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【町石道】世界に誇る信仰のトレイルから、山上に広がる空海ワールドへ!|いま歩きたい熊野古道・高野参詣道

山麓の九度山から高野山の根本大塔へと通じている町石道(ちょういしみち)。かたわらに立ち並ぶ180基の石柱(町石)は、いにしえから多くの人々を聖域へ導いてきました。空海も歩いたこの道から、今回の山旅が始まります。

教えてくれたのは
大内 征さん
日本中の低山をメインフィールドに歴史や文化を探究する低山トラベラー。高野参詣道や熊野古道の歩き旅がライフワーク。本誌連載「偏愛ハイカーに会いに行く」も好評。

テーマパークさながらの空海ワールドへ

今秋こそ「より遠くを目指してじっくり歩きたい!」と、日本各地の縦走路やトレイルを調べている読者は少なくないだろう(たぶん)。

そんな同志たちに注目してもらいたい旅のキーワードが、信仰のトレイルこと〝参詣道〞。文字どおり、神社仏閣にお詣りするための道である。熊野古道とともに世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する高野参詣道は、そんな旅好きなハイカーにこそ相応しい高野山への参道のひとつ。とくに金剛峯寺の入口・大門へと登り上げる町石道は、本格的な山登りとなる。

▲一町(およそ109m)ごとに置かれる町石は、身長178 ㎝の僕の背丈より高い石塔の道標だ。これがざっと180 基分も続くのだから、町石道はなかなか歩き応えがある道のりだといえる。

起点は〝九度山〞から。女人禁制のため山上への参拝が叶わぬ母に代わり、空海自らが〝月に九度〞山を下りて会いに来たことが地名の由来という、心温まる土地から旅が始まる。このときに空海が歩いたルートこそ町石道であり、その入口となるのが慈尊院。女性の願いを叶えることから女人高野として名高い霊場だ。

さすがは〝木の国〞ともいわれる紀の国・和歌山県らしく、深い森を歩く道のりは幽玄。そこかしこに石仏が点在しており、登山のための道とは異なる厳かで素朴な雰囲気に、きっと旅心も信心も刺激を受けることだろう。

仏の霊場といういっぽうで神の神域でもあるのが高野山のおもしろさ。とくに山麓の丹生都比売神社はすばらしい雰囲気の古社で、空海に高野山を授けたという女神が祀られる聖地中の聖地だ。さらに目指す山の上には、曼荼羅や仏像などの仏教芸術、伽藍や宿坊といった数々の建築物、それらがテーマパークさながらの空海ワールドとして広がっている。ピークハントではなく、歩き旅ならではの山の文化に触れるテーマハイクが楽しい高野参詣道。歩きやすさと紅葉が期待できる秋こそ狙い目だ。

▲高野山といえば仏教の印象が強いものの、エリア内には丹生官省符神社や丹生都比売神社といった高野山間創に深い関わりがある神社も共存する。神仏混交の時代に思いを馳せて歩きたい。旅のおともは地元の名物「やきもち」が最高!
▲高野山が開かれたときに建立された慈尊院。空海は厳冬期になると下りてきて寒さを避けたと伝わる。高野山に思いを馳せる女性たちの祈りの場は、やがて母が暮らし、菩提寺となった。
▲慈尊院でお詣りを済ませたら、急な石段を上がって丹生官省符神社へ。高野山の壇上伽藍の一番町石にはじまる参詣道は、この石段に立つ百八十町石で終える。楊柳山の遥拝所でもある。
▲豊臣家・淀殿の奉納と伝わる輪橋を渡りながら、丹生都比売神社の境内を眺める。丹生都比売大神が司る“丹生”は魔除けでもあり、朱の橋と鳥居はその象徴。神域は空気が清らかで心地よい。
▲およそ20㎞以上におよぶ町石道。ようやく登りきったところに建つ鮮やかな朱の大門が、ハイカーを讃えてくれているかのよう。この門をくぐり、いざ空海ワールドへ。

約6時間15分
慈尊院
↓1時間55分
丹生都比売神社
↓55分
神田地蔵堂
↓50分
笠木峠
↓45分
矢立
↓1時間50分
大門
※一部迂回路あり(2024 年9月現在)

access
公共交通機関:南海電気鉄道高野線・九度山駅から慈尊院まで徒歩約20分。自家用車:京奈和自動車道・高野口ICから慈尊院まで約5 分

周辺のお立ち寄りスポット

ビーガン料理と焼きものを楽しめる古民家カフェ

世界中を旅していたオーナーがご家族と営んでおり、野菜料理を扱ったランチプレートや、モモやイチジクが入った季節の果物のタルトが人気。温かな雰囲気のギャラリーには高野山周辺で活動する2 名の作家の器が並ぶ。

梵恩舎

住所:和歌山県伊都郡高野町高野山730
電話:0736-56-5535
営業時間:7:00~17:00
定休日:月・火曜

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PROFILE

ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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