【真鍋未央のランニングフォーム診断&改善メニュー】腕を抱え込むクセと、カカト着地
RUNNING style 編集部
- 2020年08月18日
INDEX
ランニングコーチ真鍋未央さんが、頑張る市民ランナーのフォームをチェック。
いまより美しく、快適に走れるフォームへの改善ポイントや、すぐに取り組めるエクササイズなどをレクチャーします!
【今回のチャレンジャー】
田中麗子さん
3年前に、子供が運動会で一等賞を取れるようにと一緒に走り始めたことで、ランニングが趣味になる。現在は、ご主人と一緒に大会にも参加。平日は、1回あたり3kmほどを週5〜6日、休日にはランチがてら12kmほどジョギングをする。坂が苦手なため、積極的に坂の多い道を走るようにしている。古河はなももマラソン10kmを58分。いつか家族と一緒にホノルルマラソンを完走することが目標。
田中さんのランデータ
ランニング歴
3年
月間走行距離
120km
ランニング頻度
週5〜6回
1回あたりの距離
3〜12km
スポーツ歴
卓球
目標
故障なく長く走れるフォームを身につけて、いつかホノルルへ!
【BEFORE】田中さんのフォームをチェック!
【真鍋コーチのフォーム診断】
推進力が生まれにくい腕振りと、体への負担が大きくなる“カカト着地”
足はねじれたりせずにスムースに前後に動かせていますね。いっぽうで、腕は、前へ振り上げる動きが強すぎて、しっかり後方へ引けていません。また、カカトから着地しているため、体全体に大きなストレスがかかっています。これらのポイントをしっかりと改善していきましょう。
NGポイント1:フォームのねじれは体幹の筋力不足が原因
フォームの軸になる体幹部の筋力が弱いため、腕振りにつられてお腹まわりにねじれが生じてしまっています。そのため骨盤が不安定になり、効率的なフォームとはいえません。長い距離をラクに走り続けるためには体幹の強化が必要です。
NGポイント2:腕を抱え込むクセがあり、カカト着地になっています
力強く見える腕振りですが、前方への振り上げが強く、しっかりと後方へヒジを引くことができていません。腕を全体的に抱えこんでしまうクセが見られます。また、重心が後方に残って、カカトから着地してしまっています。体の動きの意識を変えることが大切です。
フォーム改善に役立つエクササイズ&ストレッチ
腕を後ろに引きやすくする(走る前に各10回ずつ)
肩甲骨まわりの可動域を広げて、腕をしっかりと引けるようになるエクササイズ。まずは、肩甲骨を意識しながら腕を上下に動かす。つぎに、腕を前方に出した状態から、肩甲骨を引き寄せるイメージで後ろに引く。腰が反らないように、おへそを背中に押し込める意識を保ちながら取り組む。
NG例
腕を引き寄せた時に、ヒジが肩の位置よりも下がらないように気をつける。肩まわりの柔軟性が低いと、つい下り気味になるので一回一回丁寧に行う。
衝撃の少ない着地のマスター(走る前に左右20回ずつ)
体への衝撃が少ないスムースな着地を意識づけるエクササイズ。足の下に「ツナ缶」が置いてあるイメージで、それを真上から踏みつける意識をもちながら着地動作を繰り返す。地面とフラット気味に踏むことで、ブレーキの少ないスムースな着地を習得できる。
NG例
カカトやつま先で踏んでしまうとツナ缶は動いてしまう。体の重心も同時に前方へ移動することを忘れずに行う。
ブレない軸をものにするスパイラルドリル(走る前後に左右10回ずつ)
体幹部を中心に全身の筋力強化に効果的なドリル。対角線上のヒジとヒザをくっつけたポジションからスタート。そこから、つま先から足先までをゆっくりと伸ばして元に戻す動作を繰り返す。お腹とお尻を固めて、体がふらつかないように意識する。慣れてきたら、伸ばしきった状態を3〜5秒キープするとより効果的だ。
NG例
腰が反らないように注意。腕も足も曲がらずにまっすぐ水平になっていることを意識する。
【AFTER】体幹の軸を意識できたスマートなフォームに変化
体の軸を意識して、それを中心にフォームを意識するだけで、安定したフォームに変われます。体幹部の筋力で支えることが大切です。もともと、足の軌道はまっすぐでした。上体を体幹で支えることで、より効率的なフォームに変えていくことができます。
リラックスして腕が振れ、前足部で地面を捉えられています。腕の抱え込みが解消されて、リラックスして後方まで引けていることがわかります。エクササイズ前は、カカトから着地していましたが、随分とフラットに近い位置で着地できるように変われています。フォームは徐々に改善していくものなので、日々正しい動きを繰り返すことが大切です。
真鍋コーチからのトレーニングアドバイス
ほぼ毎日走られていて素晴らしいですね。ランニングを長く楽しむためには故障をしないことです。 頻度は週3日ほどに抑えて、その代わりに体づくりのエクササイズに取り組む日を作りましょう。10kmの大会とは違い、ホノルルマラソンを目指すためには、1回あたり10〜20kmをコンスタントに走れるようになりたいですね。
田中さんの感想
「きれいなランニングフォームを習得するためには、まずは走りの意識を変えて、積極的にエクササイズに取り組むことの大切さを知りました。ブレーキをかけない着地の意識づけのエクサイズなど、走りの中では意識しにくいものもエクササイズなら理解できます。体幹強化のドリルはとても効果がありそうです」
動画でもっと詳しくフォーム改善エクササイズをチェック!
コーチ紹介
真鍋未央
現役時代、資生堂で実業団選手として活動した経歴をもつランニングアドバイザー。現在は、楽しく、美しく、速くをモットーに、クラブや企業などを対象にしたランニングイベントを開催。
公式ブログ:「Miobiyori 〜Beautiful Running Life〜」
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PROFILE
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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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