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【いつか泊まりたい山小屋#48南アルプス・北沢峠こもれび山荘】山もグルメも大満喫!南アルプス北部の玄関口に建つ山小屋

「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。48軒目は、南アルプス北部の玄関口、北沢峠こもれび山荘をピックアップ。

仙丈ガ岳と甲斐駒ガ岳という2山を目指せる拠点

元は「長衛荘」という名前だったが、一般公募を経て2013年に「北沢峠こもれび山荘」へ改名。ロゴも一新された。

標高3,033mの仙丈ガ岳と標高2,967mの甲斐駒ガ岳。文筆家・深田久弥氏の『日本百名山』にも選ばれている、南アルプス北部を象徴するふたつの山の谷間に、北沢峠こもれび山荘は佇む。山小屋周辺を指す「北沢峠」の標高は約2,000m。南アルプス林道バスに乗れば、50分ほどでふもとの長野県伊那市からこの峠までアクセスできる。とくに北沢峠こもれび山荘はバス停の目の前に建っているため、2山の登頂を目的とする山旅の拠点として利用されることが多い。

北沢峠こもれび山荘は、南アルプスの登山道の開拓や山小屋の建設に尽力した竹澤長衛氏の息子、竹澤昭一氏が1962年(昭和37)に開業。当初は「長衛荘」という名前だった。南アルプススーパー林道(現 南アルプス林道)の開通と同年である1980年(昭和55年)に全面改装を行い、現在の姿に。建物は2階建てで、大きな薪ストーブが設置された1階には受付、食堂、談話室、カイコ棚の客室が、2階には畳敷きの相部屋と個室が用意されている。

▲山小屋のエントランス横に設置されたテラスから、バス停「北沢峠」を眺めることが可能。北沢峠は南アルプス国立公園内にあり、山小屋やバス停の周辺には天然のシラビソやコメツガが生い茂っている。
▲1階の売店には、山小屋オリジナルTシャツや手ぬぐいのほか、タイベック製の小物入れなども並ぶ。いち押しは、“南アルプス開拓の父”として知られる竹澤長衛氏の顔や名言が描かれた「長衛祭手ぬぐい」(1,200円)。
▲1階の内観。写真手前が談話室を兼ねる食堂。写真奥、ダイニングテーブルの両脇にカイコ棚の客室が設置されている。客室は1室ごとカーテンで仕切られていて快適。
2階の客室。相部屋だが、ひとり1枚ずつ仕切りが用意されているため、混雑時も最低限のプライベート空間を確保できる。

泊まるからこそ味わえるこだわりグルメの数々

▲メインに加えて、地元産の寒天を使った一口杏仁やプリンなどのデザートも付き(日替わり)、大満足な夕食。(写真:北沢峠こもれび山荘)

山小屋の目の前にバス停があること、仙丈ガ岳も甲斐駒ガ岳も健脚であれば日帰りでも往復できることから、北沢峠こもれび山荘を立ち寄りで利用する登山者も多い。この山小屋に立ち寄れば、売店でソフトクリームやブラウニー、コーヒーなどを購入できバスの待ち時間を快適に過ごすことができるが、やはり宿泊で利用することをおすすめしたい。その理由は、より安全に山歩きを楽しめるうえ、宿泊客しか味わえないグルメが提供されているから。

なかでも注目は、手作りにこだわった夕食メニューだ。メインは、スープカレー&手ごねハンバーグと、トマトクリームシチュー&冷しゃぶ(またはしょうが焼き)の2種類。連泊者でも飽きないよう、異なるメインが交互に用意されているのが食いしん坊にはうれしいところ。ふもとのブルワリー産の樽生ビールや地酒が充実しているのも見逃せない。食事やお酒を存分に味わいながら、山小屋の夜を満喫しよう。

▲売店には塩尻市の五一ワイン、宮田村のマルスウィスキー、伊那市の仙醸など、信州の名酒が取りそろう。深酒注意!
▲山小屋では伊那谷を代表するブルワリーのひとつ、南信州ビールのアンバーエールやアルプスヴァイツェンを樽生で提供。
▲山小屋で焼き上げている濃厚ブラウニー。コーヒーとともにいただこう。

山小屋から目指すおすすめルート【北沢峠こもれび山荘~甲斐駒ガ岳 片道約4時間20分】

▲甲斐駒ガ岳の山頂付近。花崗岩に覆われた独特な景観が広がる。

仙丈ガ岳、甲斐駒ガ岳、栗沢山など山小屋周辺には人気の山がいくつもあるが、せっかく一泊するなら、なかでも行動時間の長い甲斐駒ガ岳に挑戦してみてほしい。北沢峠からの登り方はおもに2通りある。

ひとつは、北沢峠こもれび山荘のすぐ裏に延びる登山道を進み、双児山と駒津峰を経由し山頂へ至るコース。もうひとつは、長衛小屋まで少し下って登山道に入り、樹林帯と大きな岩が堆積したゴーロを繋いで仙水峠に向かい、そこから駒津峰に合流して山頂へ至るコースだ。いずれも行動時間は片道4時間以上。双児山経由のルートはより長く稜線上での景色を堪能でき、仙水峠経由のルートは森歩きと岩歩きを堪能できる。景色が全然違うので、往路と復路でそれぞれのコースを歩くのもいいだろう。

甲斐駒ガ岳登山のハイライトは、花崗岩に覆われた山頂付近。登山道の周辺には大小さまざまな岩が点在し、地表にはまるでビーチのような白い砂礫が広がる。さらに山頂に近づくと、岩をよじ登る直登ルートとトラバースルートというふたつの道が出現。いずれのルートを進むにせよ、落石や転倒に注意しながら慎重に山頂を目指そう。山頂に着くと、となり合う仙丈ガ岳の勇姿はもちろん、八ガ岳、富士山などを一望できる。

ちなみにこの甲斐駒ガ岳、ふもとの伊那谷で暮らす人々には、“東駒ガ岳”と呼ばれている。山頂には両面に「甲斐駒ガ岳」「東駒ガ岳」と書かれた標識があるので、記念撮影の際にはぜひ注目してみてほしい。

▲道中には、写真手前のような大きな岩の脇をすり抜けながら進む道も。

山小屋名そのままに、周囲に広がる針葉樹林のこもれびに癒される、北沢峠こもれび山荘。バス停の目の前という立地上、通過してしまう人が多いかもしれないが、それはあまりにもったいない。連泊して山小屋での滞在を充分に楽しみつつ、バリエーションに富む南アルプス北部の山々を歩き尽くそう。

北沢峠こもれび山荘
https://www.ina-city-kankou.co.jp/yamagoya/kitazawa/
・標高:2,036m
・営業期間:4月25日~11月4日
・宿泊料金(税込):1泊2食12,000円~、素泊まり(寝具付き)8,500円~
・電話番号:080-8760-4367 ※電話予約は基本的に不可。予約は「Yamatan」専用ページ(www.yamatan.net/hut/komorebisanso)から可能。
※この記事は、2024年9月5日現在の情報となります。最新情報は、山小屋の公式ウェブサイトやSNSをご参照ください。

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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