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【平松慶のヒラマサワールド】2021年 伊豆七島・御蔵島ヒラマサチャレンジ【後編】

20数年前に関東エリアに移住して以来、平松慶のなかのテーマのひとつであった伊豆七島のジギング開拓。もちろん狙いは大型のヒラマサだ。限られた釣行日の乗合船ではもどかしさを感じる部分もあるが、それは一般アングラーも同じこと。釣れないことも含め、その原因を分析し結果につなげていくことが大切なのだ。

大型のヒラマサを求めて試行錯誤を続ける平松。そんな彼が挑む2021年のヒラマサチャレンジを、前後編でお送りする。後編の今回は、全4回の釣行のうち2回目以降のチャレンジの様子をお届け。

2021年4月20日(火曜日)

小潮…2:58干潮 7:51満潮
海況…晴 水温22度
潮色と流れ…澄み 速い
風向…東 
波高…0・5~1m
森竜丸HP 船長コメント…「キハダは安定していてサイズアップ。他にメダイ9・1kg」

御蔵島チャレンジ2回目。すぐに翌週の空きを確認し、1週間後に速攻で再び御蔵島へと入った。実は数年前、こうした1週間のズレだけでヒラマサの釣果が見えたという年周りがあり、行けるタイミングだったのでチャレンジしたかったのだ。船が出て、空きがあるなら行くしかない。タックル等は変化をつけることもなくまったく同じ。目標はヒラマサ。あくまでもヒラマサ狙いで御蔵島へ通う。キハダマグロやビンチョウなどがゲストで釣れても、狙いは絶対にヒラマサなのだと、先週からの1週間、頭のなかであれこれ組み立てていたのだ。

この日も先週とはあまり変わらない様子。だが、御蔵島でいつも見える、高い位置から流れ落ちる滝の水量が少ない。水鳥の勢いも前週よりまばらで固まらない。潮のヨレ具合だけは、モアモアと流れ出した潮同士が絡み合うことなく盛り上がるようなぶつかり方をしていた。この場合、かなり潮が速いだろうな、との読みは的中。250g以上のメタルジグで探らなければ、なかなか青物には届かないぞ、と分析。

ジギングで中層を狙えば、しっかり20kgを超えるキハダマグロがガンガン食ってくる。これほど贅沢なことはない。キハダマグロは本当によく食ってくる。釣り方さえコツをつかめば、それほど難しいことではなかった。しかし、釣れない仲間もいた。帰りになぜ? を確認してみたら、やはりメタルジグの操作層にズレがあったことと、ジグウエイトにも問題があった。メタルジグのウエイトを釣れているアングラーに合わすだけでは、ヒットゾーンの確保にはならない。御蔵島のような爆流域でのジギングは、自分の使うラインスラックによるジグの持ち上げも頭のなかで描いておかなくてはならないのだ。

この日私は、数だけはダントツに釣らせてもらった。ノーフィッシュだった仲間との差は、ジグの角度コントロール。これに尽きた。帰りの航路でゆっくりこの日のジギング構造を説明した。ジグのカラーとかは、この場合別。狙いたい魚がどちらの方向に何を見ているか、ですと説明しながらも、実は自分がヒラマサをまだ見えていない状況も確認していたのだった。平松、キハダ、ビンチョウ、数はダントツにて釣果は出ました。ヒラマサは、なし。

▲同船者も次々に良型のキハダをゲット。しかしそのなかでも、ちょっとしたことで釣果に差が出ていた。

2021年5月11日(火曜日)

大潮…4:24満潮 10:53干潮
海況…晴 水温21・9度
潮色と流れ…澄み ゆるい
風向…南西 
波高…0・5~1m
森竜丸HP 船長コメント…「前半、後半は潮が緩くて苦戦。中盤にポツポツとアタリ取れました。ヒラマサ14・3kg」。

前回の釣行の先にGWがあったので、落ち着いたら、と3週間空けて3回目の御蔵島チャレンジ。週末アングラーの行動と曜日は違えど、同じ狙い方をしていた。毎週天気図と睨めっこをして海の様子を気にしては、次の休みとなる火曜日に意識を持っていった。

お店が火曜定休だから、自宅から通う釣り場への釣行は基本火曜日になる。決められた休日に全力でトライする。この報告が多分みんなは知りたいだろうな、と思う。きっと私のようなプロアングラーは行きたい場所に自由に行け、良い釣り報告だけをしている、そう思っているはず。なぜなら、私も若い頃はそう思っていたから。だから、今回のヒラマサワールドには週を決めた釣りの報告をしたかったのだ。

再びGW開けの火曜日。森竜丸に乗船。この日はGW前のようなキハダのラッシュはなかった。ポツリ、ポツリと釣るアングラーがいるだけの難しい潮であった。

私は中盤に森野船長にお願いし、反応が薄いけど…と言われながらもシャローエリアに入ってもらった。島の際、水深67m。私は180gのジグを遠投し、ボトム中心に丁寧に探りを入れる。右舷側の小林秀輝さんは電動ジギングでバーチカル。このシャローを船長にお願いし、電動ジギングのアングラーには水深が浅いから申し訳ないな、と思いながらも自分のしゃくりを徹底していると、オオトモふたりの我々が同時にダブルヒット。間違いない、青物だ。ロッドに伝わる走りをみて、横に走り出した。感覚として頭も振っていると感じた。間違いない、ヒラマサだ。

集中をしてファイトをする。電動ジギングタックルの小林秀輝さんが、魚を先に浮かす。ヒラマサだ。デカい。チラ見すると、まさにヒラマサ。私が恋焦がれてならないヒラマサが浮いてきている。

