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生徒が溶接! 緻密なトラス構造まで登場する【TCD 卒業制作展】

3月1日から3日の3日間、東京、青山スパイラルガーデンにて「東京サイクルデザイン専門学校」、略してTCDの2019年度卒業制作展が開催された。

テーマは2つで、生徒それぞれの「卒業制作自転車」、今年度3年生の共同制作「Eバイク」と、が展示されていた。どれも生徒が自ら設計、溶接したものだ。

東京サイクルデザイン専門学校現役学生の糸屋光貴がレポートする。

3年間の集大成、卒業制作自転車

ここでは生徒たちが3年間で得た経験、覚えた技の全てを以て製作された自転車を紹介していく。

フレームにねじ切りなし⁉ 次世代ランドナー「×××××」 荒井峻太朗

コンセプトは「次世代の日本のランドナー」。ただし、車体はグラベルバイクのようだ。

目を引くトラスフォークは振動を和らげるとともに、パニアバッグや荷物を括り付ける面積の役割も持つ。フォークブレードが独立しているため、フロントラックを付けても乗り心地に影響しない。さらに、フレームには一切ネジが切られておらず、舐めて壊してしまうことを防止している。BBさえも圧入式を採用しているという徹底ぶりだ。傷や凹みを防ぐフレームパッドはアウターを纏める役割も兼ねている。ミシンが得意な荒井さんの手作りだ。

細部にわたり長距離走行を想定した設計がなされており、やはりランドナーの文脈で作られた自転車なのだと感じた。

クロモリパイプの弾力を活かしたトラスフォーク。林道などを走るのを想定しており、快適な乗り心地だ。

リアステーも同様に、振動吸収のために曲げた部分を活かした荷台となっている。

父から譲り受けたフォークを生かした「MEVIUS」 古田奏

この自転車の最大の見所はフロントフォークにある。

これは古田さんが父から譲り受けた70年代のランドナーのものだ。クラウン部分の塗装は当時のオリジナルのままだというので、とても驚いた。このフォークから、作品全体の構想を考えたという。

1つのパーツから自転車全体へ構想が広がるというのは往々にしてあり、あまりに広がり過ぎても金銭的に自転車好きを困らせるのだが、これに関してはまた違う意味を持つ。フォークが父から古田さんに受け継がれたように、彼自身もこの自転車を子から孫へと受け継いでほしいと願っている。このフォークは思い出のDNAとして自転車に組み込まれているのだ。

ステンレス製のラグは様々なパターンでカットされており、見ていて飽きない。また、細いパイプを用いたシートステーが全体のフォルムを引き締め、すっきりとした印象を与えてくる。優雅で秀麗な1台だ。

コンセプトは1㎞TT最強のファニーバイク「BULLET」 梶内雄介

「1000m最速の自転車」というコンセプトの基に作られたファニーバイク。スタンダードなダイヤモンド形で、剛性と軽さを両立している。

今回展示されていた奇抜な自転車たちと比べるとすこし落ち着いて見えるかもしれない。しかし、肩のないすっきりしたフォークや、デザインの統一されたハンドルとサドルが合わさり、ミニマルな美しさを放っている。ダウンチューブは、村山氏(ストラトス ビルダー)がエアロ形状に加工したものを特別に譲り受けたそうだ。リアホイールにも工夫があり、スポークを減らすため、フロント用のリムで組み直したという。20ホールの貴重なフィクスドハブを使って組まれている。

最初のコンセプトからぶれず、奇抜さに媚びない設計思想にプライドを感じる。だが、「自分が一番作りたい自転車」がこれなのだ、と梶内さんは本当のコンセプトをこっそり教えてくれた。

3DCADで設計されたトラス構造「GAZELLE」 三浦雅人

トラス構造とリアサスペンションが特徴的な、いままでにない形態のグラベルツーリングバイク。TTバイクを彷彿させる、アグレッシブなY字フレームだ。

ただ単に見た目だけでトラスを採用したわけではない。10パターン以上のフレーム案を考え、3DCADを用いた応力解析を行った結果がこの形状なのだ。デザインには同級生も関わっているという。実際に近くで見ると、複雑なトラスが寸分の狂いもなく組み立てられているのがわかる。製作者の技が光るフレームだ。また、全体の溶接はロウ付けだが、リンク部分など力が集中する箇所はTIG溶接で仕上げるなど、溶接方法を使い分ける工夫もされている。

三浦さん曰く、見た目の格好良さもあるが、しっかり「乗れる」ものが作りたかった、とのこと。Y字フレームにしたのも、シート下のスペースがバイクパッキングに使えるのではないかという発想からだ。全体の格好良さと同じくらい、細部まで考えられた自転車だと感じた

フォークを保持するプレートも、レーザーカッターで切り出したという。

東京サイクルデザイン専門学校

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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