
伊豆で強風のなか熱戦! 川口うららと北林力が勝利|ジャパンマウンテンバイクカップ2025

Bicycle Club編集部
- 2025年03月23日
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2025年3月22日、静岡県伊豆の国市で開催されたジャパンマウンテンバイクカップ(JAPAN MTB CUP)初日はXCC(クロスカントリー・ショートサーキット)が行われ、エリート男女をはじめ6カテゴリで熱戦が繰り広げられた。強風に見舞われる中、女子は川口うらら、男子は北林力が勝利。注目のUCIチーム監督・山本幸平氏のインタビューもお届けする。
レース初日、XCCで6カテゴリが競う
ジャパンマウンテンバイクカップ2025の初日となる3月22日、静岡県伊豆の国市にあるサイクルスポーツセンター内のMTBコースにて、XCC(クロスカントリー・ショートサーキット)が開催された。
全4レース・6カテゴリにわたる競技が、1周0.9kmのショートコースで実施。選手たちは鋭いコーナリングと短距離のインターバルでのスピード勝負を繰り広げ、ギャラリーを魅了した。
女子エリートは川口うららが逆転勝利
女子エリートでは、序盤から台湾のTSAI Yayuが先行していたが、それを追う川口うららが終始プレッシャーをかけ続ける展開に。8周回中6周目で川口がついに前に出ると、そこからリードを広げ、最終的に26秒差をつけて勝利を収めた。積極的な攻めとタイミングを見極めた追い抜きが光ったレースとなった。
男子エリートは北林力が混戦を制す
男子エリートはスタート直後に接触があり、2名の選手がレースから脱落。集団が分断される波乱の立ち上がりとなった。その中から北林力、スペインのRAMIREZ DE ARELLANO PASC、高橋翔、松本一成の4名が抜け出し、レースはこの4名による先頭争いに。
コース上のテクニカルセクションや激しい駆け引きを制し、最終的に北林がトップでフィニッシュした。
強風が選手を襲う難コンディション
この日は昨日の試走時から引き続き非常に強い風が吹いており、コース上でもそれが大きく影響した。特に「ロックセクション」では、風のない岩場から岩のトップに出た瞬間に突風に煽られ、ラインが大きく変わる場面も。選手たちは「2ラインのどちらを使うか悩んだ」と語っており、技術に加えて風を読む感覚も問われるレースとなった。
会場は家族でも楽しめるイベント空間に
競技に注目が集まる一方で、会場では一般来場者向けのアトラクションも充実していた。大道芸や、ストライダー(ペダルなし自転車)によるレースも開催。ストライダーレースはベロドロームの運営スタッフが主導し、トラックレースの雰囲気を活かした演出がなされた。親子連れにも好評で、イベントとしての完成度も高かった。
Asia Union TCS Racing Team監督・山本幸平氏に聞く
会場には、設立2年目を迎えたUCI登録チーム「Asia Union TCS Racing Team」の監督・山本幸平氏の姿もあった。レース後に今後のチーム方針や展開について話を聞いた。
「我々はアジア唯一のUCI登録マウンテンバイクチームとして、アジアを代表する存在を目指しています。短期的にはロサンゼルスオリンピックに選手を送り出すことが目標です」と山本氏。
チームには現在7名の選手が所属し、それぞれが世界レベル・アジアレベルと活動領域を持ち分けながらレースに挑んでいる。全員が常に同じ大会に出場するわけではなく、状況に応じてワールドカップやCJシリーズなどを選択していくという。
「去年はエリミネーターの全日本選手権も主催しました。今年もSNSを活用した発信やイベントの主催などを通じて、競技の魅力を広く伝えていく予定です」と、ナショナルジャージを目指す姿勢も明確であり、今後の選手たちの飛躍に注目が集まる。
今年開催されるデフリンピックもこの会場で行われる
2025年11月に日本で開催されるデフリンピックは1924年のパリ大会から今年で100周年を迎える。そのデフリンピック代表選手の早瀬 憲太郎氏がコメント。
「その記念すべき大会の自転車競技に日本代表内定選手が8名選ばれた。この8名で力を合わせてマウンテン2種目とロード4種目に出場し,メダルを目指していきます。皆様の熱い応援をどうぞよろしくお願いします。会場でぜひ私たちにエールを送ってください」。
3月23日はクロスカントリー本戦が開催
ジャパンマウンテンバイクカップ2025は翌日、XCO(クロスカントリー・オリンピック)が同会場で開催される。今回のXCCで見せたスピードと戦略が、XCOでどのように活かされるのか。トップ選手たちの連戦に要注目だ。
主催者 静岡県スポーツ・文化観光部スポーツ政策課 事業推進班長 渡邊俊介氏のコメント
「2022年から始まり、現在3回目を迎えるこの大会はレガシーのシンボリックな大会として位置づけられています。主催としては世界で活躍する選手達の参加を期待しており、地域振興の観点から地元の方達にマウンテンバイク魅力を伝えることも重要な目的としてあげられます。今後の展望としてこの大会を確実に定着させることを優先課題として特にアジアの選手達の参加を重視し、有名選手の招聘は課題であるもののアジアトップレベルの大会として地位確立を目指しています」
リザルト
XCC Men Youth 6lap
北津留 新羽(Q-MAX) 15:59.31
横山 拓生(高知CTC) 16:13.84 +14.53
田中 遼介(Sonic-Racing) 16:23.27 +23.96
XCC Women Youth 5lap
日吉 彩華(Asia Union TCS racing team) 14:49.97
藤森 美空(Dream Seeker Jr. Racing Team) 17:57.71 +3:07.74
XCC Men Junior 6lap
中仙道 侑毅(FUKAYA RACING) 14:22.31
松山 海司 (Sonic-Racing) 14:29.09 +6.78
野嵜 然新(RACING TORQUE) 15:20.24 +57.93 2
XCC Men Masters 6lap
岡本 紘幸(NESTO FACTORY RACING) 15:21.61
太田 好政(AX MTB team) 17:09.24 +1:47.63
荒川 大介(TEAM GRM) 17:36.52 +2:14.91
XCC(Class3) Women Elite 8lap
川口 うらら(Team TATSUNO)22:42.73
TSAI Yayu (TPE) (Chinese Taipei) 23:09.21 +26.48
SUKMA DEWI Sayu Bella (INA) (Asia Union TCS racing team) 23:31.13 +48.40
XCC(Class3) Men Elite 9lap
北林 力(Massi development team)20:52.47
RAMIREZ DE ARELLANO PASC (ESP) (SALTOKI-CONOR) 20:58.06 +5.59
高橋 翔(SPEED of sound) 21:13.17 +20.70 2
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