ASICS/SKYSENSOR(アシックス/スカイセンサー)1980|ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち
RUNNING style 編集部
- 2019年01月01日
驚くべき軽量性でランナーを魅了!
ランナーの知覚を損なうことなく快適な走行性能も提供
個人的な話となるが、2018年7月に行われたゴールドコーストマラソンにおいて、7年半ぶりに自己記録を更新した。3時間52分00秒という記録は決して速くないが、52歳のランナーにとって、ある程度努力しなければ達成できないタイムだと思うし、「もうサブ4で走ることはできないだろう。PBを更新するのは夢のまた夢」だと思っていたから、ゴールした瞬間は本当にうれしかったし、ちょっぴり涙ぐんだ。
そして、ゴールしたときもまだ脚力は残っていたので、気温や体調など条件さえよければ、まだまだフルマラソンの記録は更新できるかもしれないと思ったが、反対に「ハーフマラソンの1時間38分55秒の自己記録更新は無理だろうなぁ……」と感じた。ちなみにこのタイムを記録したのは、2013年4月の東日本国際親善マラソン。このとき履いていたシューズが、アシックス スカイセンサー ネオ3の2012年モデルだった。
フラットなアウトソールのシューズで、ミッドフット(中足部)から着地していた当時の筆者の走りにマッチし、いまでは1kmでも必死となる4分30秒台のラップを刻み続けてくれ、見事、自己記録だった1時間39分18秒をブレークすることができたのである。
アシックスで初めてEVAを使用した超軽量モデル
そんなスカイセンサーシリーズの誕生は1980年のこと。海外でエクスカリバーとして発売されたモデルで、ジョギングブームのなか、サイズUS7(約25cm)で195gという、当時のアシックスの最軽量シューズとして注目を集め、ランナーの知覚を損なうことなく快適な走行性能も提供したことで良好なセールスを記録した。
スカイセンサーはアシックスで初めてEVA(エチレンビニールアセテート)という軽量合成樹脂を使用したことでも特筆すべき存在であり、これ以降スポーツシューズのミッドソールはラバースポンジから、このEVAやポリウレタンが主役となっていく。現在もEVA系のミッドソール素材はスポーツシューズ業界でもっともポピュラーな素材であるから、このスカイセンサーはスポーツシューズの歴史でもかなり重要な1足であるといえるだろう。
高校時代の陸上部の友人は自慢げにこのシューズの軽さを自慢していて、自分も実際に手にしたときの宙に浮くような軽さは忘れることができない。そして数ヶ月ほどしたときに、その友人が「スカイセンサーはホントにいい靴だったけど、軽くするために使っているスポンジアウトソールがすぐに減っちゃうんだよ。だから次はもっとアウトソールが丈夫なのじゃないと親が買ってくれないんだ」と、アウトソールの刻みがほとんどなくなったスカイセンサーを手に語っていたのをいまでも覚えている。
ちなみにアシックスのオフィシャルサイトの歴史コーナーでは1981年のデビューとなっているが、筆者が中学3年生だった1980年にスポーツ店で販売されているのを確認しているし、同年の雑誌ポパイの9月25日号(9月10日発売)のアスリートフット(当時日本各地で展開していたスポーツシューズ専門店チェーン)の広告に新製品として掲載されていたから、1980年デビューで間違いないはずだ。
column
現在は日本製のスカイセンサー ジャパン、そして筆者がハーフマラソン自己記録更新の際に履いていたモデルの後継となるスカイセンサー グライド4(写真)が展開。
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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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