【真鍋未央のランニングフォーム診断&改善メニュー】肩が力みやすい
RUNNING style 編集部
- 2020年08月23日
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ランニングコーチ真鍋未央さんが、頑張る市民ランナーのフォームをチェック。
いまより美しく、快適に走れるフォームへの改善ポイントや、すぐに取り組めるエクササイズなどをレクチャーします!
【今回のチャレンジャー】加藤和寿さん
仕事の気分転換にランニングをはじめ、長年5kmや10kmなど短めのレースに積極的に参加。2015年、さいたま国際マラソンで初めてフルマラソンに挑戦するも、後半から脚が動かなくなり棄権。再挑戦したくまがや師走マラソンでも後半にペースダウンし、4時間35分で完走。普段はトレッドミル中心に月間100kmほど走るが、自己流のフォームに自信がない。
加藤さんのランデータ
ランニング歴
11年
月間走行距離
100km
ランニング頻度
週3回
1回あたりの距離
10〜15km
スポーツ歴
水泳
目標
フル後半も失速せず自己ベストを目指したい
【BEFORE】加藤さんのフォームをチェック!
【真鍋コーチのフォーム診断】
肩に力みがあり、脚が前に出にくくなっています
長年、自己流のフォームで走られてきたようですが、ダイナミックで全体的にバランスのとれたきれいなフォームです。いっぽうで、肩に少し力みがあり、腕振りが固まりがちです。腕振りが弱くなると脚が前に出にくくなるので、フルマラソン後半に腰が落ちやすくなり、失速の原因になります。
NGポイント
- 肩が力みやすく、肩全体の位置が上がっています。
- 推進力が上に抜けてしまっています。
フォーム改善に役立つエクササイズ&ストレッチ
肩の力みをとり、肩甲骨の柔軟性を高めるエクササイズ
腕を上からしっかり下げていき、次に、腕を前方へ伸ばしてからヒジを後ろへ引くようにして、肩甲骨まわりの柔軟性を高めていく。腰を反らさずへそを凹ませて体幹を安定させることがポイント。毎日走り出す前に10回ほど繰り返すとよい。
NG例
広げたヒジが肩より下がらないように、水平に動かす意識をもちながら行う。
体幹でフォームを支える意識を身につけるドリル
ヒジと足先をつけたリラックスした状態から、腰を引き上げる。まずは体幹がフラットな姿勢で10秒キープ。その後、5秒おきに片脚ずつ入れ替える。最後に両足先を着け、体幹で支えた状態で、10秒キープする。トータル30秒の体幹エクササイズ。
NG例
腕に荷重がのりすぎ、体幹が抜けてしまうと効果はない。へそをグッと締めて、体幹で姿勢をキープする。
体幹を総合的に鍛えるドリル
頭に手を当てて、体幹と脚でV字姿勢をつくる。ヒジと反対側のヒザがつくまで、しっかりと体を寄せる。戻すときに、しっかり脚を伸ばすことがポイント。腹に力を入れて、背中が丸まらないように気をつける。
【AFTER】肩をリラックスさせ、推進力を得たフォームになる!
スムースに腕が振れて、推進力が前方へ伝わりやすくなりました。肩の力が抜けて、力強さというよりも、スムースに腕を後ろへ引けるように変われています。さらに、上体を体幹で支える意識が高まり、推進力が上に抜けずに、しっかりと前方へ伝わるようになっています。フルマラソン後半でも失速しないフォームを維持しやすくなります。
フル30km以降の失速は、体幹の弱さと前半のオーバーペースが原因です。ハーフ1時間37分のベストタイムからすると、サブフォーは十分に狙えるタイムですが、まずは30kmまでは我慢することを覚え、終盤に得意のスピードを活かせるペース配分を心がけましょう。
加藤さんの感想
「初めて集中してエクササイズに取り組みましたが、どの体幹強化のエクササイズも腹がプルプルと震えてしまい、体幹の弱さを認識できました。フルマラソンでスピードを生かすためにも、体幹でフォームをキープできるように鍛えておくことの大切さを感じました」
動画でもっと詳しくフォーム改善エクササイズをチェック!
コーチ紹介
真鍋未央
現役時代、資生堂で実業団選手として活動した経歴をもつランニングアドバイザー。現在は、楽しく、美しく、速くをモットーに、クラブや企業などを対象にしたランニングイベントを開催。
公式ブログ:「Miobiyori 〜Beautiful Running Life〜」
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PROFILE
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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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