東京湾・クロダイ&キビレ トップウォーターゲーム!!【Vol.1・後編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年09月27日
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東京湾のクロダイ&キビレゲームに新しい風が吹いている。これまで確立されていなかったスタイルが定着しつつあるのだ。ここではこうした新風にスポットをあて、短期集中連載として紹介していく。第一回となる今回は、ポッパーやペンシルベイトを使ったトップウォーターゲーム。2人のガイド船のキャプテンにナビゲーターを務めてもらい、前後編でお送りする。
後編では、ルアーセレクトや実釣のアドバイスなどを紹介。
ポッパーとペンシルベイト2つのルアーを使い分ける
使用するルアーは主にポッパーとペンシルベイト。水面の状況によって使い分けるのが基本だ。波があるときはポッパー、フラットなときはペンシルベイトがおすすめだ。
イワシや東京湾でハクと呼ばれるボラの幼魚が追われているときは、ペンシルベイトが有利。ポッパーだとベイトが沈んでしまうことが多く、これと一緒にクロダイも沈んでしまうことが多いからだ。
ポッパーに関しては、ルアーによって縦カップ、大口カップなどの違いがある。これによって音と泡の出方が変わる。クロダイからの反応も変わってくるのでセレクトの際には注意を払いたい。同じルアーであっても、アクションの付け方によって反応が異なってくることは言うまでもないだろう。
カラーもとても大きな要素という。カラーの違いだけでもクロダイからの反応は大きく変わってくる。
「安定しているのはクリアカラーです。赤などの色がついていてもいいですが、ちょっと色が透けているカラーが安定していますね。
日差しが強い夏が中心。クリアウォーターのシャローエリアでの釣りになるので、あまりシルエットがしっかり出るものだと見切られやすいのかな、と思っています」(大村)
とはいえホログラム系やマット系などが当たりカラーになることもある。水色の違いや、曇天か晴天かなどによって変わってくる。また、当たっているカラーとはいえスレてくることも多い。ローテーションを考慮し、同じルアーでも異なるカラーを数多く用意しておくと安心して楽しめる。
「ある意味ゲーム性が高いですよね。カラーの答え合わせがあったときは快感ですよ。カラーに限らず、何が答えか分からない部分があるので、いろいろ試してもらいたいですね」(大村)
▲ポッパーとペンシルベイトがメインルアー。カラーによる反応の違いが大きいので、多彩に揃えて楽しみたい。
ポッパーの動かし方は大きく3パターン
船上における実釣面でのアドバイスを紹介しよう。
代表的なルアー、ポッパーでのアクションパターンとしては、大きく3パターンがある、と大村。
ポコンポコンと大きなポッピングを繰り返すパターン。左右に振るようにドッグウォークするパターン。スピードを落とし、泡を噛ませながらの小刻みで優しめなポッピング。以上の3つだ。
トリッキーな技として、連続ポッピングのあとのステイ、というパターンが効果的なこともある。
「優しく引いたり、強く引いたりと、その日そのときによって効果的なアクションは異なってきます。これをいち早く見つけ、アジャストしていくことが必要ですね」(大村)
いろいろ試していくのが基本セオリー、ということだ。
水面や水中をよく見ることはとても重要だ。
「潮目がある、アマモが生えている、サンドバーがある、こうした変化はある程度は分かりやすい。でも、その変化を意識して釣るか、意識しないで釣るかは大きく釣果が変わってくると思います」(大村)
シャローフラットなので、一見するとどこでも同じように感じてしまう。注意を持って水面、水中を観察して、キャストポイント、キャストコースを考えていくことはとても大切だ。
自分がアクションさせているルアーに魚が付いてきているかどうかを確認することも重要だ。盤洲のクロダイは、その多くがアタックするまでにルアーを追尾する、という。
「ドッグウォークのテンポが速いとフッキングしにくい、と感じることが多かったですね。ルアーの後ろにクロダイが付いた、と思ったら、ドッグウォークの左右への動きは変えず、リトリーブする速度を落とすと、よりクロダイがルアーの距離を詰めてバイトに持ち込みやすいと思います」(家田)
移動距離が大きいとバイトしにくい、ということだ。同時に、船に近づいてくるとバイトしにくい傾向もある。なるべく船から離れたところで、喰わせのアクションを入れられるのが理想的だ。
▲リーリングスピードやジャークの強弱、テンポやリズムなど、アクションパターンの違いで反応は大きく異なってくる。それが面白い!
