日現在の情報となります。最新情報は、山小屋の公式ウェブサイトやSNSをご参照ください。
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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