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週末には1000人が走った! 幻のとなった自転車レース「ヒルクライム乗鞍」

8月30日に本来開催されるはずだった「乗鞍ヒルクライム2020」、1986年から正式名称「マウンテンサイクリングin乗鞍」として続く大会だ。約4500人の定員が毎年すぐに埋まってしまう人気イベントだ。

残念ながらこの夏は新型コロナウイルス感染拡大に対する安全面を最優先に考え、6月に開催中止を決定している。それでも乗鞍を愛するのべ1000人を超えるライダーが、この週末8月29-30日に乗鞍エコーラインを上っていった。

かつては乗鞍ヒルクライムで10位入賞したこともある編集部山口が、自転車で乗鞍を上り、その様子をお伝えする。

ほかでは見られない光景が全国から人を呼び寄せる

今回、大会はなくなってしまったが、8月30日に乗鞍を訪れると多くの自転車乗りが、スタートとなる乗鞍観光センターにいた。「毎年泊まる定宿があるんですが、いつもよくしてもらっているんで申し訳なくてキャンセルできなくて。レースはありませんが走りに来ました」という。

毎年の参加者を乗鞍LOVEにさせる魅力が乗鞍にはある。正直自転車の魅力は日本のどこの地域でも楽しめることだが、乗鞍は数少ない全国から来る価値のある山といえる。

現地にいる顔触れは、レースで勝つためのトレーニングする人、自己ベストタイムを意識する人もいれば、1年に1度上り切ることで健康状態をチェックする人、さらに頂上からの眺めを楽しみために上る人。その想いはそれぞれだ。

筧五郎さんを中心に集まったメンバー。ペースごとに走るグループを分けて楽しんでいた。

兵庫から来ていたという男女ペアは三本滝をハイスピードで駆け抜けていった。

職場で知り合った5人のグループできていた、長谷川さんと平尾さん。全国に散っている仲間が、レースのために予約していた定宿に集まった。「今まで6回来ているんですがいつも晴れなんです」とこの日も天候のよいうちに走り切った。

いままでレースでしか上ぼったことがなかったという二人。今回走ったのが3回目で、2時間で頂上を目指すという。

乗鞍ではおなじみの和製悪魔おじさん。今年はレースはないが、走る人を応援しながら上って行った

兵庫、北摂から知り合いといっしょにやってきた宮田さん。これが乗鞍初挑戦だという。

チャンピオンたちもこの日集まった

今年は20回乗鞍に上った筧五郎さん。頂上で石を並べてカウントしていた。45歳を迎えて、新しい乗鞍の楽しみ方が見えてきたという。

今回、乗鞍には歴代の上位入賞者も集まっていた。2005年のチャンピオンの筧五郎さんは、この夏は定宿でもある「ペンションのりくら」に週末ごとに泊まって20回乗鞍を上った。スクールの生徒さんを従えてペース走をしているが、もはや乗鞍の主となっている。

さらにこの日は、2018、2019年と乗鞍を連覇したチャンピオン中村俊輔さん、昨年4位の加藤大貴さんや昨年スカイラインの大会で2位だった矢部周作さんなど乗鞍表彰台を飾ったライダーたちも走っていた。

大会WEBサイトの動画撮影のために来ていた2018、2019年チャンピオンの中村俊介さん。「試走したら58分台で上りました」というのは昨年チャンピオンクラスで4位入賞した加藤大貴さん。

年に1度の「乗鞍」がみんなの同窓会

現地で話を聞くと「同窓会みたいなもので、毎年来てます。今年はレースがなくなってしまいましたが走りに来ました」といいう。学校や職場などで、普段集まれない仲間と走るのが「乗鞍ヒルクライム」の楽しみ方なのだ。さらに東京、名古屋、大阪、といった大都市圏、さらに富山、石川、新潟といった日本海側から集まれる位置関係も魅力だという。早稲田サイクリングクラブと同志社サイクリングクラブのメンバーは、毎年乗鞍で集まって同窓会を楽しんでいる

ここ数年できたばかりの富山の駅前にあるショップチーム。la-tortoiseのみなさん。小学年生まで幅広いメンバーが集まった。

関東からやってきたトライアスロン仲間の渡邉さんと石積さん。石墨さんは年代別で3位に入る実力者

紅葉は9月末から、MTBレースも開催する

8月30日には大会エントリー有無にかかわらず集まった自転車乗り達に缶バッヂが配られた。

この週末、土曜日には600人を超える自転車が乗鞍を上った。これは過去最高の数だという。日曜日はお昼前から天気が崩れてしまったため数は少し減ったものの約480人が乗鞍を上り、そのうち450人が三本滝レストハウス前特設テントで配布された缶バッヂを受け取った。

「エコーラインは10月31日まで通行としていますが、実際には乗鞍のシーズンはたいてい10月中旬までです。それ以降だと凍結や積雪で走れなくなってしまいます。また紅葉は9月下旬に上からはじまり、10月初旬には下までになります。9月26-27日にはMTBのエンデューロレースもありますし、地元はエリアを問わず来ていただけるお客様はウエルカムです」と乗鞍高原観光協会イベント部長の山口謙さん。

この秋も乗鞍でのヒルクライムはまだまだ楽しめる。ということで、ぜひ乗鞍をみんなで安全に楽しもう。

2021年こそはレースの開催を願いつつ、それに向けて脚を鍛えておこうと編集部山口は心に誓うのであった。

三本滝の乗鞍エコーラインにある募金箱。エコーラインを上るときに左手に見えるので覚えておこう。

大会WEBサイトはこちら
https://norikura.gr.jp/

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PROFILE

山口

Bicycle Club / 編集長

山口

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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