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新城幸也がチームメイトプロ初勝利に喜び!|ツアー・オブ・タイランド第4ステージ

3月27日(木)、タイで開催中のツアー・オブ・タイランド(UCIアジアツアー2.1)は第4ステージを迎えた。サケーオ県のワンナムイェンからパンシーダー国立公園までの121.7kmで行われたレースは、今大会初の本格的な登りフィニッシュ(4級山岳)となり、ゴールライン手前わずか数メートルで勝負が決まる劇的な展開となった。ロレンツォ・クアルトゥッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、イタリア)が土壇場で先行する選手を差し切り、嬉しいプロ初勝利を達成。開幕から3連勝と圧倒的な強さを見せてきたリーニン・スターの独走を止めた。

初の登りフィニッシュへ アタック合戦続く序盤

6日間の日程で行われるツアー・オブ・タイランドも後半戦へ突入。第4ステージは、サケーオ県のワンナムイェンをスタートし、パンシーダー国立公園にフィニッシュする121.7km。距離は短めながら、フィニッシュ地点にはカテゴリー4の山岳ポイントが設定されており、登坂力が試される。

この日はローリングスタートなしで号砲が鳴ると、前日までのステージ同様、序盤から激しいアタック合戦が勃発。特にLXサイクリングやKSPOプロフェッショナルといった韓国勢が積極的に動き、集団からの抜け出しを図るが、総合リーダージャージを擁するリーニン・スターが集団をコントロールし、決定的な逃げの形成を許さない。

6名の逃げ形成、ジャムチャートがボーナスタイム獲得

レースが動いたのはスタートしてから30km手前。ケイン・リチャーズ(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア)、サイラス・モンク(FNIX・SCOM・ハンシャン、オーストラリア)、ロイ・エーフティング(FNIX・SCOM・ハンシャン、オランダ)、ナッタポン・ジャムチャート(タイランドコンチネンタル、タイ)、トーマス・セクストン(セントジョージコンチネンタル、ニュージーランド)、そしてジョシュ・ケンチ(リーニン・スター、ニュージーランド)の6名がアタック。この動きをメイン集団は容認し、先行を開始する。

その後、総合5位につけるセクストンと、リーダチームのケンチは集団に戻ったものの、残った4名は協調してペースを上げ、メイン集団とのタイム差を一時2分近くまで広げることに成功した。

59.6km地点に設定された最初の中間スプリントポイントは、アセアンライダー賞ジャージ奪還を狙うジャムチャートが先頭で通過し、ボーナスタイム3秒を獲得。続く78.1km地点の第2中間スプリントポイントもジャムチャートが先着し、さらに3秒のボーナスタイムを重ね、目標達成へ望みをつないだ。

メイン集団はリーニン・スターが引き続きコントロール。途中、踏切で集団が足止めされるアクシデントが発生し、逃げとのタイム差が一時開いたが、レースコミッセールによりタイムギャップは調整され、レースは公平性を保ったまま続行された。

終盤の追走と劇的な登りフィニッシュ

最終的に逃げグループは、リチャーズとモンクの2名となる。メイン集団では、リーニン・スターに加え、ステージ優勝を狙うソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、チャイナグローリー・メンテックなども追走に加わり、終盤に向けてペースを上げていく。

残り10km地点で逃げとのタイム差は20秒を切り、残り5km付近で、粘り強く逃げ続けていた2名を吸収。勝負はフィニッシュの4級山岳(登坂距離約1.2km、平均勾配約4.3%)でのヒルクライムスプリントに持ち込まれた。

登りに入ると、各チームがエースを勝たせるために激しい位置取り争いを開始。ルージャイ・インシュランスは登れるスプリンターのディラン・ホプキンス(オーストラリア)を、地元タイナショナルチームはエースのサラウット・シリロンナチャイをそれぞれ好位置に送り込む。

残り500m、FNIX・SCOM・ハンシャン勢がアタックを開始すると、シリロンナチャイが鋭く反応。そこへホプキンスがカウンターアタックを仕掛け、一気に加速。残り200mでシリロンナチャイを引き離し、単独先頭に躍り出る。ホプキンスが勝利を確実にしたかに見えた。

しかし、ホプキンスの後方から、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニのロレンツォ・クアルトゥッチ(イタリア)が驚異的な追い上げを見せる。ゴールラインが迫る中、猛然とスパートしたクアルトゥッチは、フィニッシュライン手前わずか数メートルで、力尽きかけたホプキンスを捉えパス、劇的な逆転でのステージ優勝が決まった。

2位にはホプキンス、3位にはニキータ・ツヴェトコフ (ウズベキスタンナショナルチーム)が入った。健闘を見せたシリロンナチャイは4位でフィニッシュした。

クアルトゥッチ、念願のプロ初勝利「作戦通りだった」

Photo:Miwa Arashiro

ステージ優勝を果たしたクアルトゥッチはイタリア出身の25歳。2022年に現チーム(当時はコラテック・セライタリア)でプロデビューし、パンチャーとして活躍。今シーズンはツアー・オブ・シャールジャ総合4位、ツール・ド・台湾総合5位と上位に入る走りを見せていたが、UCIレースでの勝利はこれが初めてとなった。

