TIME・ALPE D’HUEZ SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】

タイム・アルプデュエズ シリーズ

COMPARISON
新旧モデル徹底比較
より山岳仕様へとシフトしてデビューしたアルティテュードモデル

タイムのアルティテュードモデルとして誕生したアイゾン。その後継モデルとなるアルプデュエズ。
両者を比較しながら、その進化の歴史をたどってみる。

2015〜2017シーズンまでタイムのアルティテュードモデルを担ってきたのがアイゾン。アルプデュエズは、現在タイムが持ちうる技術の結晶であり、今後数年山岳向きの軽量モデルとしてリードしてく存在になるだろう

4年前、タイムにとって2015モデルは、アクティブフォークの誕生やラインナップ一新によるターニングイヤーとなった。長年看板モデルとして活躍してきたZXRSに代わり、エアロ性能を追求したオールランダーとして「スカイロン」がフラッグシップの地位に付いた。
それと同時に誕生したアルティチュード(山岳軽量オールラウンダー)モデルが「アイゾン」だった。タイムらしいエッジの効いたフレームワークを特徴とし、フレーム重量920gは当時のラインナップ最軽量。
あれから3年がたちアイゾンに代わって登場したモデルこそ「アルプデュエズ」だ。クライミングモデルとして、重量剛性比をアイゾン比で25%もアップさせ、フレーム重量を80gカットを実現し840gへ。
また、ヘッド上部のコラムを埋め込ませるセミインテグレーテッド形状へと刷新し、ハンドル位置を9mm下げたレーシングジオメトリーを採用。さらに、リア三角をコンパクト設計にし、登坂での反応性を向上。一方で、RTM工法や左右非対称チェーンステー、リア三角をラグでつなぐフレーム成型術はタイムならではだ。
次世代軽量オールラウンダーとして誕生したアルプデュエズ01。2019モデルではディスクブレーキ仕様も登場し、ラインナップを充実させている。

SECOND GRADE IMPRESSION
峠を制するアルプデュエズの弟モデル

IMPRESSION

名峠のカーブ数21を冠する新生タイムのクライミングマシン

フラッグシップのDNAを継ぐ本格派ミドルレーシングモデル「アルプデュエズ21」をインプレッション。
カスタムカラーオーダーに対応するなど性能面以外の魅力も見逃せない。

基本的な設計思想は、旗艦モデルのアルプデュエズ01と同様だ。独自のRTM製法に加えて、軽量化を追求するためカーボンブレイド1枚あたりのサイズを広げつつ枚数を厳選することで、高剛性と軽量化を両立している。
今回のインプレッションで楽しみにしていたのは、旗艦モデルの01はもちろんだが、この21であった。期待しつつ走り出すと、じつに軽やかなペダリングから伸びを感じることができた。入力に対して、ネガティブな硬さを感じることなく、アマチュアサイクリストにマッチする剛性感を実現している。01の剛性レベルとはよい意味で住み分けがされている印象だ。実際、21では高弾性カーボンの採用比率を下げている。また、衝撃吸収素材のバサルト繊維を編み込んでいる点も21ならではだ。
それでいて、フレーム重量は930gとアイゾン+10gに抑え、軽量山岳フレームとしての機敏な運動性能を発揮する。ダンシング時のクラシックフォークのリズムの取りやすさも、クセがなく山岳向きといえそうだ。
そして、多彩なカラーバリエーションを選べるカスタムカラーオーダーシステム(5万円のアップチャージ)は愛着を生み、長く乗り続ける付加価値を与えてくれるだろう。

INFO
タイム・アルプデュエズ トゥエンティワン

■29万8000円〜41万円(フレームセット/税抜)
38万円〜50万円(完成車/税抜)
■フレーム:フルカーボン RTM アルプデュエズ トゥエンティワン
■フォーク:カーボンRTM Alpe d’ Huez 21
■フォークタイプ:アクティブ/クラシック
■付属:シートポスト、クイックセットヘッドセット
■サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
■フレーム単体重量:930g(Sサイズ)
■スタンダードカラー:ホワイトアンスラサイト、レッドブラック

