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魚影は濃いが激戦区。ミスを無くしてチャンスをものにしたい―相模湾×上屋敷隆―【フィールド解説&メモリアル】

豊かなベイトを有し、それによりキハダのストックも多い相模湾。近海キハダゲームで最も有名なエリアである。だが、狙う船数も多くそのプレッシャーによって、一日に訪れるチャンスタイムは少ない。そんな状況下でキャッチするには? そこで相模湾のキハダを毎年キャッチしている上屋敷隆さんに話を聞いた。

ベイトが豊富な相模湾。マッチザベイトが大切!

相模湾は毎年、10回以上はキハダ狙いで出船してます。その半分は乗合船です。ほかのエリアとは違って、とにかく船数が多い、なおかつ8月1日からはエサ釣りのコマセの船が参入し、コマセでキハダを寄せ、船団を作るようになります。そのようなことから、日本のキハダフィールドの中で、一番プレッシャーが高いフィールドと言えるでしょう。

ただ、黒潮の接岸によって湾内はエサが豊富なことから次から次へと新しいキハダが入ってきます。そんな個体は、ルアーに反応しやすいです。またエサ釣りの船がコマセを撒いていない、朝一はチャンスです。

相模湾内でベイトとなる魚は様々です。キハダは、沖の黒潮本流ではエサが少なく、そんな個体が、大島近くを流れる分流に乗り、ムロアジ、イワシなどを捕食しにやってきて、相模湾内に入ります。

いままで、相模湾以外の色々な場所でキハダを釣り上げたことがありますが、エサが少ない海域では、ルアーにバイトはさせやすい。

トカラなどでは、GTを狙うポッパーなどにも果敢にアタックしてきます。ただ相模湾はそうはいかない。エサが豊富で湾内に一度入ってしまえばなかなか出ていかなくなるものの、エサを選んで捕食するようになっていきます。その時に容易に、そして鱈腹食べられるエサを探しています。だからこそ、ルアーセレクトが重要になります。

そして秋深くになり、水温が下がるまでは、キハダはエサが豊富で環境の良い相模湾内に留まります。自分がキハダでも、一度相模湾に入ったら、その環境の良さから出ていかないでしょうね(笑)。

ちなみに大きいベイトを捕食している状況では、もちろん大きいルアーに反応します。それがトビウオとソーダガツオです。また小さいにシイラに着いてこともあります。次に大きいのがマイワシ、カタクチイワシ。そしてシラス。シラスはかなり小さいものから、少し大きくなったものまで捕食されています。

その他、トビウオの小さいものを捕食している時もあります。シラスや小型トビウオを捕食している状況では、今までの経験からかなり難しい状況です。

マイワシとカタクチイワシを捕食している場合は、経験からだとマイワシのほうがルアーに反応しやすいです。マイワシは沿岸性が強く、岸寄りでの反応の時はマイワシの時が多いです。

春先、沿岸でヒラメを狙っている船があるのですが、そのエサとなるイワシが沖に移動すると、「そろそろキハダシーズンが始まるかな?」という感じです。 ちなみにシーズン初めは大きいトビウオが多く、水温が高くなってくると小さいトビウオが多くなってきます。

▲出船の半分は乗合船。仕立でも、大人数での乗船になることが多い。ローテーションがあるため、チャンスは少ない。だからこそ、ルアーセレクトの見極めなどが大切。

ハイプレッシャー化のキハダを獲るための心得

船数は、年々多くなっている気がします。その中で釣果を上げるというのは、簡単ではないです。フレッシュな群れに出会うことが一番であり、どのエリアに船を流すか? 船長の判断とともに、自身の知っている情報があれば、それを共有してヤマを張るということも時には必要です。

