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自転車フィッティングチェック

自分をリセットして一からやろう

ヨーロッパプロとして活躍した今中大介さんに、当時のシーズンオフのことを聞くと、表情が緩んだ。「オフはまず、何もせずに休んでた。というか、何もする気が起こらなかったなぁ……(笑)」

 

プロ選手は10月半ばのシーズン終了から1ヶ月は完全休養する。そして11月中には乗り始める。そのときのポジションはシーズン終わりのままで。調整、すなわちフィッティングは、チームから新しいバイクが渡される12月から取り組む。ちなみに日本ならシーズンインが遅いから1月からでも十分間に合うという。

 

プロ選手は、終わったシーズンを振り返り、つぎのシーズンに自分が目指す走りをイメージし、シーズンオフにポジションを改造する。得意なところ伸ばして、苦手なパートをうまくこなせるように。しかし、このポジションについては、トレンドに左右されることもあったらしい。強い選手がステムを伸ばしたら、ほかの選手もそれに習ってステムを伸ばすといった具合だ。

 

それはともかくとして、フィッティングとそのポジションにはセオリーがある。やりかたは、これから紹介するとおりだが、『すでに自分なりにポジションを出しているから関係ない』という人も多いだろう。しかし今中さんは「微調整をしていくうちに、ワケがわからなくなることもある。そんなときは思いきって、ポジションをチャラにしてみては?」という。室内で、トレーナーを使い、トレーニングも兼ねて、ポジションをリセットし、一からじっくり煮詰めていくこの時期、とても大切なのだ。

 

講師紹介
今中大介(いまなか だいすけ)
1996年のツール・ド・フランス出場など、ヨーロッパ・プロ選手として活躍ののちインターマックスを設立。レース解説などでもおなじみ。BiCYCLE CLUB連載「トレーニング講座」で、ビッキー松田を粘り強く指導する。
インターマックス TEL.055-252-7333 http://www.intermax.co.jp/

フィッティングは「トライアングル循環式」で3回転してみよう!

こっちをイジればあっちが動く。で、あっちをイジれば……プロは「動かそう!」と思ってもイッキにやらない。たとえばサドル、クリートは動かすとしても最大2mmで、かつそのポジションで10日は乗るのである。ということはサドルを5mm上げたいのなら、2mm上げたところで10日乗り、さらに2mm上げたところで10日乗り、最後に1mm上げる。5mm上げるまで20日、そのポジションをモノにするまで1ヶ月かかることになるのだ!

 

なお、ステムの突き出し、ハンドルの高さは、シビアなセッティングは要求されないので、大きく動かしてもかまわないが、常識的には1cm単位で動かした方が無難だろう。サドルはコースに応じて高さや前後位置を変えることもあるが、今中さんはシーズン中はあまり変えず、調整はシーズンオフにやったという。

便利計測グッズとフィッティングシートでポジションチェックは楽しくやろう!

「正確に寸法を出す」これを怠ると、フィッティングをしている意味はない。とはいえ、けっこうメンドクサイもの。そこで「7つ道具」を駆使し、トレーナーでバイクを立てて、手際よくやろう。2人でやれば、さらに効率がUP!またバイクの水平を保つため、前輪の高さを調整するための本があるとなおよし。さあ、さっそくスタートだ!フィッティングの「七つ道具」を揃えよう!

 

1 これがなけりゃ始まらない「メジャー」
2 サドルの前後を決めるために「重りをつけた糸」
3 あたりまえだけど「アーレンキー」1本ずつバラのほうが使いやすい
4 あったほうがいい「水平器」ホームセンターなどにある
5 「トレーナー」で走っている状態を再現
6 ひとりでセッティングするときは「鏡」を
7 ひと通りセッティングが終わったら測って「紙」に数値で記録しておこう

ポジションは記録してこそ意味がある!

だた漫然とポジションはいじってませんか?バイシクルクラブでは今中さん監修の「オリジナルフィッティングシート」を作りました。ダウンロードして、測って記録しておこう!目盛り付きのピラーやサドルもあるが、基本はBBを基準にポジションを数値で記録。とくに調子がよかったときの数値はのちのち必ず役に立つのだ。

 

→チェックシート (PDF) を見る

こちらも参考になります!

その自転車、あなたにぴったり合っていますか?自転車のエンジンはあなたの体。あなたが窮屈だと、ベストパフォーマンスは発揮できません。自転車をしっかりフィットさせて楽しい自転車ライフを始めませんか?

 

→チェックシート (PDF) を見る

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