FACTOR(ファクター)・O2 V.A.M|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年09月23日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! レーシングカーや航空宇宙産業での経験を元にレーシングバイクを生み出しているファクターの新モデル、FACTOR・O2 V.A.M(ファクター・O2 V.A.M)。軽量オールラウンダーの真骨頂ともいえるバイクを、管洋介がチェック!
すべてをブラッシュアップした
軽量オールラウンダー「O2 V.A.M」
レーシングカーや航空宇宙産業をバックグラウンドとした経験を元にレーシングバイクを生み出しているファクター。ツインダウンチューブを採用した「ワン」など革新的なモデルが印象的で、プロチームにも採用された経歴をもつ。
ニューモデルとなるO2 V.A.Mは、軽量オールラウンダーのO2のコンセプトはそのままに、性能に磨きをかけたバイクだ。VAMとはイタリア語の「平均上昇速度」の頭文字に由来したもの。さらなる軽量化のために最小限の材料で構成されるが、3社のカーボン素材を組み合わせることでレイアップも最適化。マンドレル金型による滑らかな成型技術によって、剛性や乗り心地は前作と同等に仕上げている。
またジオメトリーやケーブルルーティングなどの変更も行われた。ディスクブレーキ仕様で700gという超軽量のスペックを実現するために、塗装は行われず、ヌードUDカーボン仕上げのみとなる。ディスクブレーキ全盛期のなか、よりクライマーに特化したリムブレーキ仕様もラインナップされ、こちらはフレーム重量630gとなる。
O2 V.A.Mの性能を生かすために、ブラックインクのステム一体型ハンドルバーとシートポスト、セラミックスピードのBBが付属する。軽量オールラウンダーの真骨頂ともいえるバイクだ。
ファクター
O2 V.A.M
59万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:テクストリームカーボン(東レ日本グラファイト、ピッチベースファイバー) ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:スラム・レッドEタップアクセス ■ハンドル、ステム:ブラックインク・一体型バーステム ■シートポスト:ブラックインク ■サドル:フィジーク・アリオネ ■ホイール:ブラックインク・ブラックサーティ ■タイヤ:ヴィットリア・ルビノプロスピード ■サイズ:49、52、54、56、58、61 ■カラー:ヌードUDカーボン ■試乗車実測重量:6.6kg(54 /ペダルレス)※スペックは試乗車のもの
鋭い加速性能を発揮する軽量レーシングバイク
管洋介がインプレッション
軽量化のためといいながらも美しさが感じられるUDヌードカーボン仕上げのフレームは、流麗なシルエットで特別なバイクに乗っているという気持ちを高めてくれる。リアトライアングルやフロントまわりの細身のチューブは、大径のダウンチューブを引き立ててくれる。
ひとたびまたがると、フロントまわりのしっかりとした剛性と優れた軽さ、そして59mmのフォークトレイル(54サイズ)が生み出す安定感のある軽快なハンドリングが、シャープに走りを引き締める。
フロントとリア三角まわりの剛性は高く、ダウンチューブの柔軟性を引き立てる。小気味よいウイップと素早い後輪追従性によって、鋭い加速を生み出すレーシーなテイス
トだ。コーナーの立ち上がり、もしくは丘の上り切りのペースアップのシーンを想像すると、素早くバイクを振ることで大きなパワーを生み出せるだろう。この特性は優れたアドバンテージになる。
全力の加速直後、巡航モードに入ってからも超軽量の車体は扱いにくさを感じず、ライダーの感じる疲労を大幅に軽減してくれる印象だ。ピーキーで鋭い反応性に対して、安定した踏みやすさを感じる中速域の巡航は、73度のシートアングルと低重心のBBドロップ、細かなウイップを生むチュービングのバランスのよさに起因している。スピード変化の大きなクリテリウムやロードレースで、ライバルに大きな差をつけることができるだろう。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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