帆布製自転車用フロントバッグを柿渋染めしてみた【西山自転車商会】
ニシヤマ
- 2020年12月30日
ここでは「自転車はスポーツではなくホビーと言い張る」いじってなんぼのレストア編集者の手記をお伝えしているが、今回は帆布でできたフロントバッグを柿渋染めしてみた。ベースとなるのは白い生成りの帆布フロントバッグだ。この手のバッグは、かつて流行したフロントキャリアのあるランドナーなどのツーリング車向けだ。
白いフロントバッグはフレームの色を選ばないし、シンプルでカッコいいのだが、汚れやすいのが難点だ。こちらは未使用のものを1000円と格安で入手したが、目立つ残念なシミが右下に広がっている。全体的にも点点とシミが散らばっている。
犬印の自転車バッグは、いまも生産されているが、これは現在の会社に代わる前の時代の犬印だ。未使用とはいえ、40年以上も経過しているから、とうぜんカビなどのシミも生じるわけ。
シミを知っていて入手したのは、洗濯すれば落ちるだろうと甘くみていたからだ。あらゆる洗剤で洗ってみたが、案の定、カビが原因と思われるシミは落ちず、薄れる気配もない。じつは生成りだから入手した理由もある。シミが落ちなければ染めようと思っていたのだ。自転車散歩中に色づく柿を見て、柿渋染めを思いついた。オジサンがグッとくる茶色系、オーガニックな響きもいい感じだ。
柿渋染めはカンタンだ。溶液を水で薄めて浸すだけ、浸して乾かすを4〜5回繰り返すと、こんなレトロな風合いになった。紫外線を浴びるともっと茶色く変色していくようだ。使い古したようなエイジング感だ。染め方がヘタなのか、全体的にムラムラになって結果的にシミは目立たなくなった。いちおう成功ということか。
晩秋の空の下で、柿渋染めをしているという行為がなんだか心身を落ち着かせる。田舎暮らしを始めたかのような、都市圏にいながらにしてのエア移住感。バッグやアイテムなど、化学繊維よりも天然素材のものが多いという、シブめの自転車に乗っている人にオススメだ。
私はコットンバーテープ派なので、こちらも柿渋染めしてみた。
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