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長さ? 重さ? 魚の大きさは何で測る?【ソルトワールド基礎講座】

気になるのは長さ? それとも重さ?

大きな魚が釣れた時、釣り人なら誰しも正確なサイズが気になるもの。あなたはその大きさを長さで測りますか? それとも重さ? 一般的な釣り人目線で言えば、長さでその大きさを実感される方が多いのではないでしょうか。海で言えば「メーターオーバーのシーバス」(あるいはシイラ)、「ハチマル(80cm級)のマダイ」、淡水で言えば「尺ヤマメ」、「尺アユ」、「ロクマルのバス」という言葉があるように、長さは一つの目安であり、目標でもあると思います。

いっぽうでブラックバスは「10ポンドオーバー」というように重さで魚体を表現することもありますし、マダイであれ、ヒラマサであれ、近海のゲームで「10kg」がひとつの壁となることも事実。どちらに価値観を見出すかは人それぞれですね。

マダイはナナマル、ハチマルというように長さを表す呼び名が定着しているが、重さでは10kgがひとつの壁となっている。

そうした個人的な想いとは別に、公式記録としての数字は重さを採用することが大半です。国際的なゲームフィッシングの団体であるI.G.F.A.(国際ゲームフィッシュ協会)や、その日本支部であるJ.G.F.A.(日本ゲームフィッシュ協会)が定める釣魚の記録はウエイトが基準になっていますし、バスプロトーナメントでも釣果は重さで競われます。

ただ、船宿や釣り場単位で行われる大会は長さで勝敗を決めたり、重さで決めたり、同寸の場合は重いほうが勝ちなど、それぞれのレギュレーション次第となります。

ある大会の検量風景。勝敗は重量で競われることが多いが、そのルールは各大会ごとに異なる。

また関東では重さを重視し、関西では長さを重視するともいわれますし、出世魚のブリは80cmを超えたらブリと呼ぶ地域もあれば、90cmでも1mでも10kgを超えるまではブリと認めない地域もありと様々。後者は長さより重さが基準になっている例と言えます。このように魚のサイズの基準は、人によっても地域によっても大会ルールによってもまちまちです。

コンディションファクター

こうした記録とは別に、魚の状態をイメージする概念として「コンディションファクター」という言葉が使われることもあります。これは魚の体長と体重の比率から割り出される数値で、要はその魚がどのくらい健全なコンディションかということです。この概念に従えば、同じ長さでもエサの少ない時期や水域で釣れるスリムな魚より、エサをたくさん食べたグラマラスな魚のほうが高く評価されるということ。長さと重さ、どちらも重視した考え方と言えるでしょう。

実際、長さで大きさを測るタイプのアングラーでも、その魚がより太っていて重ければ、嬉しさも倍増しますよね。魚のコンディションを実感するうえで、重さは重要なファクターというわけです。

コンディションファクターの高いシーバスを手にニッコリ。ただ長いだけでなく、エサをたくさん食べてずっしりと重い魚なら嬉しさも格別だ。

記録にもいろいろある

さて、先ほど「記録では重さが重視される」と書きましたが、その記録には「レコード」としての公式なものと、そこまで精度を必要としない「参考数値」的なものの二通りがあります。前者は言うまでもなく、過去の最大魚や大会での順位を決めるためのものであり、後者は何ミリ、何グラムといった細密な情報を求められないもの。その場合はだいたい何センチか、何キログラムかということが伝われば十分です。

また、リリースを前提に行う釣りの場合、厳密に測ろうとするあまりに魚を死なせてしまっては本末転倒。この場合も、測定は「レコード」として申請する場合より「ゆるい」ものとなります。では、厳密な測定と「ゆるい」測定は何が違うのか? 次はそんなことを考えてみます。

測り方にもいろいろある

まず、長さを測る方法ですが、正式にやるならきれいに伸ばしたメジャーの上に魚をまっすぐに置き、口を閉じ、尾びれを開いた状態で測るのが基本。いわゆる「口閉じ尾開き」という状態です。

長さを測る際は口閉じ・尾開きが基本。こうしないと実際より大きく計測されてしまうことがあるからだ。

なお、長さを測る際には「体長」「叉長」「全長」の違いも確認しておくこと。さらに尾びれの形がうちわ状の魚や、上と下でひれの長さが異なる魚もいるので、正式な測定として行う際はどこを基準に測るのか、その大会ごとのルールも確かめておきたいところです。

大きさを計測するポイントには体長(ひれの付け根まで)、叉長(さちょう=尾の切れ込みまで)、全長(尾びれの先端まで)の3種類がある。

次に重さを測る際は、バネ秤や上皿秤、デジタルスケールなどを使いますが、いずれの場合も重要なポイントは、「船上計量なのか、陸上計量なのか」ということです。個人的な計測や、目安として大雑把に測定するのなら揺れる船上での計量でもOKですが、公式な記録として残す場合は陸上での計測が原則。計量後に魚をリリースするなら、魚を弱らせないための準備もしておきましょう。

揺れる船の上での測定は数値が安定しないが、公式な数値を必要としないときや、リリースを前提とする場合は海上で簡易的に測定する。

長さ、重さ以外の表現もある

以上が数字として魚の大きさを表す方法ですが、日本には古来より数字以外の価値観も存在します。一例を挙げると「座布団級のヒラメ」「ビール瓶クラスのアイナメ」「指5本のタチウオ」など。それほど厳密なものではありませんが、大きさをイメージするには十分です。

タチウオは全長ではなく、体の幅を「指5本」などと表すことが多い。

ということで、長さで測るも、重さで測るも自由ですが、SNSで発信する際は上記のことを意識し、「どうやって測ったか」を明記してより正確なサイズをイメージしてもらうのも良いのではないでしょうか。

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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