レース後、クアルトゥッチは「チームと家族、ファンのために勝てて嬉しい。自身初のプロ勝利だ。終盤勝負というチームの作戦通りだった」と、喜びの言葉を述べた。

各賞ジャージ変動、新城幸也も総合4位に

このステージの結果、個人総合首位のイエロージャージはシモン・ペロー(リーニン・スター、スイス)が守ったものの、2位サルビーとの差は2秒、そしてステージ優勝でボーナスタイム10秒を獲得したクアルトゥッチが4秒差の3位に浮上。総合3位につけていた新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)も同タイムの4位となり、総合争いは僅差で終盤戦を迎えることになった。

ポイント賞のグリーンジャージは、ステージ9位に入ったトム・セクストン(セントジョージコンチネンタル、ニュージーランド)が、アレクサンダー・サルビー(リーニン・スター、デンマーク)から奪取した。

アセアンライダー賞のパープルジャージは、ステージ4位と健闘したサラウット・シリロンナチャイ(タイナショナルチーム)が、ワン・アブドゥル・ラーマン・ハムダン(トレンガヌサイクリング、マレーシア)から奪取。

この日の敢闘賞は、ステージの大半を逃げグループで過ごし、レースを盛り上げたケイン・リチャーズ(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア)に贈られた。

また、チーム総合成績では、クアルトゥッチと新城、そしてアルノー・ティシエール(スイス)がステージトップ10に入ったソリューションテック・ヴィーニファンティーニがリーニン・スターを逆転し、首位に立った。

新城幸也「ロレンツォの初勝利を手助けできて良かった」

Photo:Miwa Arashiro

チームメイトの劇的なプロ初勝利に貢献した新城幸也は、レース後に喜びのコメントを寄せた。

「ロレンツォが念願のステージ優勝することが出来た! 今日のステージでは残念ながらアレッサンドロ(イアッキ)とフィリッポ(フォルティン)が落車の影響で走れなかったが、残った3人(新城、クアルトゥッチ、ティシエール)で最高の走りが出来たと思う。ロレンツォは登り基調のフィニッシュが得意というので、今日は集団ゴールスプリントだけをチームとして狙っていた。」

「序盤に厄介な逃げが出来てしまい、チームとしては追いかけなければならない状況だったが、僕の判断で逃げを追いかける手伝いはしなかった。リーダーチーム(リーニン・スター)としてもあまり良くない状況だと思ったから。(中盤の踏切でのストップで)タイム差が広がってしまったので、フィニッシュも近いこともあり、アルノーに逃げとのタイム差を1分以内になるまで集団牽引に参加してもらい、フィニッシュに備えた。」

「最後の3kmは僕の出番でロレンツォを連れて位置取りをした。残り500m手前でロレンツォが僕を抜いて行ったので、後は僕はタイム差を取られないように集団ゴールすべくフィニッシュラインまで全力を尽くした。優勝する姿は見えなかったが、無線でロレンツォが叫んでいたので、勝ったんだと分かった。」

「台湾からずっと目標だったステージ優勝をやっと達成。ロレンツォ自身も初のプロ勝利だったので、手助け出来て良かった。彼はこれをきっかけにして、もっと勝利を重ねられそうだ。まだ、レースは終わっていない。後2ステージまた平坦な日が続くので、総合順位を落とさないように気を付けなければならない。今夜は初勝利に乾杯して、明日もまた気を引き締めて頑張ります。」

第5ステージは再び集団スプリントへ

翌日の第5ステージは、サケーオを発着するの136.2km。コースは再び平坦基調となり、集団スプリントでの決着が濃厚と見られている。ステージ3連勝を逃したリーニン・スターとアレクサンダー・サルビーが雪辱を果たすのか、それとも他のスプリンターが勝利を掴むのか。総合争いも僅差となっているだけに、ボーナスタイムや集団分裂にも注意が必要となる。

第4ステージ リザルト

1位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、イタリア) 2h32m19s
2位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア)
3位 ニキータ・ツヴェトコフ (ウズベキスタンナショナルチーム) +02s
4位 サラウット・シリロンナチャイ(タイナショナルチーム)
5位 エフゲニー・ギディッチ(チャイナグローリー・メンテック、カザフスタン)
6位 アドネ・ファンエンヘレン(トレンガヌサイクリング、オランダ)
7位 アナトリー・ブディアク(トレンガヌサイクリング、ウクライナ)
8位 アルノー・ティシエール(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、スイス)
9位 トム・セクストン(セントジョージコンチネンタル、ニュージーランド)
10位 テグシバヤル・バトサイハン(ルイージャイ・インシュランス、モンゴル)

個人総合成績(第4ステージ終了時点)

1位 シモン・ペロー(リーニン・スター、スイス) 11h19m29s
2位 アレクサンダー・サルビー(リーニン・スター、デンマーク) +02s
3位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、イタリア) +04s
4位 新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
5位 トム・セクストン(セントジョージコンチネンタル、ニュージーランド) +16s
6位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュランス) +17s
7位 ニキータ・ツヴェトコフ (ウズベキスタンナショナルチーム) +21s
8位 エフゲニー・ギディッチ(チャイナグローリー・メンテック、カザフスタン) +22s
9位 クリスティアン・ライレアヌ(リーニン・スター、ルーマニア)
10位 マーリス・ボグダノヴィチス(FNIX・SCOM・ハンシャン、ラトビア)

各賞リーダージャージ

ポイント賞:トム・セクストン(セントジョージコンチネンタル、ニュージーランド)
ベストアセアンライダー賞:サラウット・シリロンナチャイ(タイナショナルチーム)

第4ステージ敢闘賞

ケイン・リチャーズ(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア)

チーム総合成績首位

ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ

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せいちゃん

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稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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