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共同制作で作ったEバイクドラッグレーサー&タンデム【TCD 卒業制作展・後半】

3月1日から3日の3日間、東京、青山スパイラルガーデンにて東京サイクルデザイン専門学校の2019年度卒業制作展が開催された。

前回の「卒業制作自転車」にひき続き、今年度3年生が共同制作した「Eバイク」を紹介、東京サイクルデザイン専門学校現役学生の糸屋光貴がレポートする。

3年の共同制作、テーマは「Eバイクが社会にどう関わるか」

東京サイクルデザイン専門学校では、毎年サイクルモードに3年生の共同制作自転車を出品している。社会的なテーマを取り扱うことが多いこのプロジェクトだが、今回のテーマは「Eバイクが社会にどう関わるか」である。電動ユニットはバーファンの協力で、特別に供給されたものだ。

ドラッグレーサー「ASTERIOS」

まず初めに、Eバイクの本質は自転車の機能や役割の延長である。しかし、TCDの生徒はこの本質をひっくり返すようなアイデアを出し、それを形にした。

彼らが作ったのはドラッグレーサーだ。こぎ出し時の強いアシストを加速の良さと捉え、新しい競技の形態を考えた。つまりEバイクによるドラッグレースの興行をやろうというのだ。カーゴバイク用の1000wという大出力ユニットを搭載しており、そのトルクを活かした巨大なリアホイールはファットバイク用のバトンホイールを使っている。さらに画期的なのが、バッテリーをフレームにマウントせず、ライダーが背中に担ぐようになっている。そのためフレーム設計の自由度が上がり、見た目に反して乗りやすさは抜群だという。

話は変わりクルマの話題だが、近年のドラッグレースでは高級EV車のテスラが大きな注目を集めている。ドライブ系を全くカスタムしなくても大抵の車に勝ってしまうので、シボレーが対抗してEV仕様のカマロを特別に作ってしまったほどに、だ。

同じことがEバイクにも言えるのではないだろうか? 新たな役割を得たEバイクが、エクストリームスポーツとして一つのカルチャーになる。絵空事だが、一つの展望として捉えてみるのはどうだろうか。停滞する自転車業界にもシンギュラリティ(技術的特異点)は訪れるかもしれない。

グラベルタンデムバイク 「Empathy」

こちらは電動ユニットのアシストを最大限活かした、グラベルタンデムEバイクである。しかしそれだけには留まらず、Eバイクならでは、タンデムならでは、グラベルならではの3つの要素をスマートに組み合わせた、とても考えられたバイクだ。

まず電動アシストによって、タンデム車の難点である登坂性能をカバーし、大型ゆえに苦手な悪路も走ることができる。グラベルとタンデムというかけ離れた2つの要素を、電動アシストが見事にリンクさせている。だがこれだけではない。

普通のタンデム車はパイロット(前の人)とコ・パイ(後ろの人)のクランクが直結していて、強制的にペダリングを揃えなければならない。しかし、Empathyはこの限りではなく、ユニットについているフリー機構を活かし、コ・パイが足を休めてもパイロットのクランクに影響しないのだ。また、コ・パイ用にコラムチューブを増やすことで、普通のステムを付けることができる。乗り手を選ぶタンデム車において、これらの利点は大きい。

「自転車を作った」という経験にその価値がある

TCDの3年生は、その1年で共同制作と卒業制作の2つのプロジェクトに取り組む。できあがった自転車は、どちらも生徒たちそれぞれのテーマ、情熱、制作過程を背景に隠している。彼らは卒業後、それぞれの道へと進んで行くが、彼らの「自転車を作った」という経験は絶対に消えない。

彼らがもう一度、自転車づくりの場に集まることを切に願う。

 

東京サイクルデザイン専門学校

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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