 

相性のよいBB386を採用し、タイヤクリアランスは28Cまで対応する

右 /ストレート形状のクラシックフォーク(写真)に加えて、アクティブフォークもラインナップ。剛性と軽さの融合が機敏な運動性能を引き出す

左 /シートチューブと斜めに交差する設計で、シートクランプはセミインテグレートされた美しい造形だ

CONCLUSION
結論
フレンチバイクの復権を担う山岳レースの申し子

かの名峠「アルプデュエズ」の名を冠してデビューしたタイム史上最軽量モデルは
最新テクノロジーの結晶だ。同ブランドの未来を担う
クライミングマシンの価値を総括する

サイクリストにとって神聖な地であるアルプデュエズの名を冠したバイクは、アルプデュエズ村とゆかりの深いタイムだからこそのネーミングだ。
クライミングマシンとしての使命をもち華々しく誕生したフレンチバイクだが、2015年には創業者のロラン・カタン氏が急逝するなど苦境に立たされていたタイム・スポーツ・インターナショナル社。そんな苦境を脱するため、メイド・イン・フランスを誇りとする同郷のスポーツメーカー、ロシニョールと提携し、新たな資本をベースに開発を行い誕生させたバイクこそアルプデュエズだ。つまり、創業以来30年間の歴史と、未来を担うバイクとしての想いが詰まっているのだ。
重量を削ることだけをよしとせず、タイム伝統の踏み込みと同時にタメを作り、踏み切りと同時に高い反応性を発揮する独自のペダリングフィールを継承。また、カーボンブレードの構成を工夫し軽さと剛性を高めることに成功。
結果、ハイトルクが持続的にかかる登坂でも高い反応性を約束するクライミングバイクに仕上がっている。名峠の名に恥じないアルプデュエズは、山岳レースの申し子として、フレンチバイクの復権を担う存在といえる。
振動減衰機構をもつ独自のアクティブフォークや個性を発揮できる豊富なカスタムカラーシステムの構築。2019モデルからはディスクブレーキ仕様も登場し、新たな歴史へと踏み出している。

アルプデュエズワン カスタムカラー
64万円〜(フレームセット/税抜)
フレーム単体840gのアルプデュエズ01は、既存の5パターンのカラー以外にも、5万円のアップチャージでカスタムカラーをチョイスでき、個性豊かなバイクを作れる。2019モデルからはフレームのメインカラーに11色、挿し色に3色を用意し、組み合わせは自由

アルプデュエズトゥエンティワン カスタムカラー
34万8000円〜(フレームセット/税抜)
フレーム単体930gのセカンドモデルにもカラーカスタムを展開。既存の2パターン以外に、メインカラー10色と挿し色2色を用意。オリジナルカラーのフレームに好みのパーツをアッセンブルすれば、コストパフォーマンスに優れる山岳バイクを組み上げられる

2019モデルからカラー体系を細分化
2018モデルからスタートしたタイムのカラーカスタムシリーズ。2019モデルからはモデルごとに選べるフレームのペイント色と数を細分化し、個性を主張しやすくなっている。フレームカラー以外にも、タイムオリジナルのカーボンハンドルとステムのカラーカスタムも用意している

IMPRESSION RIDER
ハシケン
ロードバイクをメインにするサイクルジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライム一般クラス総合優勝、ツールド北海道の市民ステージ優勝、国内UCIグランフォンド世界大会に出場経験あり。身長171cm、体重62kg

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TEXT:ハシケン PHOTO:小野口健太 ウエア協力:サンボルト
問:ポディウム www.podium.co.jp

(出展:『BiCYCLE CLUB』2019年2月号 ハシケンのロードバイクエクスプローラー)

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