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快眠を助けるシートゥサミットのスリーピングバッグライナー(インナーシーツ)とは?ランドネ編集部が魅力に迫る!

宿泊をともなう山歩きの場合、快適な山旅を楽しむためのカギを握るのが“睡眠”。自宅の睡眠環境とは大きく異なる山小屋やテント内で、質のいい睡眠をとれないことが知らぬ間にストレスとなり、翌日の体調に影響してしまうことも……。

ここでは、快眠を手助けするアイテムのひとつであるスリーピングバッグライナー(インナーシーツ)にフォーカス。ちょうどこの夏に向けて新調を考えていたランドネ編集部の二宮が、スリーピングバッグライナーを豊富に展開するアウトドアブランド「シートゥサミット」の担当者に気になるあれこれを質問しました。

正直なくても眠れるけれど、あればさまざまなメリットがある!そんなスリーピングバッグライナーの魅力を、おすすめアイテムとともに深掘りします。

教えてくれたのは……
倉上花子さん
2019年よりロストアローに入社。広告部としてシートゥサミットやスマートウール、ウエスタンマウンテリアニングなどの多種多様なアウトドアブランドのアイテムの魅力を発信している。自身もトレッキングやクライミング、近年はトレイルランニングなど、幅広く外遊びを楽しむ。

そもそもスリーピングバッグライナーって?
使うメリットは?

ランドネ編集部 二宮(以下、二宮):スリーピングバッグライナー(以下、ライナー)ってインナーシーツとも呼ばれているアイテムですよね。寝袋の中に入れて使うイメージであっていますか?

ロストアロー 倉上さん(以下、倉上):そうですね。その名のとおり、寝袋の内側に入れて使うスリーピングアイテムです。日常的に使う寝具は布団に合わせてシーツと毛布を使用しますよね。ライナーは寝袋の汚れを防ぎ汗を吸収するシーツ的な役割と、心地よい肌触りや暖かさをプラスしてくれる毛布的な役割のふたつを兼ね備えています。

二宮:ちゃんと機能性も備えているんですね!私はコロナ禍に山小屋に宿泊する際にライナーの持参を呼びかけられたことをきっかけに初めて購入しました。なので、テント泊ではまだ使ったことがないんです……。シートゥサミットではシーン別に何種類かのライナーを展開しているみたいですね。

倉上:シートゥサミットは寝袋やスリーピングマット、スタッフサックなどさまざまなアイテムを扱っていますが、じつは最初はライナーの製造からスタートしたブランドなんですよ。

二宮:それは知りませんでした!でも、ライナーのラインナップの多さを見ると、なんだか納得です。どれもやわらかな素材で気持ちよく眠れそう。

倉上:ぜひ一度これで眠ってみてほしいです。快適に眠れる以外にも、ライナーを使うことによるメリットがいろいろあるんですよ。

二宮:それはぜひ知りたいです!

倉上:まず、ライナーがあるとアクティビティの幅が広がります。薄めの3シーズン用寝袋を使っていたとしても、ライナーを一枚加えれば保温性が高まるので、いつもより標高の高い山や寒い地域の山にも挑戦しやすくなります。いっぽうで、これからの季節、平地でのキャンプならライナー一枚で快適な場合もあるので、荷物を軽量コンパクトにすることができます。

二宮:たしかに、寝袋って山道具のなかでもとくに高価なものなのでいくつも買えません。ライナーを何種類か購入して対応していくほうが経済的ですね。

倉上:寝袋に比べて保管場所にも困らないですしね!

二宮:私はいままで寝袋の保温性を高めたいと思ったときには寝袋カバー一択でしたが、ライナーを使うという手もあったんですね。しかも、ライナーを使ったほうが清潔に眠れそうな気もします……。

倉上:まさにそうなんです!もうひとつのメリットは清潔に心地よく眠れることです。寝袋に皮脂などが付着すると生地の通気性が下がり、ダウンや化繊綿が空気を蓄えにくくなって保温性が低下してしまいます。ライナーを使用すれば汚れるのを防いでくれるので、まめにお手入れができない人でも寝袋の機能性を長持ちさせられますし、寝袋を洗ったあとに乾燥機にかけるときの「生地が破けてしまわないか」というドキドキからも解放されます(笑)。

二宮:まめにお手入れができない人……ぎくっとしました。寝袋って洗っているときも生地に負担がかかっている感じがして心配になりますよね。ライナーを活用することで、愛用する寝袋をこの先も長く使えると考えるとうれしくなりますね!

