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【プロ直伝】もっと映える!自転車の正しい撮り方講座≪Vol.2・一眼レフ編≫

どれも同じ写真になってしまう……レースシーンが“決まらない”のはなぜ?

目の前をものすごいスピードで過ぎ去っていくロードバイクの集団。迫力あるレース模様を収めようと一眼レフカメラを向けたけれど、ちっとも躍動感が伝わってこない……

なぜか同じような絵面になってしまうのは、レース写真で注意したいポイントを見逃してしまっているから。自転車の撮り方をプロカメラマンが教える本企画。後編は【レースシーンをカッコよく撮るコツ】です。

レース撮影のとき、こんな撮り方していませんか?【NG例】

【プロ直伝】もっと映える!愛車の正しい撮り方講座≪Vol.2≫_03

印象的な1カットを撮るためには、レースでは立体感を意識することが重要。ヘルメットの先からタイヤの先まで、ライダーもバイクも、ときにはフレームからはみ出させるくらいの勇気を持ち、主役としてピントを合わせるライダーだけでなく、他のライダーも背景として生かすようにしよう。

NG例はコーナリングでのワンカット。左のライダーを撮影するのにズームを使ったため、後続のライダーが中途半端に途切れてしまっている。身体が傾いてはいるものの、コーナリングの様子が伝わりにくくなってしまっている。

ここに注目! 被写体の収め方のポイント

【プロ直伝】もっと映える!愛車の正しい撮り方講座≪Vol.2≫_01

①コーナーの入り口(カド)を入れる
走行ラインがわかるようコーナーではカドを入れる。上の写真では進行方向のコーナーのほか、集団後方のコーナーも通常より奥行きが出て見える。

②集団走行なら後続のライダーを入れる
撮りたいライダーが先頭の場合、後続ライダーを収めて奥行を出す。撮りたいライダーが集団半ばにいる場合はタテ写真にすると前後の収まりがよいのでオススメ。

③光と影のバランスをとって立体感を演出
被写体が陰から出てきたところを狙って撮影する。上の写真は奥のコーナーが影のエリアであったため、写真にコントラストがついて立体的なイメージに!

④躍動感を出すためホイールを入れる
コーナーでは車体の傾きが目立つため、ホイールごと収めるのが基本。もし、ホイールがはみ出してしまっても、外側のシューズが見えていればペダリング感が出る。

連写写真からベストショットを選ぶコツ

レースのときに助かるのが、連写機能。ハイスピードで駆け抜ける集団を撮るときに便利だが、大量の写真からベストショットを選ぶときもポイントがある。被写体が大きく写ったものやピントがあったものを探し出す、ということも必要だが、同じようなカットで迷ったときはライダーの足の位置に注目してみよう。平地では外側の足が上死点よりやや前方にきているものを選ぶと、ペダリングの力強さが伝わってカッコよく見えるのだ。

【プロ直伝】もっと映える!愛車の正しい撮り方講座≪Vol.2≫_04

上の写真はヘルメットの先まで収まっていて一見カッコよく見える。が、足の位置が左右平行になっているため、ダイナミックさには欠ける。

【プロ直伝】もっと映える!愛車の正しい撮り方講座≪Vol.2≫_05

一方、こちらの写真ではヘルメットは切れてしまっているが、表情もわかるしペダリングの力強さも感じられ、印象に残る絵になっている。

ちなみに、反対に下りやコーナーでは外側の足が上死点にあるものを選ぶと、よりスピード感が出ているように見える。

アングルを変えれば、躍動感にも変化がつけられる

【プロ直伝】もっと映える!愛車の正しい撮り方講座≪Vol.2≫_06

道路や車体が斜めに見えるぐらいカメラを傾けて撮る。単調な走りでもこうすることで動きが出る。単独で走っているライダーやアタックの瞬間にオススメ。

【プロ直伝】もっと映える!愛車の正しい撮り方講座≪Vol.2≫_07

ぎりぎりまで近づけるなら、空を背景に下からあおって撮ってみよう。バイク全体が写っていなかったりピントがあっていなくても、躍動感のあるダイナミックな写真が撮れる。低速域の上り坂の方が撮りやすい。

レースでの撮影は、マナーを守るのが大前提。撮影に夢中になってコース上に身を乗り出すのは観客にとっても選手にとっても大変危険だ。ケガなく安全にレース撮影・鑑賞を楽しむためにマーシャルや警備員の指示に従って決められたエリアで撮影しよう!

≪教えてくれた人:管洋介さん≫
群馬グリフィンレーシングチーム所属のJプロライダー。BiCYCLE CLUB本誌でも活躍するプロカメラマン

(ヨシザワ)

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