超定番のロード用輪行袋「L-100」の使い方【ツーリング特集】
FUNQ
- 2019年03月19日
輪行は自分なりのスタイルでアレンジしていくのもいいが、
まずは、超基本のスタンダードな方法をマスターすることからスタートしよう。
オーストリッチ伊美社長が、ベストセラー輪行袋を使った基本の輪行方法を伝授!
輪行スタイルのザ・スタンダード
輪行袋のスタンダードとして不動の地位を誇るのが、オーストリッチのL-100輪行袋だ。ロードバイク用の輪行袋をどれにするか迷ったら、コレを選んでおけば、まず間違いない。
オーストリッチがどうすれば最もコンパクトになるか独自に研究し、開発したのが縦型スタイルの輪行方法だ。縦型はフレームが立つ収納方式なので、接地面積が少なく、移動するときの回転半径も小さい。
ほかの乗客のジャマになりづらいという点では、これ以上はない。輪行袋は縦型も横型も臨機応変に使い分ければいいが、やはりロードバイクに乗る人であれば、まず縦型輪行袋を手に入れて、縦型スタイルを基本としてマスターしておきたい。
アズマ産業 伊美哲也社長
日本が誇る自転車バッグのブランド、オーストリッチを生産するアズマ産業2代め社長。幼少期からバッグ作りに携わるプロ中のプロ。各地で、輪行をレクチャーしている
オーストリッチ L-100 6050円(税抜)
問:アズマ産業 www.ostrich-az.com
オーストリッチで最も売れている輪行袋。重量は235g。収納サイズも160×90mmとボトル並みにコンパクトでケージにも入る。慣れれば5分で輪行できる状態に
Point 1
本体と付属品
L-100は輪行袋本体に、外袋、ショルダーベルト1本、中締ベルト3本のセットだ。中締ベルトは、ワンタッチで着脱できる軽量タイプにグレードアップした。エンド金具は付属しないので別に購入しよう。
Point 2
別売のアイテム
L-100の使い方で知っておきたいのは、縦型輪行をするには別売のエンド金具が必要なことだ。また、ほかの別売アイテムを追加することで、より便利で愛車を傷つけにくい輪行ができるようになる。必要に応じて導入しよう。
フレームカバーC 1500円(税抜)
ABCと3種類の大きさがある。フレームの形状やサイズによって適当なものを選ぶ。Cは4枚セットで発売されている
フリーカバー小 350円(税抜)
スプロケットにかぶせ、フレームや輪行袋を保護するカバー。ぶつけたとき緩衝材となる。小サイズはロード用。32T程度まで使える
チェーンハンガー 300円(税抜)
後輪を外した際、たるんだチェーンを引っぱる。ステーの油汚れ防止。またリアメカのワイヤーも地面に接触しずらくなる
エンド金具 1660円(税抜)
縦型輪行の必需品。エンド部に装着して、地面に置いた際リアメカを守る。高さが増し、ロングケージに対応した新型となった
エンド金具の構成部品。折りたたんで小さく収納可能。クイックは外した後輪のものでも代用できる
エンド金具を広げて、クイックのシャフトを少し上げるように入れる。次にシャフトにアルミ製のパイプを入れる。クイックのタケノコバネを入れ、ナットを回し入れれば使える状態に
Point 3
ホイールを外してエンド金具を装着
まずホイールを外すところが輪行の下準備。前後ホイールを外すことは、輪行だけでなくパンク修理などの際にも必要になるのでマスターしておきたい。次にエンド金具。これをしっかり装着することで、安定して自立する縦型輪行が可能となる。
STEP 1
ブレーキのクイックを解除し、クイックレバーを開放して前ホイールを外す。エンドの先には脱落防止用のツメがあるため、クイック反対側のナットを回すひと手間が必要となる
STEP 2
後輪を外す。まずチェーンはリアスプロケットのいちばん外側に。こうしないとホイールは外れない。ハブがエンドの出口を通るよう、リアメカを後ろに動かす。次にケージを手で押してチェーンを逃がすように抜く
STEP 3
チェーンステーと一直線になるような角度を目安にエンド金具を装着する。地面に置いて、エンド金具の底面がぴったりと重なるように位置が定まったら、しっかりクイックで固定する
STEP 4
チェーンハンガーをチェーンに引っかけて装着。チェーンハンガーはなくてもいいが、つけたほうがいい。チェーンにテンションがかかってないと、汚れやすくチェーンがからみやすい
Point 4
ホイールを重ねてベルトで固定する
フレームとフリーにカバーを装着し、前後のホイールとフレームを重ねて固定する。このとき、上部の中締ベルトの通し方が、L-100の輪行工程のなかで最も重要だ。ここがきちんと止まってないと袋の中でガシャガシャと動き、しっかりと自立しない。
STEP 1
輪行でキズをつけたくないなら、フレームカバーを装着しよう。ホイールが干渉する場所は個々のフレームによって違う。事前にフリーなどがぶつかる場所を確認し、必要な場所をカバーで保護
STEP 2
フリーカバーも装着するといい。ロードは小タイプで大丈夫だ。スプロケットのロー側からかぶせるように入れる
STEP 3
前後のホイールを重ねて、ダウンチューブと重なるところが固定するポイントとなる。位置はバイクによって微妙に異なる
STEP 4
1.チューブの下でベルトを交差させて外側に出す 2.交差したらベルトの両側をホイールの内側から上げるようにまわす 3.バックルの左右をパチンとはめる 4.上を指で押さえ、ベルトの先をギュッと引いて固定
STEP 5
サドル部分と、チェーンステーの残り2カ所で固定する。ここは中締ベルトでグルッと巻いて止めるだけ。まずはサドル側から固定。サドルレールの中までベルトを入れなくても大丈夫だ。続いてチェーンステー側を固定
STEP 6
縦型の立ち姿。フレームとホイールは3カ所を中締ベルトで固定していることになる。ハンドルは、チェーンホイールの反対側に切ったほうが自立で安定する
Point 5
袋の上に置いてショルダーベルトを装着
輪行作業も終盤となった。袋に入れる途中で、いよいよショルダーベルトを装着する。チェーンステーのチェーンホイール反対側とヘッド部分をベルトでつなぐ。これで、袋自体には重みがかからない。担ぎやすいベルトの長さがポイントだ。
STEP 1
輪行袋にたたんだバイクを乗せる。まず袋の底が出るように輪行袋を置く。底の補強部分に、サドルとリアメカ側の置き場所を示すイラストがある。サドル側から接地するとエンド金具がズレにくい
STEP 2
まずチェーンステーのハンガーに近い部分にショルダーベルトを通す。袋を少し上げると、左チェーンステー側にベルトを通す穴がある。穴を見つけたら、チェーンステーにつけたベルトを穴の内側から出す
STEP 3
穴から出したショルダーベルトをヘッドのコラム部にループを作って止める。ベルトの長さは、フォークのエンドの先にかかるぐらいがちょうどいい目安。この長さが担ぎやすい
STEP 4
輪行袋を下から上げて車体を包み、ストッパーのボタンを押しながら巾着袋のようにヒモを引き絞る。ヒモは車内で結ぶのに使うので縛らなくてもいい
FINISH!
これで輪行の完成状態となる。いろいろ作業が多いように感じるが、ここまでゆっくりやっても10分ぐらいの作業だ。慣れれば5分でできる。カラダで憶えるとスムーズにできるようになる
TEXT:西山貴之(編集部) PHOTO:蟹由香
(出典:『ロードバイクツーリング完全ガイド』)
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