「大型魚が潜む地」への遠征釣行。与那国島のジギングゲーム
SALT WORLD 編集部
- 2021年08月13日
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国内屈指のジギングフィールド、与那国島。爆発力が魅力の島周りのジギングではカンパチ、イソマグロをメインターゲットにした、「大型魚狙い」の遠征釣行を堪能できる。
カジキで有名な、日本最西端の島
与那国島は古くは「渡難(島)」、ドゥナン(チマ)と呼ばれたことからもわかるように、沖縄本島の那覇から約500km、石垣島からも約120km離れた国境の島だ。南西諸島八重山列島に属する、日本最西端の島でもある。異国である台湾までは111km。一年に数回、気象条件が恵まれたときには肉眼で確認できる。
面積は28,84平方キロメートル、周囲は28,6km。小さな島ながら200mを超える宇良部岳を配することからわかるように起伏は大きい。黒潮の影響を強く受ける海域のただ中にあり、風波の影響を受けやすく、その結果として周囲を断崖絶壁に囲まれる男性的な島でもある。
与那国島を代表する魚はカジキだ。カジキ漁は島の主要産業のひとつであり、その魚影の濃さは国内最高峰。エサ釣りを中心に、これを狙って訪れる釣り人も少なくはない。
▲カジキが水揚げされる光景は日常茶飯事。ルアーでトライする釣り人もいる。
▲ライトなタックルは避けたほうが賢明。やり取りが長くなると、サメにやられてしまうことも。
ルアーゲームでのメインターゲットは、カンパチ、イソマグロ、キハダ、メバチなど。カンパチ、イソマグロは根や瀬などの地形変化を狙ってのバーチカルジギングが基本だ。この釣法にキハダ、カツオなどもまじって釣れてくるが、ツナ系の魚は島の西方のパヤオ周りでのジギング&キャスティングでも楽しめる。
ジギングゲームは周年楽しめる。しかし、出船率を考慮するならば冬場は沖へ出られないリスクがアップすることを覚悟する必要がある。
最初の訪問では日本の西の果てまで来た、というだけで感動できる。ヨナグニサンやヨナグニウマなどの天然記念物のほか、海底遺跡の可能性あり、とされるダイビングスポットもある。飛行場がある、相応の規模の沖縄県の離島のなかでも、ひときわ素朴で静かな島。便利さを求めることなく、大自然を満喫したい。それこそが最大の魅力のフィールドでもある。物資のほとんどはフェリーの輸送に頼ることが多く、それゆえシケが続くと食料品の調達が困難になることもある。飲食店も数多くあるわけではないので、繁忙期などは席の確保が難しい状況になることもある。多少のことは覚悟しておくとよいだろう。
ストロングタックルでのパワーファイトがおすすめ
ジギングゲームを前提にした場合、代表的なポイントとして知られるのは、西崎曽根、新曽根、祖納曽根、東曽根の4か所だ。以上に加えて、小規模なポイントは無数に存在する。
西崎曽根は与那国島の西方約3,5kmに位置し、トップで約70mまでに駆け上がるポイント。潮が速いときが多いのでヘビージグが必要とされる状況も多い。
新曽根は島の南南東約9kmに位置し、周囲が水深200~300m、ここから駆け上がっていく形状のポイントだ。イソマグロの魚影が濃いところとしても知られる。
東曽根は新曽根と同じような形状のポイントで、400mから100m前後のトップまで駆け上がる形状となっている。
いずれのポイントを攻めるかは船長判断だが、一日で数か所を回ることもある。与那国島に特有な傾向としてサメがポイントに居着いたときは釣りにならないこともある。こんなときは諦めてポイント移動、となることも多い。
カンパチ、イソマグロともにアベレージサイズは5~7kg程度。しかし、照準は20kgアップに定めたい。いつでもビッグサイズのチャンスがあるのが与那国島最大の魅力でもあるからだ。国内屈指のスレ知らずのフィールドだけに、まずはヘビータックルでのパワーファイトを優先して挑むとよいだろう。
▲アベレージサイズは船中全員にヒット! ということも珍しくはない。カンパチ狙いでは国内屈指の魚影の濃さと言っていいフィールドだ。
メインラインはPE4~5号、リーダーは80~130lb、ジグは200~400gを主軸に組み立てるとよい。もちろん、与那国島とはいえ、渋い状況もある。そんなときはスロー系ジギングも有効だが、あまりにライトなタックルでは太刀打ちできない相手がいることもお忘れなく。
無垢な魚たちが多い与那国島だけに、しっかりジグを動かすことを意識した、スピード感あるワンピッチジャークで十分に楽しめるはずだ。バイトがあれば大きくロッドをあおってきっちりとフッキング。あとはグイグイと寄せるスタイルが、最もキャッチ率が高い。全体的に根ズレの心配は少ない。しかし、シャークアタックを避ける意味も含め、長時間に渡ってファイトを楽しみすぎるのは考え物だ。ポイントをつぶしてしまう結果になる可能性もあるので、スピードキャッチを心掛けたい。
▲オーソドックスなワンピッチジャークで十分にヒットが望める。すごく釣れる、という遠征を実感できるはずだ。
疲労困憊という状態になるまで釣りまくることが期待できるフィールド。ビッグワンを狙ってガンガンシャクって、ガンガン釣る! そんなシンプルな遠征を楽しんでほしい。
与那国島へのアクセス
与那国島には沖縄本島の那覇空港から与那国空港への航空便を利用するのが一般的だ。那覇~与那国便はJALグループのRAC(琉球エアーコミューター)が一日一便運航している。また、那覇から石垣島に渡り、そこから航空便、もしくはフェリーで移動することも可能。石垣~与那国便はRACが一日三便運航。所要時間は那覇~与那国が約1時間30分、石垣~与那国が約30分。
釣行費用
与那国島ではツアー形態での利用より、航空券を旅行代理店に手配、船は直接手配というのが一般的だ。宿泊施設も併営している「太郎丸」を利用する場合、4名までの基本チャーター料金は一日70,000~80,000円(ポイントによる。トローリングの場合は60,000円)。宿泊は太郎丸の船宿を利用でき、素泊まり3,000円~3,500円。食事は自炊が可能なほか、島内の居酒屋などを利用できる。羽田空港から与那国空港までの往復航空券は60,000~80,000円が目安(年末年始、GWなどの繁忙期をのぞく。2017年1月現在、フィールドゲート調べ)。
【この記事は2017年2月現在の情報です】
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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