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特性を理解して使い分ければ釣果アップ! 「ポッパー」を使いこなせ!【前編】

今、にわかに注目を集め、多くのメーカーから次々とリリースされているポッパー。なぜこれほどまでに注目されているのか。その効果は、そして使い方は……。神奈川県平塚市のプロショップ「アングラーズクラブ・ライズ」代表の原田佐敏さんに、効果的な使用法を聞いた。

最大の特徴は「音」と「泡」

今号のテーマであるキハダはもちろん、ヒラマサキャスティングゲームにおいても、いま最も注目されているルアーが「ポッパー」だろう。

ポッパーの最大の特徴は、カップと呼ばれるお椀型形状の口。ここに水を受け、そこから発せられる音と泡が魚たちにアピールする。

もちろん、ダイビングペンシルでも音と泡は出すことができるが、音の大きさと泡の派手さはやはりポッパーには及ばない(カップの形状にもよるが)。

しかも、ダイビングペンシルよりも比較的容易に、より効果的な音と泡を作り出すことができる。そんなポッパーのキハダへの有効性は、昔から言われて来た。

神奈川県平塚市にあるプロショップ「アングラーズクラブ・ライズ」の代表であり、ソルトウォータールアーゲーム界のレジェンドとして知られる原田佐敏さんも、沖縄・久米島のパヤオなど各地でポッパーを使い、これまで数多くのキハダを仕留めて来た。昨今のポッパーブームが来るはるか以前にである。

ここでは、そんな原田さんにどんな場面でポッパーがキハダに有効なのか、ペンシルとの使い分け、そしてどのように使ったらより効果的なのか、などを聞いた。

▲神奈川県平塚市のプロショップ「アングラーズクラブ・ライズ」代表・原田佐敏さん。数多くの魚をポッパーで仕留めて来たレジェンドだ。

ポッパーとペンシルの使い分け方法

「まず、大前提としてお話しておきたいことは、これは今回のキハダなどマグロ類について言えることで、ヒラマサに対しては使い方や考え方が違うということです。

ここは間違えないでくささい」と原田さんは言う。魚種で使い方が違うということだ。「次に、『ポッパーを使うのか』、『ペンシルを使うか』という”使い分け”についてです。

キハダゲームでは、ナブラになっているなど、アングラーから”見えている”または”近くにいる”魚には、基本は『ペンシル』を使います。たまに跳ねるとか、跳ねてはいるけど船の近くにはいないとか、泳いでいる水深が深い……などと、魚が見えない時は、『ポッパー』を使うと効果的です。つまり、横にも縦にも”広範囲を探る”のがポッパーの役割です。そのための泡と音です」

ナブラになっている状況はまさに目の前に魚がいるということなので、音や泡でアピールするは必要ない。だからペンシルで十分、というわけだ。むしろ、キハダの場合は”何もしない”ほうがいい。いわゆる”ほっとけ”と呼ばれるメソッドだ。

逆に、泡と音を使って、遠くの魚を船の近くに寄せたい、深い水深にいる魚を海面まで浮かせたいといった時に使うのがポッパーということである。

例えば、誘い出しだ。「要は、最近はポッパーが話題なのでポッパーのほうが凄い、ペンシルのほうが劣っているというわけでは決してありません。使い分けです。それぞれに適材適所があります。これが重要です。これを理解して使うのと、理解しないで適当に使うのとでは、釣果に大きな差が出ます」

▲ポッパーは、カップと呼ばれる独特な形状の口(頭)で音と泡を出す。ボディに刻まれた歯跡が数々の戦歴の証だ。
▲対キハダルアーとしても実績の高いフローティングペンシル。ポッパーと使い分けることが重要だ。

聞けば納得! エリアごとの有効ルアー

ポッパーとペンシルの使い分けの目安は、エリア(フィールド)で見るとよく分かる、と原田さんは言う。「遠州灘や紀伊半島周辺など、魚があまり見えない地域、広大な海域を探るエリアは、ポッパーが主流です」と原田さん。

