東京湾・クロダイ&キビレ トップウォーターゲーム!!【Vol.1・前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年09月27日
東京湾のクロダイ&キビレゲームに新しい風が吹いている。これまで確立されていなかったスタイルが定着しつつあるのだ。ここではこうした新風にスポットをあて、短期集中連載として紹介していく。第一回となる今回は、ポッパーやペンシルベイトを使ったトップウォーターゲーム。2人のガイド船のキャプテンにナビゲーターを務めてもらい、前後編でお送りする。
確立されつつあるクロダイ&キビレのトップゲーム
東京湾のクロダイ&キビレのトップウォーターゲームを紹介するにあたって、アングラー兼ナビゲーター役として、東京湾で活躍する2人のガイド船キャプテンを迎えた。ひとりは木更津を拠点とする「オルカ トウキョウベイ フィッシングナビゲーター」の大村智幸。さらなるひとりは横浜をベースに活躍する「サニー フィッシングガイドサービス」の家田成大だ。
はじめにトップウォーターゲーム、その魅力を訊ねた。
「ルアーを追ってくる魚が見えるところ。これが一番ですね。見えたところでタイミングを合わせて、魚を掛ける。これが価値ある出会いになる。面白いですよ」(大村智幸)
「僕の場合は、そもそもクロダイという魚がルアーで釣れる、というところが魅力です。これまではルアー、しかもプラグでこれほど釣れる魚だと思っていませんでした。とくにトップでは関西とか浜名湖だから釣れるんでしょ、と思っていましたから」(家田成大)
6月初旬の取材時点で、「サニー フィッシングガイドサービス」では、ボトムチニングと並行して楽しんでいる。東京湾で専門出船を繰り返しているのは、大村、家田が知る限り「オルカ トウキョウベイ フィッシングナビゲーター」くらいでは? と言う。あくまでも2人が知る限りの話だが…。
このゲームスタイルがにわかに活気づいている背景には、東京湾のクロダイ、キビレの個体数が増加していることがある。
「クロダイ自体は確実に増えていると思います。一時期行っていた放流の成果もあると思います」(大村)
「キビレも絶対といっていい感じで増えていると思います。クロダイもキビレも漁の対象にはなっていない。獲らないから増える一方だし、釣り人も持って帰らない人がほとんど。いまのところ、温暖化も含めて減る要因がないと思います」(家田)
▲今回は金田漁港を拠点とする、「オルカ トウキョウベイ フィッシングナビゲーター」で楽しんだ。
思いついての1投に猛追! 専門出船開始のきっかけ
「オルカ トウキョウベイ フィッシングナビゲーター」では、昨年からクロダイ&キビレのトップウォーターゲームの専門出船をスタートした。そのきっかけとなったのが家田との釣行だ。
「大村さんからボトムチニングを教えてくれないか、と連絡がありまして。やるなら大村さんのエリアでやりましょう、ということになったんです」(家田)
ボトムチニングも東京湾ではまだまだ新しいスタイル。家田なりに掴んだ釣り方をベースに大村の得意エリアを回っていったが、思うような結果は得られなかった。
「帰り際に見かけたシャローエリアで、『ここはトップで出ないの?』と聞いたら、『いままでやったことがないけれど、オカッパリからブッコミ釣りで狙っている人はいるよ』、『じゃあ、釣れるんじゃない』となって。1回だけ流してみようよ、とキャストした1投目に、魚体を顕わにして何尾ものクロダイが猛追してきたんです」(家田)
この経験をきっかけに大村は、真剣に開拓を始めることになった。
「手応えを感じるまで、ひと月くらい掛かりましたね。ほとんどひとりで試し釣りをして。シャローエリアなので、船外機のペラもダメにしましたよ」(大村)
▲アクアラインを望みながらキャストを繰り返す。広大な盤洲干潟がクロダイ&キビレのトップウォーターゲームの舞台だ。
盤洲干潟ではクロダイがメインターゲットとなる
手応えを掴んだ大村は、昨年のサマーシーズンのほとんどをトップゲーム、という勢いで出船を繰り返した。
1回5時間を基本とした出船で、ひとり5~6枚がこれまでの最高枚数。サイズは40cmクラスを中心に、盛期には50cmクラスもごく普通にまじってくる。トップシーズンは7月、8月だ。
「オルカ トウキョウベイ フィッシングナビゲーター」のメインフィールドは、日本最大級の干潟である盤洲干潟だ。ポイントの水深は多くが1mより浅い。それ以深になるとヒット率が下がるし、効率も悪くなる。船外機タイプの小型船を使用するガイド船であっても、座礁する危険性が高い水深だ。
▲水深は1m弱のポイントが中心。一見何も変化がないように見えるが、ボトムの地形変化や潮目、写真のようなアマモの周りが狙い目だ。
盤洲ではターゲットの割合がクロダイ8、キビレ1、シーバス1という。対して、横浜方面ではカキ瀬や岩場狙いこそクロダイが多いが、サンドバーなどはキビレが多い、という。
「クロダイは8割、9割、喰うまでにルアーに付いてくる。喰うまでに間隔があって、そこから自分のタイミングでガバッと喰ってくる。後ろからの追尾でリアのフックに掛かることが多いですね。キビレはほとんどが一撃で喰ってくる。チェイスして喰うことは少ない。しかも、ほとんどフロントフックに掛かります」(大村)
似て非なる両種の生態の一部が垣間見える。
▲取材日のファーストフィッシュを仕留めたのは家田成大。横浜をベースに走りまわる「サニー フィッシングガイドサービス」キャプテン。シマノ、スタジオ・オーシャンマーク、宅配のめがね屋さんなどからサポートを受けるアングラーでもある。
(文中敬称略)
【この記事は2021年7月現在の情報です】
東京湾・クロダイ&キビレ トップウォーターゲーム!! Vol.1【後編】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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