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「自転車レーンをつくって3密と事故を防ごう!」を都知事選候補者に呼びかけ

サイクリング・エンバシー・オブ・ジャパンと自転車活用推進研究会が連名でオンライン署名キャンペーン「自転車レーンをつくって3密と事故を防ごう!」を行っている。

この活動の目的は「ポップアップ自転車道」(※1)、つまり、簡易的ですぐ施工できる材料を用いたクルマの入ってこない自転車走行空間を整備して自転車をより安全に使いやすいものにし、さらに生活道路などのカーフリー化を導入することだ。

また署名キャンペーンの一環として、東京都知事選候補者へ「コロナ対策の自転車レーン等についての公開質問状」を送付している。

こちらは東京に限定されるが、各候補者の自転車の走行空間に対する考えを知ることができれば、有権者は自転車政策に理解のある候補者を選び、自分の望む未来の実現に近づくことができる。候補者としても、自転車に関して政策を提案すれば、それが票につながるメリットがある。

「なぜポップアップ自転車道なのか?」についてサイクリング・エンバシー・オブ・ジャパンの宮田浩介さんに話を聞いた。

※1ポップアップ自転車道は通称であって、道路交通法の定める自転車道ではありません。

ペイントだけのレーンはインフラじゃない
だからポップアップ自転車道

自転車ナビマークや自転車専用通行帯を作っても路上駐車があると機能しない。取り締まりをするにも警察のマンパワーを超えてしまうので現実的には難しい。

「ポップアップ自転車道とは、コーンやプランターなど簡易的な構造物で仕切られた社会実験的な自転車走行空間のことです。ペイントしただけの自転車レーンでは駐車スペースになってしまうことが世界的にわかってきています。だからペイントレーンはインフラとは呼べないんじゃないか? と言っているんです」と宮田さん。それが今回のオンライン署名キャンペーン「自転車レーンをつくって3密と事故を防ごう!」につながっている。

全国的にみれば、日本ではようやくペイントレーンが描かれ始めた段階だ。そして、そのレーン上に路上駐車するクルマが少なくないこと、ペイントだけでは難しいことも実感され始めている。

今回のコロナ渦で自転車が見直される中、より多くの人が自転車に乗れるようにするためには次のステップに移っていく必要がある。

 

ポストコーンを用いた渋谷区道865号の改善案(サイクリング・エンバシー・オブ・ジャパン作成)

日本でもポップアップ自転車道が
実現しているところもある

写真提供:サイクリング・エンバシー・オブ・ジャパン 渋谷区議会議員の橋本ゆきさんの調べによると、都内には「ポップアップ自転車道」(※1)と呼べるものがいくつか存在し、その1つが写真の足立区の都道314号の綾瀬駅付近。※1ポップアップ自転車道は通称であって、道路交通法の定める自転車道ではありません。

じつは日本にもポップアップ自転車道と呼べるものが存在するという。都内でも少なくとも3か所あり、日本でも不可能ではないという。ただし、道路構造令などで定義されているわけではないので、こうした設置には市民や政治家の強い要請と警察の協力が必要になる。

「路上駐車で自転車利用者が専用レーンを走れず危険だから、簡易的な構造物で区切りましょう! と行政に相談しても、行政では既存の道路に物を設置したことで事故が起きたら責任を問われます。なにもしないほうが責任を取らなくてよいので、なかなか動いてくれません。ただ『ビジョン・ゼロ』の考えでは、システムで死亡重傷事故を無くせることがわかっているのなら、リスクを知っていながら何も対策を講じない場合にも責任が生じます」

ビジョン・ゼロ、死亡重傷事故ゼロという考え

Light Individual Transport(軽量個人モビリティ)レーンの迅速な整備 出典:国際交通フォーラム
https://www.itf-oecd.org/sites/default/files/respacing-cities-resilience-covid-19.pdfより

世界各地では早いところで1990年代から、死亡重症事故を防ぐためのシステム作り、「ビジョン・ゼロ」が導入されている。またコロナ以前から、自転車をより多くの人が利用することで、交通手段としてクルマの分担率を下げられ、重大事故の減少や健康増進、二酸化炭素の排出抑制など社会全体の利益になるという考えがある。

「日本の現状では事故が起きた場合、クルマを運転していた人や自転車に乗っていた人といったユーザー同士の責任ばかりが問題になりがちですが、システムを管理する側により大きな責任がある、というのがビジョン・ゼロの考え方です。道路交通システムの設計・管理者は、ユーザーが安全に使えるようにシステムを作り、また更新していかなければならないということです。ビジョン・ゼロはスウェーデンでは1997年に法制化されています」