もう完全に頭のなかは、私にもヒラマサが掛かっているとなっている。カンパチならもっとヒラを打つだろう。マサだから水深がない分、下に行けず首を振りジグを外そうとしている。先に見えた自分のテリトリー内の岩に身を寄せたいから一直線に走った…。すべては私が水中で暴れる魚の様子を瞬時に分析し、やり取りの組み立てをしていたのだ。

小林秀輝さんのヒラマサはネットに収まり、次は私だ、と森野船長がネットを構える。あと15m。完全にヒラマサだと思っていたのが、落胆に変わる瞬間があった…。背に黄色が見えたのだ。側面を見せずに円を描き始めた。言葉を失った。このタイミングでキハダが掛かるか? 間違いなくヒラマサだろ、ヒラマサ場だから、ヒラマサだ。ファイト中の空想はすべてキハダマグロの動きにヒラマサのやり取りを当てはめただけのこと。またもキハダマグロ。水深200m近い場所でもキハダマグロ。67mのシャローエリアで隣のアングラーと同時ヒットをしても、片方はヒラマサで私はキハダマグロ。叫びそうになったが、乗合船。落胆は大きかった。ただただグッと我慢するしかなかった。

▲島周りのポイントで電動ジギングの小林秀輝さんがヒラマサを仕留めた。すぐ隣の私も同時にヒットしたのだが…。

▲5月11日の釣果。水深200m近い場所でもキハダ。67mのシャローでも掛かってきたのはキハダ。なかなかヒラマサにたどり着けない。

2021年6月15日(火曜日)

中潮…1:36干潮 6:51満潮 14:01干潮
海況…晴 水温26・1度
潮色と流れ…澄み ゆるい
風向…南 
波高…0~0・5m
森竜丸HP 船長コメント…「朝一に青物を狙ってみましたが、残念ながら活性上がらず。その後ジギングでキハダをキャッチ。ホンガツオは状況安定していて、順調にヒットしました。後半はキハダの跳ねが多くなり、キャスティングで3匹追加キャッチ出来ました。カンパチ3匹、ヒメダイ・アカヤガラが上がりました」。

そう毎週のように遠征船にも乗れない。乗りたいが、なかなか財布の余裕もなく、ヒラマサが釣れた1ヶ月後の似たタイミング時に入る予約を取った。今回も気合いを入れて挑む。これまでの釣果情報を見ていたが、やたらカツオの良型が釣れていた。御蔵島だけでなく、南沖周辺まで広くカツオが入ってきた。

現場を見て「表層上は賑やかなのだろうな、下を疎かにするなよ」と感じ、どう攻めてやろうかを自問自答しながらのスタート。カツオやキハダマグロが小さなベイトを食い上げて水柱を立てている。あちこちで立つスプラッシュ。それを見て周りのアングラーはキャスティングタックルに持ち替え、プラグをキャストして釣りを楽しんでいる。

私はボトムからの潮の動きや魚からのコンタクト探しに必死になっていた。ポイント移動のメタルジグ回収時にカツオがヒットするので、私にとっては頭を抱えてしまう。海が豊かで幸せなのだが、狙いたいヒラマサはどうなっているのだろうか。

海はベタ凪。ミヨシ側のアングラーは気持ちよさそうにプラグをキャストし、ド派手なバイトでキハダを食わせ歓声を上げている。メタルジグで狙えど、狙えど、反応してくるのはカツオばかり。ジグをローテーションしようが、ジャークの誘いを変えようが、引く層を変えようが、当たってくるのはカツオ、カツオ、カツオ。御蔵島はもう夏の海になっていた。

きっとどこかにヒラマサはいたのだろう。これまでも夏海でヒラマサは食わせてきた。でも私がアプローチした術では、今回もヒラマサは反応してくれなかった。

▲6月15日の釣行。何をしようが当たってくるのはカツオ、カツオ、カツオ。御蔵島はもう夏の海になっていた。

追記

春から始まった御蔵島チャレンジ、4回の釣行。完全にヒラマサからは見放され、情けなくも釣果に繋げられなかった。しかし、同じ位置にヒラマサはいた。14・3kgのヒラマサはメタルジグに反応したのだ。これが事実。だから、勝ち負けなら私は負け。でも負けを認めて次への対策を練る。それが平松スタイル。

私は柔道という武道を愛している。格闘技だ。柔道は最初に「負けを認める受け身」から学ぶ。受け身が出来なければ、柔道競技はさせてもらえない。身を守ることが何より大切だからだ。ヒラマサ狙いと柔道は何にも関係しないが、最初に「負けを学ぶこと」に私は慣れている。だから今期春の御蔵島チャレンジは負けを報告する。でも、この悔しさは忘れない。必ず御蔵島で納得するヒラマサを狙いたい。そしてこの「平松慶のヒラマサワールド」に御蔵島チャレンジとして釣果報告をしたい。それまで、まだまだチャレンジを続けていく。

きっと、きっと週末しかフィールドに立てないアングラーは、こんな悔しい想いを一度や二度は持ったと思う。私は今同じ思いだ。探究心を忘れなく、ヒラマサを愛し、これからも挑み続けます。

▲キハダ、ヒラマサ以外ではメダイ、カンパチ、アカヤガラなどの魚もヒットしていた。

【この記事は2021年7月現在の情報です】

【平松慶のヒラマサワールド】2021年 伊豆七島・御蔵島ヒラマサチャレンジ【前編】はこちら>>>

【平松慶のヒラマサワールド】2021年 伊豆七島・御蔵島ヒラマサチャレンジ【前編】

【平松慶のヒラマサワールド】2021年 伊豆七島・御蔵島ヒラマサチャレンジ【前編】

2021年09月28日

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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