東京湾のタチウオジギング【前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年09月30日
東京湾のライトジギングの代表格であるタチウオ。湾内の各地からジギングの遊漁船が出船しておりより手軽にチャレンジすることができる好ターゲットだ。シーズンは夏と秋から冬と長いのも魅力の一つ。
そんな、初心者からエキスパートまで皆が楽しむことのできる人気ゲーム、タチウオジギングの魅力を、前後編でお送りする。
タチウオのシーズンと探るポイント、水深
東京湾で古くから多くのアングラーが楽しんできたライトジギングといえば、このタチウオとシーバスの名が上がるだろう。ここではタチウオジギングについてまとめたい。
東京湾のタチウオシーズンは、夏と冬に分けられる。夏、冬の間には、釣果が厳しくなる「お休み」の時期があるのだが、最近ではまず夏場に盛り上がりをみせ、そのまま何だかんだとポツリポツリと釣果があるまま冬のタチウオへと移行していく感じがある。しかし、安定した釣果ということを考えると、盛期といえるのは夏と冬といえる。
▲東京湾は、東京、千葉、神奈川に隣接している。それぞれの県からルアー船が出ており、同じポイントを攻める。関東のアングラーにとって船宿までのアクセスがいいのも魅力だ。
夏は水深が浅く、数釣りができるのが特徴となる。サイズは指3~4本の中型が中心。時折、指5本クラスも上がるが、大型の数は少ない。主なポイントは、千葉県側の大貫沖から竹岡、金谷沖の水深50mまでのライン。神奈川県側だと本牧沖から観音崎沖までの水深50mより浅い水深で狙うというのが例年のパターン。だが時には群れを探して、それ以外の場所や、50mよりも深い場所を探ることもある。
一方、秋から冬にかけては、どんどん水深が深くなっていく。例年秋は、本牧沖の60m付近を探ったりするが、本番となりまとまった釣果を得られるようになるのは、観音崎沖の80m前後のライン。この観音崎沖で群れが溜まると、良い釣果が期待できる。その後、久里浜沖の水深130m、150m、170mといったポイントも探ることがある。ちなみに冬のタチウオは、平均してサイズが良いのが特徴。数は夏のようにはいかないが、指4~5本といったサイズが多くなる。
▲冬場のポイントとなる観音崎沖で群れが溜まると、各船集結する。隣の船との間は、ぶつかるのではと思うほど。それくらい盛り上がるのだ。
▲冬場のタチウオは、なんといってもサイズがいいのが魅力。夏でも良型は上がるが、冬のほうが良型が数多く上がる。
夏、冬ともに共通タックル基準
タックルは、タチウオやシーバスを想定したクラスのロッドに、ベイトリールが基本となる。タチウオは、フォールでアタってくることも多く、ベイトリールのほうが、その構造上からフォール中の変化を把握しやすいからだ。
ラインはPE0.8号、1号が基準。リーダーはフロロカーボン30lb、40lb、50lbなど歯によるダメージを考え、少し太めのものを接続する。20lbクラスのリーダーの先に、40lb、50lbなどのリーダーを40cmほど結束してラインブレイクを防ぐ方法もある。ちなみに本誌のソルトワールドで毎年のように取材している上屋敷隆さんは、8号(30lb)のリーダーを接続し、キズが入ったらすぐに結び直すという方法を取っている。
またフックは、テールにタチウオ専用のトレブルフックや、通常のトレブルの細軸のものを装着。アシストフックも、タチウオ専用のシングルアシストや、タチウオ専用のトレブルフックをスイベルで装着するのが一般的である。
ジグは、左右に飛んでしまうものは、タチウオの捕食ミスによりラインブレイクの可能性が高くなるので、ショートタイプがメインとなる。
▲反応のあるタナをしっかりと通すことが大切。深場になると潮でジグが流されることもあり、それを計算しつつ、探っていく。
▲上屋敷さんは、シマノ・バルケッタ300HGを使用。カウンター付で、ヒットしたゾーンをきちんと把握できるので、次のヒットに繋げやすいという。
夏は手返し良く探ること
さて、夏は先に述べたように、浅場がフィールドになる。そこで使用ジグは80~130gほどがメインとなる。ジグウエイトは船宿によって合わせて使用することもあるので、釣行前に船宿に確認して準備すると良いだろう。
ちなみに浅い水深の場合は、ジグをキャストして広く探ったり、バイブレーションやワインド釣法などで探るのも効果的。キャスティングを多用する場合は、スピニングタックルをセレクトしても良いだろう。
探り方は、船長から指示されたタナにしっかりとジグを通すこと。特にキャストして探るような場合は、ラインが斜めに出ていくことで、ジグがどのあたりにあるか分かりにくい。PEラインのカラーだけでなく、そんなことも計算しながらジグを落とし、しゃくってくる。
▲カラーローテーションも、より多くのヒットを得るためには重要な要素。様々なカラーを用意して挑みたい。
しゃくり方はワンピッチ、ショートピッチ、ただ巻きなど。タチウオは当りパターンを見つけることで、一人連続ヒットということになりやすい魚。いろいろとしゃくりを試し、その時に一番良いパターンを探していくことが大切である。
ちなみに夏場のタチウオで数を伸ばすには、素早くタナまで落とし、手返し良く探っていくことが重要となる。タチウオの活性が高い時間帯は、ある一定の時間ということも多い。その時間の中で数を稼ぎたい。そのため、ランディング時に抜き上げられるサイズは抜き上げ、次々とジグを投入していきたい。抜き上げをする時は周囲の安全をしっかり確認しよう。
▲深場でヒットしたタチウオは、ジャーク中に根掛かりしたかと思うような、ドスンとしたヒットがたまらない。
▲潮などの影響で釣れる時間帯がある。そんな時は、小さいものはどんどん抜き上げ、テンポよく探っていきたい。
【この記事は2020年2月現在の情報です】
東京湾のタチウオジギング【後編】はこちら>>>
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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