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伊豆のタフな道をノスタルジーな自転車が走ったエロイカジャパン2025

2025年4月12日・13日、静岡県伊豆の国市で「エロイカジャパン2025」が開催された。エロイカジャパンは、国内最大のヴィンテージ自転車の祭典。日本における「エロイカ」シリーズとしては第11回目の開催となる今回は、10周年の節目を経てさらに洗練された内容で、国内外のサイクリストとビンテージバイクファンたちを魅了した。

「エロイカ」とは何か?——ルーツと理念

エロイカ(L’Eroica)は、1997年にイタリア・ガイオーレ・イン・キアンティで始まったヴィンテージ自転車の祭典。「疲労の美しさ、征服のスリル」を合言葉に、スチールフレームのバイクで未舗装路「ストラーデ・ビアンケ(白い道)」を走るというシンプルだが情熱的なイベントだ。

レースではなく旅、タイムではなく体験を重んじるその精神は、世界各地に共鳴を広げ、世界的ブームとなっている。

エロイカジャパンはどんな年代の自転車でも参加可能。国籍も不問。Wシフターなど1987年以前に開発されたメカを使っていれば良い。国産のフレームでももちろん参加可能だ。

日本版「エロイカジャパン」は2014年に始まり、当初は山梨県で開催されていたが、2023年から伊豆に舞台を移した。以来、伊豆半島の豊かな自然、山岳地帯、温泉文化と融合し、唯一無二のビンテージライドイベントとして定着している。

伊豆の国市の魅力

会場となったのは伊豆の国市にある「エロイカビレッジ」。伊豆長岡温泉のいずなかビレッジを中心に展開され、富士山を望む雄大な景観、歴史ある街並み、美味なる地元グルメが来訪者を迎える。

温泉旅館やゲストハウスが点在するこの地域では、参加者たちがゆっくりと身体を癒すことができる。大会後は温泉に浸かりながらライドの疲れをいやしつつ、自転車談義を楽しむというのも、また「エロイカジャパン」の魅力の一部だ。

ビンテージでない人も、多彩なサイクリストが紡ぐ記憶 MAPEI フレンドライド

初日の12日には、MAPEIプレゼンツのフレンドライドが開催。80kmと30kmのコースには、ビンテージ自転車のみならず、最新のカーボンロードバイクや小径車など多彩なバイクが参加。伊豆の絶景ライドを楽しんだ。この日は、快晴でサイクリングには絶好の天気。

バイシクルクラブ編集部ニシヤマは、フレンドライドの80㎞コースに参加

エロイカジャパンでは、ショートコースの部類に入るにしても、距離約80km、獲得標高1700m超。絶景の伊豆スカイラインへの道は、けっこう険しい上り坂が続く。また風早峠を越えても上り返しがキツく、なかなかタフな山岳コースは、エロイカならでは。

当時モノのバイシクルクラブジャージの橋本さんと三連勝

急なダウンヒルから無事下山して、らららサンビーチでランチ。山と海と富士山の織りなす伊豆の魅力が詰まったライド。このコースは、何度来ても飽きることがない。

午後3時前にようやくゴールするニシヤマ。80㎞だからと正直ナメていた。けっこうクタクタ

初日はパレードランも開催

午後4時から県伊豆の国市の狩野川神島公園内「川の駅 伊豆城山」にて、MAPEIパレードが行われた。ハンドサイクルのパラサイクリストたちを先頭に、明日の本番ライドに向けて集まったビンテージライダーたち、そのほか地元のサイクリストなども参加。パラサイクリストたちはMAPEI30にも参加した。

参加者たちは、MAPEIと、大成ロテック、土屋建設、生コンポータルが共同開発したCO₂吸収型の白い道「ストラーデ・ビアンケ」を走行。環境への配慮とサイクリング文化の融合を体感した。

前夜祭パーティー、チャオイタリア

伊豆パノラマパーク内「トラットリア 伊豆パラディーゾ」では、エロイカジャパンの前夜祭ディナー「チャオイタリア」が開催された。

伊豆の旬の食材を活かした本格イタリア料理が提供され、参加者はサイクリストで音楽家の葵めぐみによる「エロイカジャパン・アンサンブル」の演奏を楽んだ。

また、パーティーではビンテージ自転車コンテスト「コンコルソ・デレガンツァ」の優勝発表&表彰式も。ベストオブベストに輝いたのは、1935年製造のイギリス車サンビームだった。

13日は、アジア最大のエロイカビンテージライド!

翌日は、いよいよEROICA JAPAN RIDE – アジア最大のヴィンテージバイクライド。30kmのSAKURA 30から、180㎞のSAMURAI 180まで多彩なコースが予定されていたが、あいにくの雨。大会側は、安全面を優先して、180、140㎞のコース走行は行わず、30及び80㎞コースのみの開催となった。よってすべてのライダーは、30もしくは80㎞コースを走ることになった、午前10時半に一斉にスタート!

雨でもタフなエロイカたち
ドイツから来た女性ライダー。なんとこのシティバイクで風早峠を上っていった。しかも速い!
この日いちばん古かった1920年代のプジョー
雨でも山桜の美しい峠道
伊豆スカイライン。体感温度はかなり低い
峠から下りてきて、ボランティアスタッフの笑顔に癒される。100人を超えるボランティアに支えらえている今大会、彼らもまたエロイカたちだ
FUJI 80のランチ、ココチホテル沼津にあるレストラン「ラパン アジル」の絶品フレンチ弁当
夕方になり、ゴールに戻ってきたエロイカたちの雄姿
この日のために来日したエロイカ創始者、ジャンカルロ・ブロッチ氏と完走メダルを噛む
完走の達成感を共有しつつ舞台でポーズ
そしてこの日最後にゴールしたグループ。過酷なコンディションの中、本当にお疲れ様でした!

来年も熱いエロイカに期待!

エロイカジャパンは単なるライドイベントではなく、「時代を超える体験」を提供する文化の祭典だ。ビンテージ自転車というプリミティブな乗り物を通じて、美しい日本の情景で、人と人が、世代と世代がつながる場。そこには、他では味わえない感動がある。

大会を支えたメインスタッフたち、お疲れ様でした。来年も乞うご期待!

2026年もまた伊豆の地で開催が予定されている。来春、あなたもエロイカのパッションを感じに来てはいかがだろうか。

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PROFILE

ニシヤマ

Bicycle Club / 副編集長

ニシヤマ

自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

ニシヤマの記事一覧

自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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