ライナーのメリット1:保温性を高める
生地が一枚増えることで空気の層ができ暖かくなる!

ライナーのメリット2:寝袋を清潔に保てる
寝袋は毎回洗えないとしても、ライナーならその都度洗える!

ライナーのメリット3:寝袋の寿命を延ばす
皮脂などの汚れから守り、寝袋の機能性を損なわない!

 

寝袋との組み合わせのコツは?
快適に眠れる方法を知りたい!

二宮:倉上さんは実際にどんなスリーピングアイテムを使っていますか?ライナーって寝袋との相性がありそうですね。

倉上:これからの季節なら、3シーズンの寝袋とマット、ピローを必ず持っていきます。そこに条件に合わせたライナーを組み合わせる感じですね。ライナーは保温系のなかで一番軽くてシンプルな「リアクターライナー マミー」と、春夏に便利な「ブリーズライナー マミーウィズドローコード」のふたつを使いわけています。

二宮:どちらをよく使っていますか?

倉上:基本的には「リアクターライナー マミー」をよく使用しています。思ったより冷え込んだときにはこのライナーを持ってきていてよかったと思いますね。軽くてかさばらないので、パッキングの際も躊躇なく持っていけます。

二宮:肌に触れるだけでも、暖かさが伝わってきます。シンプルな形状なので寝袋の中にも入れやすそうですね。もうひとつのほうはどんなシーンで使っていますか?

倉上:ブリーズライナー マミーウィズドローコード」は、つい先日、飛行機に乗った際に機内で使ってみたのですが、エアコンの風を遮るのにとても重宝しました。

二宮:足が出せるようになっているんですね!

倉上:そのおかげで、靴を履いたまま下からも着用できます。普通のひざかけだと体を動かすたびにズルズルと下がってきてしまうのですが、このライナーは肩についたスナップボタンでパチッと止まるので、体勢を変えたり本のページをめくったりしてもずれずに快適でした。

二宮:着られるタイプのライナーなんですね。テント内ですごすときもこれを着たら快適そうです。倉上さんはテント泊のときに意識している快眠の工夫はありますか?

倉上:睡眠時の手足の温度調整を心がけています。足の指先が冷えてなかなか寝つけない経験ってだれしもあるのではないでしょうか。

二宮:ありますあります。そのくせ、熟睡後にはだんだん暑くなってきて今度は足を出して寝たくなるなんてことも……。テント泊あるあるのひとつですね。

倉上:入眠前に手足を温めてあげると体は眠りにつきやすい状態になるそうです。その逆に、快眠には深部体温(内臓温度)を下げることが重要だといいます。

二宮:温め続けてはいけないということでしょうか?

倉上:そうなんです。入眠してからはある程度の放熱も必要なので、それが妨げられて深部体温が下がらないままでいると、体に熱が溜まり寝苦しく感じてしまうそうなんです。

二宮:寝ているときに暑くなって足を出したくなる原因、ということですね。

倉上:入眠前は手足を温めておき、睡眠中は手足から放熱できる状態にしておくことが快眠につながるのだと思います。私のおすすめは、ライナーの足元を少し絞っておいて、体が暖かくなってきたら足を出すという方法(写真上)。シートゥサミットのライナーなら手足を出せるので、寝袋の中でも手足の体温調整ができますよ。

二宮:暑がりな私にはうれしい機能です。寝袋も手足を出せるモデルを選ぶと、より快適な組み合わせになるというわけですね!

自分に合うものを知りたい!
ラインナップと選び方

二宮:ライナーを知れば知るほど、使いたくなります。シートゥサミットにはどんなラインナップがありますか?

倉上:ムレを解消するモイスチャーマネジメント、保温性を高めるリアクター、軽量モデルのライトウェイト、の大きく3つにわけることができます。

二宮:素材と生地の厚さなどでわけられているんですね。

倉上:モイスチャーマネジメントシリーズの「ブリーズライナー」や「コンフォートブレンドライナー」は、ムレが気になる春夏に快適なさらっとした肌触りのモデルです。ほどよい保温性もあるので春夏秋と3シーズンで活躍します。

二宮:いまの時期に使うなら、このシリーズですね。

倉上:保温性を高めるリアクターシリーズは4種類あり、軽量コンパクトなものから、3シーズン用寝袋の保温性を10%ほど高めてくれるものまであります。

二宮:10%アップなら、雪山に行くときに持っていけたら心強いです。

倉上:軽量モデルの「シルクブレンドライナー」は、荷物を軽くしたい方、ライナーを持っていくか迷うような状況におすすめです。

倉上:生地を選んだら次はシェイプ。おもに2種類あり、マミー型の寝袋と合わせたい人はマミー。レクタンギュラー(封筒)型の寝袋や山小屋の布団に合わせたい場合はレクタンギュラーがおすすめです。ちなみに、レクタンギュラーは胸から下だけのコンパクトなモデルもあります。サイズはコンパクトとスタンダードの2サイズありますが、ほとんどの女性(身長180cm以下の方)はコンパクトサイズがフィットするかと思います。

二宮:私は人より暑がりで、いま持っているライナーが睡眠中にムレて寝苦しいのですが、おすすめはありますか?

