ジギングで狙うブリ&ワラサ 茨城県鹿島・波崎沖を栗山佳尚が解説! |Part 2
SALT WORLD 編集部
- 2021年12月20日
北からの親潮と南からの黒潮がぶつかる海域であり、それにより豊かな海域を形成している、鹿島、波崎の南茨城エリア。ワラサ、ブリが狙える、人気のジギングエリアだ。
そこで、この地をホームグランドにし、鹿島にて過去に船長の経験もある栗山佳尚さんに、この海域のシーズンごとの魚の動きとその攻略法をまとめてもらった。全4回で紹介する。Part 2では、4月上旬から中旬にかけての春シーズンを解説。
【春:4月上旬から中旬】
4月上旬、水温が15~6度ぐらいになると、ワラサ(3~7kg)の回遊がある。回遊はやや水深のある沖合のポイントで、50~80m。南下していくと思われる群れを狙う。
回遊時の魚群のスピードは速く、船で追いかけた経験でいうと17ノットを超えたこともある。このスピードは海上ではかなり速い。群れの規模も広大で、イワシを追って南下してくると思う。その回遊の兆しとして魚探にオキアミの反応らしきノイズ的なものが映り、その中に感度の高い(赤く映る)反応がポツリと出る。それを攻めるとワラサが釣れる。これが近年の春の回遊パターンだ。
時期的に、鹿島海域で「ヤリイカ」が代表的な釣り物であり、ヤリイカの「数は出ないが大型が多くなってきた」というような釣果報告が確認されると、ワラサの回遊も近い。目安とするとよいだろう。
さてその群れの狙い方だが、鳥山を従え南下してくる群れを船で先回りしてジグを落とすこととなる。船下を通過する群れにバーチカルにアプローチする訳だが、この攻め方がこの海域の船宿が得意とするパターンである。このことを覚えておくと、季節を問わず釣行時のアドバンテージになるだろう。
バイトしてくるタイミングは、ジグが沈んでいくフォーリング中と、ジギングの基本である着底からの巻き上げ中だ。水深も深くワラサの引きは強くよく走るので、5kgを超えるサイズを一本でもキャッチできれば、充分にジギングの醍醐味を味わえるはずだ。
ちなみにポイントの海底は砂利場がメインで、水深もあるので根ズレの心配は少ない。ドラグ設定をしっかりと行なっていれば、5kgクラスならPE1・5から2号でも充分に対応できる。近年のPEラインは2号以下でも強く、ドラグをきっちり設定することで良型魚にも十分対応できるだろう。
▲写真上は起伏のある根のポイント、写真下は漁礁のポイント。反応に合わせて、そこにジグをしっかりと通すことが大切。船長の船の流し方、投入の合図のタイミングなども観察してジグの投入位置を決めて攻めることもある。
ちなみに船下にある魚群へのアプローチは、いかにジグを素早く投入し、しゃくり始められるかである。一匹ヒットすれば、ヒットは連鎖する。いかに群れの足を止め、ヒットを継続させることができるかが、釣果を伸ばすうえで大切。そこで素早く沈ませるために、タングステンの高比重タイプのジグや細身で120~150g程度のジグが主力となる。
細身のジグを勧める理由として、寒流域のベイトフィッシュの代表格であるコウナゴ(イカナゴの稚魚)の存在がある。この海域でもコウナゴがベイトである。着底後、素早く巻き上げ、海底からコウナゴが飛び出して逃げるようなイメージで、ジャークやシャクリよりも、巻きを重視して誘う。
▲定番のベイトフィッシュであるコウナゴベイトを意識した栗山氏の誘い。まず船長の合図で素早くジグを投入し、サミングして沈めていく。これはフォーリングでアタってくることもあるからだ。そして着底後は、素早くリーリングを開始。速いリーリングでジグを泳がせ、時折ストップを入れて捕食のタイミングを作ってやる。この動きに、ドスンとヒットしてくることが多い。
ではその巻きだが、それは着底後とにかく早くリールハンドルを巻いて糸を張り、ジグをスピーディーに動かし潮に絡ませるというもの。そして時折ストップを入れて食わせのタイミングを作ってやるのだ。加えてジグの投入のタイミングも大切である。ピタリと船を止めてから「合図」をしてくれる船長ばかりではないので、乗船した船の船長のパターンに合わせて素早く投入することが重要となる。船長との呼吸も釣果を大きく左右することを忘れないようにしたい。
【この記事は2019年10月現在の情報です】
ジギングで狙うブリ&ワラサ茨城県鹿島・波崎沖を栗山佳尚が解説! |Part 1はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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