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マグロ釣りならココ! 沖縄県久米島のキハダ【前編】

お金と時間をかけて行く遠征。だからこそ、行くのであれば何らかの釣果は期待したい。沖縄本島からほど近い場所に、出船できればほぼ確実にマグロ類が釣れる島がある。“マグロの島”としてアングラーに知られる「久米島」だ。

メインターゲットはキハダ。狙うは最低で20kg!

▲パヤオの周りではパラシュートと呼ばれる独特な仕掛けを使って多くの漁師や釣り人がキハダを狙う。エサでキャッチした40㎏級のキハダ。こんなサイズが珍しくないのが久米島だ。

沖縄本島那覇市から西へおよそ100kmの東シナ海にポツンと浮かぶ、まるで蝶のような形をした久米島。かつては琉球一美しいということで球美の島とも呼ばれ、現在では東洋一美しいと呼ばれる砂浜「はての浜」の観光などで人気の島だ。このはての浜はテレビCMにもよく登場するので、きっと見たことがある人は多いはずだ。だが釣り人には「マグロに一番近い島」としてのほうが知られているだろう。

久米島の周囲には十数基のパヤオ(人工浮魚礁=現在、久米島はほとんどが海面下に沈んだ水中パヤオ)が設置され、ここがキハダをはじめとしたマグロ類の格好の漁場となっている。パヤオは沖縄本島周辺や沖縄の各離島、宮崎など各地の海に設置されているが、そのすべてが釣り人にも開放されているのはここ久米島だけである。

それゆえ、サイズを問わなければ、出船できるとほぼ確実にマグロ類が釣れる。久米島が「マグロに一番近い島」と呼ばれる所以である。

久米島では周年マグロ類が狙えるが、冬場は北寄りの季節風が強く吹くことが多いため、実質的には4月から11月頃までがシーズンとなる。ただ、秋は、台風シーズンであることも忘れてはならない。

メインターゲットはキハダ。シーズン初期から梅雨明け頃までは大型は20kg前後が多く、それに30~40kg以上の大型が時折まじるというイメージ。夏から秋にかけては、数はシーズン初期ほどではないものの、釣れればサイズがデカい。40kgオーバーがヒットすることは珍しくはない。

▲船の周りで一瞬キハダが跳ねた。そのチャンスを逃さず見事仕留めた椙尾和義氏。誘い出しも有効で、水深50m前後から急浮上してプラグを襲うことも。

キハダは下は5~6kgのキメジサイズから狙えるが、せっかく久米島まで行くのだから、狙うは最低でも20kgだ。

そんな久米島へのアクセスは、夏のハイシーズンは羽田からは直行便が利用できる。それ以外の時期や他の空港からは、那覇での乗り換えとなる。那覇からは飛行機で30分もかからない。各地の空港を早朝便で発てば、那覇で乗り換えても午後にはパヤオ周りでキハダゲームが楽しめるほどアクセスはいい。

キハダ以外の、ツナ類はビンチョウ、メバチなどがヒットする。ビンチョウは15~20kgサイズが多く、メバチは最近はサイズが小型化しており、20kgを超えるような個体は少なくなった。また時折カツオやキメジ、シイラなどを追う巨大なカジキの姿も見られる。チャンスがあればキャストしてみてもおもしろい!? 過去何度かヒットさせたのを見たことがあるが、カジキはフッキングが難しいようで、バレてしまうことがほとんどだ。

▲通常のジギングにはなかなか反応しないパヤオ周りの魚に口を使わせるべくスローピッチジャークで開拓し、パヤオでのキハダ攻略のスタイルを確立させた西本康生氏。久米島ではビンチョウもよくヒットする。キハダより走らず、重い引きなのでそれと分かる。

パヤオという特殊環境のキハダを狙うことを理解しよう

釣り方はジギングとキャスティングが可能だが、相模湾のようにベイトを持ち上げてトリヤマが形成されるようなことはほとんどない。跳ねてもトビウオやトビイカなどを追った単発なので、攻略はジギングがメインとなる。

ただ、まったくキャスティングの可能性がないわけではない。鳥の動きを見ながら誘い出しを行ってもおもしろく、突然ドカンと巨大な水飛沫が上がることも珍しくない。また、時折ベイトを追ってキハダが跳ねる様子も目撃される。しかも、久米島のパヤオは現在ほぼ水中パヤオなので、シイラに邪魔されることも少なく、攻略に集中できるだろう。

ジギングのタックルは、長さ6ft前後でジグマックス200g程度のミディアムクラスのジギングロッド。リールはベイトまたはスピニングで、ラインはPE3〜4号を400m以上巻いておきたい。これはヒットした魚がそれだけ走るという意味ではなく、また300mでも釣りはできなくはないが、状況によっては200m以上もジグを沈めることがあるからだ。

というのも、船長からタナは100m前後から150mぐらいまで指示されることが多く、前述のように200m以上と指示されることは少ない。ただ、100〜150m前後のタナは漁師やエサ釣りの船が狙っているタナであることが多い。

漁師やエサ釣りはキビナゴやイカ、ムロアジのブツ切りなどをエサにしてキハダを狙っており、パヤオのキハダはその食いやすいエサを主に捕食している。それゆえ、エサに学習したキハダは時としてルアーには見向きもしないという現象が起きてしまう。通常のハイピッチ系ジギングでは何をやっても無反応ということがあるのだ。

それゆえ、エサのタナよりはるかに深くジグを沈め、エサを学習していないであろうキハダを狙おうという作戦である。

ただ、新しい群れが入った状況では、その爆発力は計り知れない。20~30㎏というサイズが、ジグを落とせば落とすだけ食ってくる、なんていう夢のような時間を過ごせることもある。これが久米島の爆発力であり、凄いところだ。

ジギングのリーダーはフロロの14~18号。海水の透明度が高いので細いほうが食いはいいが、ここは久米島。あまり細いとせっかくヒットした大型に切られてしまう可能性もある。獲りたいサイズに合わせて各自セッティングしよう。

キャスティングで使用するタックルは、ロッドは長さ8ft前後の青物用やツナ用のミディアムヘビークラス、またはGTロッド。ラインはPE4〜6号を使用するので、リールはそれが300m以上巻ける中型スピニング。ハイギアまたはエクストラハイギアタイプがオススメだ。

【この記事は2017年2月現在の情報です】

沖縄県久米島のキハダ【後編】はこちら>>>

マグロ釣りならココ! 沖縄県久米島のキハダ【後編】

マグロ釣りならココ! 沖縄県久米島のキハダ【後編】

2021年08月11日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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