倉上:先ほども紹介した「ブリーズライナー マミーウィズドローコード」がおすすめです。クールマックスという特殊な繊維を使用していて、繊維一本一本に刻まれた溝が体表の水分を吸収してライナーから効率的に蒸散することで、温度と湿度を調整します。しかもこの繊維、100%リサイクル資源から作られているんです。

二宮:手足が出せるから快適ですね。軽くてほどよい暖かさで、何より肌触りがいい!これ、買います……!(笑)

お気に入りポイント

▲肩部についたスナップボタンを留めれば、睡眠中もライナーがずれたりはだけたりしない。このまま立って歩くことも可能!

▲フード部分にもドローコードが。顔まわりが寒いときなどにここをキュッと縮めることで保温性をキープし、睡眠中もずれにくい。

▲足を出して寝ることはもちろん、足をしまって寝ることもできる。環境やシーンに応じて使いわけできるのがうれしい。

お悩み別、おすすめスリーピングバッグライナー

山小屋泊派、テント泊派、寒がり、暑がりなど、山での睡眠場所や抱える悩みは人それぞれ。ランドネ読者からとくに声の多い悩み別に、倉上さんにおすすめを教えてもらいました。

寒がりで、寝ているときも足先が冷えやすい

保温モデルは4種類。すべてのモデルに、体が発する赤外線を吸収・反射する素材を使用しています。一番のおすすめは「リアクターライナー マミーウィズドローコード」。リアクターシリーズのなかでもっとも薄手で応用範囲が広いモデルです。スリーピングバッグに暖かさを与えるのはもちろん、2,000m以下の夏山などは単体でも使えます。重量266gの軽さも魅力です。

より寒がりな方や、春や秋に八ヶ岳やアルプスなど標高のある山へ挑戦する際には「リアクターエクストリームライナー マミーウィズドローコード」があると安心。フリース素材の「リアクターフリースライナー マミーウィズドローコード」は、これ一枚でもある程度の暖かさが確保できる毛布のようなライナー。冬山登山や冬キャンプにおすすめです。(倉上さん)

data
リアクターライナー マミーウィズドローコード
8,690円(税込)/コンパクト
サイズ:幅80×長さ198cm
収納サイズ:縦11×横15×奥行7cm
重量:266g

体力に自信がないので、なるべく軽量にしたい

ラインナップのなかで一番軽いモデルはマミー型の「シルクブレンドライナー マミー」です。女性向けサイズは重量138gと、もっともヘビーなリアクターフリースライナーと比較すると1/3程度の軽さです。軽いだけでなく、片手に乗るこのコンパクトさは、山に持っていくハードルを下げてくれます。睡眠中の動きを妨げないよう、側面にはストレッチパネルを設けています。(倉上さん)

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シルクブレンドライナー マミー
12,650円(税込)/コンパクト
サイズ:幅80×長さ184cm
収納サイズ:縦8×横12×奥行6cm
重量:138g

山では睡眠不足になりがち。肌触りにこだわりたい

コンフォートブレンドライナー」はテンセルという木からできた天然繊維を使用しているのですが、よく伸び、やわらかい肌触りで寝心地抜群です。シーツ代わりに使用するなら、快適で気持ちよくすごせるこのモデルがおすすめです。(倉上さん)

data
コンフォートブレンドライナー
4,620円(税込)
サイズ:幅80×長さ185cm
収納サイズ:縦12×横15×奥行7.5cm
重量:354g

 

シートゥサミットとは?

オーストラリア西部の都市パースでスリーピングバッグライナーの製造から歩み始めたシートゥサミット。スリーピングマットやハンモック、カトラリー、テントなど多彩にそのラインナップを拡げる。その社名のとおり「海から山頂まで」使える幅広いギアを揃えるだけでなく、使い勝手のよさを細部まで追求したモノ造りと、ユーザーのニーズに合わせた豊富なバリエーションを特長としている。

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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