そしてそういったキハダ探しも面白さです。去年、多くの船が沖の遠いエリアに行ったのに、岸から比較的近いエリアに船を流していた船が当てたということもありました。

またプレッシャーの高さから、一日乗船して、これは喰うだろうというのが、ワンチャンスあるかないか? という日が多いです。

私の場合、乗船の半分は乗合船。乗合船では、船上でのローテーションもあるため、自分がミヨシで投げられる、そのタイミングで良い群れに当たるか? となると、かなりチャンスは限られてきます。

その少ないチャンスの中で、より確実にヒットへと持ち込むためには、ミスはできないということです。キャスト時にトラブル、キャスト位置のミス、フッキングのタイミング、ファイト、その時のキハダにしっかりと対応するプラグセレクトなど、ミスを無くさなくてはならないのです。

それこそ昔は、まだ船が少なく、一日のうちにチャンスが多かった。私が乗合船で40㎏オーバーを自分は釣り上げ時のことですが、その日は船中で7~8本ランディングされました。何回もチャンスがあったため、ローテーションをしていても、皆にミヨシでのチャンスタイムが訪れる状況です。船の周り一面、キハダの群れとなり、大人数でヒットという時もありました。だが近年、そのような状況は少ない。魚の多い少ないということではなく、プレッシャーの高さによるものだと思います。

相模湾への回遊のパターンは、黒潮の分流の入り方次第です。西から入ってくる群れもいれば、東から入ってくる群れもいます。そのため、海況予想図などを見て、分流の入り方を確認しつつ、釣行日を決めるというのもフレッシュな群れに会うためのひとつの方法です。潮の状況、各船の釣果情報とその様子など、常に意識することも釣果への近道です。チャンスの日がいつくるかわからないため、毎週のようにチャーター予約をしている人もいるほどです。

ちなみに近年、サイズは上がってきているように感じます。ただ、昔よりは良いサイズがヒットしても獲れる道具になっていることもあるでしょう。昔は大型に対応するためにPE8号タックルも準備しましたが、近年は5号をメインに大型対応は6号、シビアな状況で仕立船では4号、3号まで落としたこともあります。最後に、初心者へのアドバイスとして、キハダを掛けたのに、すぐにロッドエンドを腹に当てようとしてバラしてしまう人が多いです。

▲ラインは5号がメイン、大型用に6号も用意するのがいつものパターン。

ヒット後はロッドエンドを脇に挟んだまま、重さが伝わったら合わせをしっかり入れ、そしてその後ファーストランが止まるまではロッドエンドは脇に挟んだままにすることが大切です。その引きに慌ててロッドエンドをお腹に当てないこと。そしてファイトしやすい位置に移動してから、ロッドエンドを腹に当ててポンピングで巻き上げてください。

さらにファイト位置は、船長の指示に従い、必要ならば移動。さらに船近くまで上がってきたら、脇挟みに戻し、キハダの動きに合わせて少しずつ寄せます。船底方面へキハダが回ってしまったら、ロッドをより倒して対処することも必要です。

まずは、幾度となくチャレンジし、キハダとの遭遇に慣れ、そして一匹を手にしてほしいと思います。キハダのナブラに会った時、最初はキャスティングするのに緊張するはずです。しかし、その光景に慣れれば、冷静にキャストできるようになり、さらに釣ればその後は余裕が出てきますよ。

▲相模湾は例年、10月中旬ごろまでシーズンが続く。
▲ヒット後は慌てず、脇挟みのまま、走りが止まるまで走らせる。そのためにもしっかりとドラグを設定しておく。止まってから腹に当ててファイト。ファイトする場所は、船長の指示に従いたい。

TACKLE

ロッド:ブラックヘラクレスBkh815PGS、Bkh836LMG
リール:シマノ・ステラ14000XG
ライン:バリバス・SMP5 号、6号
リーダー:バリバス・オーシャンレコード120~150lb
※ルアーとの接続はオーシャンスナップ

▲使用ルアー。フローティング:ボラドール170F、190F、ナブラン150F、オシア・バブルディップ180F。シンキング:アトゥーラヘビー120、ボラドール110~150LS&LD、コチュウバ125。

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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