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豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第3回】

世界を股にかけて活躍するオフショアゲーム界の第一人者のひとり、佐野ヒロムのツナゲームのキャスティングを紹介。第3回は、シンキング系ルアーの極意とキャスティング上達のコツを紹介しよう。

※編集部注 2021年9月現在、日本国内におけるクロマグロの遊漁は禁止されています。本記事は来年以降の再開(詳細は未定)に向けた参考としてご活用いただければ幸いです。

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第2回】はこちら>>>

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第2回】

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第2回】

2021年09月19日

佐野の真骨頂”3D”誘い出しとは

もうひとつ、佐野が使うルアーを語るうえで外せないのが、シンキング系だ。

「シンキング系のルアーは、カタクチイワシなどイワシパターンのナブラ撃ちにおいては最強といっても過言ではないほどだと思っています」

佐野の釣果写真を見ると、クロマグロ、キハダ問わず、かなりの確率でその口元にシンキング系ルアーが付いている。それほど佐野が絶対的な自信と信頼を持っているルアーなのだ。

「使い方は、プラスチック製のタイプは前傾姿勢で手前に泳いで来るので、ナブラなら進行方向の奥から入れ込んでいくイメージです。サメ付きで上のほうにサメがいるような状況では、その下を泳がせます」

そして、シンキングのもうひとつの使い方が、佐野の真骨頂ともいうべき”3D誘い出し”。

これは、フローティング系ルアーを使って行う誘い出しを、シンキングペンシルを使って海面下で行う方法のこと。魚の進行方向と遊泳層を読み、ちょうどそこに当て込むようにルアーを撃ち込み、沈めて誘う、というもの。フローティング系ルアーが平面なら、シンキング系はそれにデプス(深度)が加わる。それゆえ3Dというわけだ。

「GTではシンキングでもブラインドですが、マグロはもっと精度を上げます。ルアーの大きさと重さ、沈むスピード、ラインの太さと空気や水から受ける抵抗、潮の流れ、船の流され方など、いろんなことを総合的に見極めて、魚がいる(泳いで来る)であろうレンジに沈めてアジャストしていきます。これが、3Dの誘い出しです。ナブラが沈んだ後、鳥はいてソナーにも反応が出ているのに、魚は上には出ないとき。そんなときにはとくに有効です。ジギングとトップの釣りの中間的なイメージです。この方法で、三重でかなりいいサイズのキハダを獲りました」

さらに、このシンキングによる3Dの誘い出しが効果を発揮したのが、サンマやヒラソウダベイトで、すぐに魚が散ってしまうような状況だったという。ルアーは、プラスチック製ではなく、ウッド製のあまり動かないタイプのシンキング系だった。

「とくにサンマパターンのキハダ狙いでは、フローティングよりも圧倒的なヒット率を誇りました。ぜひ試していただきたいと思います」

▲誘い出しは、ロング気味で見切られない程度の速さで、ポーズは入れるときもあるが基本的には連続して引く。
▲ナブラでのルアーの使い分けは、イワシに強く依存している状況ではシンキング。
▲「アワセを入れないと後から後悔してしまいますので、アワセは必ず入れます」

キャスティング上達のコツは練習あるのみ

キャスティングゲームは、そういうだけに”キャスティング”が重要だ。

「キャスティングゲームは、キャスティングで釣果が決まります。どのタイミングで、どこに投げるか、です。また、我々アングラーは、毎日海に出られるわけではありません。とくにマグロは一投入魂です。だから、なおさらキャスティングが大切です。一投、一投が、もの凄く大切です」

▲佐野は、ルアーのフックはロッドのガイドには絶対に掛けない。

キャスティングが上手になるためにこれまで佐野が行ったこを聞いてみると、単純明快、”練習”だった。

「練習はかなりしました。近くの港など広いところに行って、とくに右と左の両方で投げられるようにしました。今ではスマホを持っている人も多いと思いますので、動画で撮ってフォームのチェックをすることをオススメします」

佐野は、いまなお練習し、時々動画を撮ってチェックしているという。

「練習のコツは、風を意識して行うこと。向かい風、横や斜めからの風、後ろからの風。船の上ではどんな状態になるか分かりません。風をうまく利用して、狙った場所にルアーを落とせるように投げるのは、キャスティングゲームでは必須テクニックのひとつです。上達するためには、練習するしかありません。体で覚えるしかないんです」

▲ファイトは常に呼吸をしながら行う。ポンピングは大きくは行わず、1巻き2巻きを連続するようにする。15分を過ぎた頃から乳酸が溜まってきて疲れが出やすくなるので、時々は手を入れ替える。
▲マグロが海面近くまで上がって来たら、ロッドは脇に抱えて少し曲げ負荷を掛けてやる。
▲佐野の釣果の一部。津軽海峡のクロマグロ、三重、そして伊豆南沖のキハダ。右真ん中は佐野の釣友・渡邉一平さんの良型クロマグロで、ルアーはポッパー。左上はこちらも佐野の釣友・古坂和彦さんで、これもポッパーによるもの。良型だ。こう見ると、いかにポッパーが昨年は各地で有効だったかがよく分かる。今年も要注目のルアーになることは間違いないだろう。

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第4回】はこちら>>>

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第4回】

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第4回】

2021年09月19日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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