日本では政策なしに奇跡的に自転車が使われてきた

写真提供:宮田浩介 宮田さんが日本の自転車環境についてまとめた論文がこちら『The Unique Safety of Cycling in Tokyo』
https://medium.com/vision-zero-cities-journal/the-unique-safety-of-cycling-in-tokyo-b3b8eded727e

「話は変わりますが、日本の自転車普及率の高さは世界から注目されています。もちろん日本の自転車インフラが足りていないことは世界中の専門家にもばれていますが、そんな環境でも日本では老若男女みんなが自転車を利用しており、なんとか回っているのが奇跡といわれています。この報われない道路環境の中で、何とか自転車を利用している人を応援したい! というのがこのキャンペーンの根本にあります。ただ『応援します』と言葉で言うだけでなく、実際に形にしたのがこのキャンペーンであり、公開質問状です」

コロナ対策の自転車レーン等についての公開質問状(抜粋)

COVID-19の流行を受け、世界の多くの都市では、誰もが密集を避けつつ安全・快適に移動できるようにするための道路空間の再編 (図1) が急速に進んでいます。こうした緊急施策は、車依存とそれに伴う諸問題を軽減し道路を人のための場所にしていく中長期施策ともリンクしています。
日本でも6月に国土交通省が自転車レーンと混在通行マーキングの整備方針を発表しましたが、路面のペイントだけでは自転車利用者が路駐車両に阻まれたり車に追い立てられる危険な状況は変わりません (図2)。現行の法令やガイドラインを満たす以上の取り組みが必要です。
貴殿には、海外のような質と迅速さで東京の道路空間を再編していくことを、ぜひ公約に加えていただきたいと思います。つきましては、下記の3点についての貴殿のお考えを、大変急ではございますが、7月1日までに電子メールでご回答ください。
頂いた回答は、私どもの署名キャンペーン「自転車レーンをつくって3密と事故を防ごう!」
( https://www.change.org/post-covid19-bikelanes-jp ) で報告する他、SNSなどでも広く一般に公開いたします。なお、このキャンペーンには現在までに1,000人以上の方が賛同されています。

回答の宛先: info@cyclists.jp   回答期限:2020年7月1日

1. 主な幹線道路には、 車道から物理的に区分された自転車レーンを迅速に整備 (図3〜6)。

・自転車の歩道通行が減り、歩道での人の密集を防げる(テラス席を作れる余地も)
・自転車移動が安全・快適になり、公共交通の過密や車依存を抑えられる
・ベルリン15km、パリ30km、ボゴタ22kmなどが整備済み(いずれも既存自転車網への追加)
回答: a. 公約する b. 公約はしないが実現に努める c. 賛同しない d. その他

2. その他の道路、特に生活道路では必要に応じ、 車止めを設置して車道を徒歩・自転車用に開放
(車の通り抜けを防ぎつつ、居住者や搬入の車など必要なアクセスは維持する)(図7)。

・徒歩や自転車での移動が安全・快適になる(車の近距離利用の抑制にも)
・ニューヨーク64km、オークランド119kmなどが整備済み/計画進行中
回答: a. 公約する b. 公約はしないが実現に努める c. 賛同しない d. その他

3. 新たに 駐輪スペースを確保 し、歩道などへの 違法駐輪を防止・民間事業者だけでは用意しきれない分を都や区市町村がカバーし、自転車利用を支援

・車道も活用できる(例えばパーキングメーター1枠が自転車10台分の駐輪スペースに)
回答: a. 公約する b. 公約はしないが実現に努める c. 賛同しない d. その他

資料や図などは以下を参照ください。
東京都知事選候補者への「コロナ対策の自転車レーン等についての公開質問状」WEBサイト

宮田浩介

東京都生まれ。大学で英文学を学び、2003年に渡米、ニューヨーク市立大学シティーカレッジ校で修士号を取得(クリエイティブ・ライティング)。2007年、オートバイで北米大陸横断の後、都内に移る。2009年に英語詩とその日本語訳をまとめた書籍『Current』を出版。現在、神奈川大学と多摩美術大学で講師を務める。自転車が大好きで、幅広い自転車利用を推進している。

オンライン署名キャンペーン「自転車レーンをつくって3密と事故を防ごう!」
https://www.change.org/post-covid19-bikelanes-jp

サイクリング・エンバシー・オブ・ジャパンWEBサイト
http://cycling-embassy.jp/jp/

自転車活用推進研究会WEBサイト
https://www.cyclists.jp/

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PROFILE

山口

BiCYCLE CLUB / 副編集長

山口

バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、44歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している。

山口の記事一覧

バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、44歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している。

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