分かっていてもやってしまう!? 早アワセ厳禁がセオリーだ
水飛沫を上げてバイトしてくる魚に対し、つい早アワセをしてしまいがちなのが、トップウォーターゲームの常。これはクロダイ狙いでも同じだ。魚のウエイトがロッドに乗ってから合わせる、というのが基本となる。
「慣れていてもやってしまうことですが、なるべく意識して早アワセを避けるようにしたいですね」(大村)
ベイトタックルの場合、アワセの動作とともにスプールを押さえないようにしたい。使用するラインが細いのでラインブレイクにつながるからだ。
ファイトについては、焦ってやり取りする必要はない。ドラグさえしっかり調整していればライトタックルでもラインブレイクの心配は薄い。ロッドは、魚の泳ぐ方向が分かりやすいため、なるべく立ててやり取りすることをお勧めします、とは2人の共通したアドバイスだ。
▲取材日のトップ釣果は家田瞳の3枚。「ポイントについて誰よりも早くキャストしたのが良かったみたい。ライズウォークのオレンジ&黄色の同系色のカラーを使って、少しゆっくり目にドッグウォークさせたら出ました」と1枚目キャッチのコメント。
ライトタックルならでは軽快さを堪能する
使用タックルはとてもライト。
すべてのセッティングを決めるのはルアーサイズだ。
5cmから7cmくらいのポッパー、ペンシルベイトが基本ルアーとなる。8cm、9cmクラスになると少し大きい。フッキングまで至らないことが増えてくる。
市場にはクロダイゲーム専用ルアーが多くリリースされているので、この中から選択するのが無難。ブラックバス用でも使えるが、フックはチェンジしたほうがよい。
▲クロダイの噛む力は強大。トレブルフックはご覧のように変形してしまう。予備のフックのご用意をお忘れなく。
使用するタックルは、ベイト、スピニング、いずれのセッティングでもOK。トラブルを起こすことなく使えるならどちらでもよい、というのが2人のキャプテンの共通認識だ。
「ロッドは小型のルアーをキャストできるよう、扱いやすいように、ティップはソフトなほうがおすすめですね。ボヨンボヨンはダメです」(大村)
「流用を考えるならシャキッとしたバスロッド、ボートシーバス用なら一番ライトなものをおすすめします。でも、最初は手持ちのタックルでいいと思いますよ」(家田)
以上、東京湾の新たな注目ゲームと言える、クロダイ&キビレのトップウォーターゲームを紹介した。最後は大村の言葉で締めくくろう。
「まずは一回経験してほしいですね。ルアーに付いてくる猛追を見てほしいです。とくに群れになって取り合うチェイスは興奮しますよ」(大村)
ぜひ、お試しあれ。
▲スクールが回ってくればご覧の通り。自分のルアーはもちろん、自分以外のルアーにチェイスする姿も全員で共有できる。当然、船上は大騒ぎというわけだ。
▲「オルカ トウキョウベイ フィッシングナビゲーター」のキャプテンの大村智幸は、アイマ、ゴーセン、AIMS、KAHARA、宅配のめがね屋さんからサポートを受けるアングラーでもある。
●大村智幸 使用タックル
写真上はAIMSブラックアローアンリミテッドBAU67Lプロトモデル+ダイワ エグジスト2510PE-H(ハンドルはBassartにチェンジ)。写真下はシマノ ゾディアス168L-BFC+ダイワ アルファスエア。ラインは共通で、ゴーセン ルーツPE×8 0.8号+剛戦XリーダーFC 17lb。
●大村智幸 使用ルアー
写真右はプガチョフコブラ60、左がエアラコブラ60。いずれもアムズデザイン アイマ製。
●家田成大 使用タックル
写真右はブレニアスS70ML+バンキッシュC3000MHG。ラインはパワープロ0.8号+ナイロン14lb。写真左は、ゾディアス168L-BFC+SLX BFS。ラインはピットブル0.8号+ナイロン14lb。リーダー以外はすべてシマノ製。
●家田成大 使用ルアー
写真上から時計回りに、パブロシャッド59SPMR、ブレニアス ライズポップ65F、50F、ブレニアス ライズウォーク65F、ブレニアス ブリームペンシル75F。
(文中敬称略)
【この記事は2021年7月現在の情報です】
東京湾・クロダイ&キビレ トップウォーターゲーム!! Vol.1【前編】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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