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東京湾のクロダイ&キビレゲーム~15年の時を経て多様なゲームフィッシングが結実!~【前編】

ソルトワールドが初めて東京湾のクロダイゲームを取材してから15年、最も有効なアプローチとしてストラクチャー周りの落とし込みはすっかり定着したが、近年はトップウォーターやクランクベイトによるアップテンポの釣りも急速に開拓されている。その経緯について、徳永兼三さんに解説してもらおう。

東京湾クロダイゲーム進化の推移

私が東京湾のクロダイをルアーで狙おうと試みてから、すでに16~17年以上の月日が流れています。最初にソルトワールド誌で落とし込みの取材を行い、誌面にこの釣りを掲載させていただいたのは2005年のことです。

もちろんそれ以前から、シーバスゲームの合間にイワシなどが接岸した折にミノープラグなどで釣れることはありましたが、狙って釣ったというよりは「釣れてしまった」感が強く、フロック的なものでした。

さらにクロダイに加えてここ数年はキビレの個体数が圧倒的に増え、それぞれを釣り分けることによって、多様なゲームフィッシングの世界が東京湾で展開できるようになってきました。ここではそんな東京湾の、新たなゲームフィッシングの可能性についてご紹介していきたいと思います。

東京湾のゲームフィッシュのなかで、シーバスは無秩序な漁獲圧によってその数を減らしています。しかし、クロダイ、キビレ、メバル、カサゴなどの根魚は増えてきています。原因としては、ゲームフィッシュとしてリリースすることが定着してきていることや、放流事業が行われていること、東京湾が人工の港湾であることが挙げられます。

最後の人工の港湾であることは、魚が増えた理由として不思議に思われる方もいらっしゃると思います。東京湾は外国船籍の接岸する埠頭が多数あり、テロ対策の国際条約・ソーラス条約に指定されています。そのため岸から侵入することもはもちろん、不要の船舶も岸壁30m以内に立ち入ることが禁止されています。したがって遊漁、漁業など魚をとる行為は一切行われていません。

また羽田空港のD滑走路はチタンコーティングの柱が2000本あり、多摩川河口に巨大な禁漁区を構築しています。東京湾に点在するこうした人工の禁漁区は、根魚の産卵場や稚魚のゆりかごとなっています。

そうしたなかで近年急速に数を増やしてきたのはキビレです。アイナメは東京湾ではめっきり見かけなくなり、代わりにカサゴが増え、そしてキビレが増えてきたのは海水温の上昇も影響しているのかもしれません。

▲ストラクチャーに着いて落下するカニやフナムシを待つクロダイには、ソフトルアーによる落とし込みスタイルが効果的。当初はスピニングタックルを使っていたが、ここ数年はベイトフィネスを取り入れてより緻密に攻めている。

クロダイ狙いはワームの落とし込みが主流

クロダイとキビレは似たような体形をしていますが、その生態は異なっています。東京湾では、クロダイは垂直な岸壁、バースの柱、テトラポッドなどの障害物周りに多くいます。こうした障害物に付着しているイガイやフジツボ、牡蠣、落ちてくるカニやフナムシを狙っているようです。

それに対してキビレは浅瀬を控えたブレークライン沿いで、小さな群れを作って回遊しながら甲殻類を捕食しているイメージです。浅瀬に隣接した障害物周りでは両者が交じって釣れますし、混生しているように思われます。普段の釣行の経験として、こうした傾向が感じられます。

そうした両者の性質の違いから、クロダイの釣り方としてはワームの落とし込みに分があります。クロダイは障害物から落ちて来る貝やカニなどを捕食するため、沈下スピードをこれらに合わせなければなりません。もともとクロダイの落とし込みの釣り方は、堤防からの岸釣りとして確立されています。

ワームを使用する場合、ジグヘッドの『がまかつラウンド211』(サイズは1/16~1/11OZ)、または『がまかつWORM318ワッキーブラック』のシャンクにガン玉の5B~7Bを打ったものを使っています。どちらも元々はチヌ針で、クロダイ用のフックをバス用にチューニングしてあるため、ワームの落とし込みに使用するには完璧です。

ワームはマルキューの『パワークラブ』を多用しています。これも元々岸壁のクロダイ落とし込み用に開発されたものですから非常に良く釣れますし、生分解性ですので環境への負荷を考えてお勧めしています。 最初にボートからの落とし込みを始めたころは、スピニングタックルを使用していました。軽いリグを使用することを考えると、これは最も理にかなっています。ラインでアタリを取るので、メインラインは視認性の高いPEライン1号、リーダーはフロロの3号を約1m付けて使用します。

スピニングタックルによるピッチングは私の最も得意とする釣り方の一つで、かつてアメリカのバストーナメント・USオープンで6位、15位入賞を果たしたのもこの釣り方です。しかし、バスフィッシングでもシーバスフィッシングでも、スピニングタックルを使ったピッチングの釣りは一部のプロを除けば一般的ではありません。

いまほど魚が多くなる前はガイドの際にこの釣りが初めてのお客様にもやっていただきましたが、ストレスなく釣りができるようになるには2~3回、クロダイが釣れるまでには4~5回通っていただくこともありました。

なぜなら、落ちてくる貝やカニを狙っているクロダイを釣るためには、障害物周り25㎝以内にルアーを送り込んでやらなくてはなりません。かつ、貝やカニが落ちて来るような、ソフトなプレゼンテーションが要求されるからです。シーバスを釣るときのようなキャストでは、水面に見えているクロダイは水鳥のダイブ音と勘違いするのか一瞬で見えなくなってしまいます。

ここ3年ほどは、ベイトフィネスによるクロダイのワーム落とし込みを導入しています。初期のベイトフィネスリールは海水対応になっていなかったり、PEラインの使用に耐えなかったりと、ソルトのクロダイゲームには使えないものがありました。

しかし現在は、各社海水対応のものが出揃っています。もともとバスフィッシングでベイトタックルに親しんでいた釣り人にとっては、ベイトフィネスタックルを使用するクロダイの落とし込み釣りは、スピニングタックルを使用するよりも違和感がありません。

実際ベイトでのピッチングゲームに慣れ親しんだ方は、30分もするとキャスティングが決まるようになり、魚が増えたこともありますが、その日のうちに5枚、10枚と釣っていただいています。

この釣りがテクニック的に向上したこと、そして何よりもクロダイの数が圧倒的に増えたことにより、よく釣れるようになりました。4月に乗っ込みが始まってからは、慣れているお客様ならば4~5時間のガイドで50㎝アップの年無し(としなし)を含めて、一人10枚以上、船中では30~50枚の釣果がコンスタントに出ています。15年前を考えると夢のようです。

▲落とし込みでキャッチしたクロダイ。4月の乗っ込み以降は4~5時間のガイドで50㎝アップを含めて一人10枚以上の釣果がコンスタントに出ているという。
▲ポッパーを使った釣りも楽しい。当日は細かいドッグウォーキングを交えたポッピングで逃げ惑う小エビを演出。

東京湾のクロダイ&キビレゲーム~15年の時を経て多様なゲームフィッシングが結実!~【後編】はこちら>>>

東京湾のクロダイ&キビレゲーム~15年の時を経て多様なゲームフィッシングが結実!~【後編】

東京湾のクロダイ&キビレゲーム~15年の時を経て多様なゲームフィッシングが結実!~【後編】

2021年12月25日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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