そのようなエリアは、たまには跳ねるけど、相模湾のようにイワシを持ち上げてグチャグチャになっているようなケースはあまりないという。

茨城県の銚子沖も、いまやポッパー全盛だ。ここはまさに太平洋のど真ん中。陸地などまったく見えない広大なエリアを釣る。

また銚子沖は、パヤオがあるわけでもないのに”ジギング”で狙うことも多い。ソナーを駆使してキハダやカツオの群れを探し、その群れを先回りしてジギングで攻めることもある。相模湾などでは見られない独特の釣り方だ。

「船宿によってはポッパーしか使わせないというところもあるようです。ペンシルをつけていると、そんなのダメだよ! なんて言われることもあるとかないとか。それほどポッパーでの実績が高いということでしょう。時代は変わってきているんです」

一方、同じ茨城でも、冬の日立沖のサンマパターンはペンシルが主役。この海域では、日本近海では最大サイズに近い70㎏を超えるような、かなりの大型がヒットすることで人気だ。

「サンマを追ってボッコンボッコン跳ねているキハダがよく見えます。見えているので、ペンシルを使います。攻め方も独特なので少し補足させていただくと、サンマがキハダに追われて逃げているところに、サンマと同じ向きに浮かせて置いておきます。これが凄く重要です。したがって、サンマが船に向かって逃げて来る時が最大のチャンス。それが、ルアーがまったく別の方向いてしまっていると食いません。キハダもルアーをよく見ていますよ」

日立丸にはツナタワーがあり、原田さんはその上からよく観察するのだそうだが、違和感があるとキハダはルアーを避けていくという。

「昔からよく言うのですが、”マグロから逃げる小魚はいても、マグロに向かって行く小魚は絶対にいない”です。エサは逃げてい行くものだということが、キハダには遺伝子的にインプットされているのかもしれません」

相模湾でペンシルが多く使われる理由は、先に紹介したように、魚が見えていることが多いからだ。

「ペンシル(シンキングも含む)へのヒット率が8割から9割を占めると言われます。シンペンかフローティグペンシルを使い、”あまり動かさないで釣る”というのが基本攻略法です。シルエットもペンシルのほうが細く、より小魚に見えます。逆に、見えているところでポッパーを使うと、その泡と音で魚を散らしてしまう可能性もあるかもしれません。そういった意味では、相模湾が特殊といえます。全国的に見れば、というより世界的に見れば、キハダ狙いではポッパーが主流。日本のキハダシーンは、ペンシルが有利な相模湾を中心に発展してきました。それが結果として日本のキハダキャスティングゲームのスタンダードとなったのでしょう」

▲沖縄県久米島のパヤオ。魚は深く沈んでいることが多い。そのような状況では、ポッパーが有効だ。
▲相模湾のナブラ。海面に白泡が立ち、ベイトのイワシを捕食するキハダが見えている。このような状況では、ペンシルが有効。
▲伊豆南沖で原田さんがポッパーで釣り上げた。ポッパーはただ引けばいいというわけではない。より効果的な使い方がある。
▲南伊豆のサンマパターンでの良型。サンマパターンには、斜め浮き姿勢のタイプが効果的だという。ベイトに合わせて適材適所で使うことも重要だ。
▲ポッパーもボディやカップ形状でロッドを使い分けるとより効果的。カップが小さいものは、ティップが軟らかいものでなければアクションエラーを起こしやすい(このタックルは原田さんのものではありません)。

特性を理解して使い分ければ釣果アップ! 「ポッパー」を使いこなせ!【後編】はこちら>>>

特性を理解して使い分ければ釣果アップ! 「ポッパー」を使いこなせ!【後編】

特性を理解して使い分ければ釣果アップ! 「ポッパー」を使いこなせ!【後編】

2021年11月17日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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