BOMA(ボーマ)・ヴァイドディスク|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2021年03月08日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、エアロの要素をとり入れたレーシングバイクとして熟成を重ねてきたヴァイドのフレーム形状を一新、ディスクブレーキ化を果たしたBOMA・VIDE DISC(ボーマ・ヴァイドディスク)をベテランライダーの管洋介がテスト!
素材と形状を一新したディスクブレーキエアロロード
カーボン素材のスペシャリストとして、高品質なバイクをリーズナブルに展開するボーマ。2021年は同ブランドとして初のディスクブレーキエアロロードバイク、ヴァイドディスクが登場した。
エアロの要素をとり入れたレーシングバイクとして熟成を重ねてきたヴァイド。ヴァイドディスクは単にディスクブレーキの採用にとどまらず、フレームの形状を一新。スローピングからホリゾンタルへ、そしてシートステーをオフセットして接続する形状へと生まれ変わった。プロレーサーの使用を前提としたバイクで、開発には機材供給を行うヴィクトワール広島の選手からのフィードバックも生かされている。
これまで以上の軽さと高剛性を実現するための最適なカーボン素材として、三菱ケミカルの高性能中弾性炭素繊維パイロフィルMR70を採用。この素材は航空機やハイエンドスポーツ製品のために開発され、軽量肉薄化することでの問題となる弾性率の低下にメスを入れたものだ。従来製品のMR60Hよりも強度で20%、弾性率を10%向上させることで、軽さと剛性を高次元で両立する製品作りを可能にした。
ハイエンドのレース機材でありながらフレームセットで25万円とコスパも秀逸。未来のトップ選手を目指すライダーにも最適なバイクといえる。
ディスクブレーキの制動力に対応するためエンド部分のボリュームを確保した。
ハンドルステム一体型+ケーブルフル内装をあえて避け、ポジション調整やメンテナンスがしやすいシンプル構造のヘッドまわり。
エアロ性能を高めるためにフレームと一体化するストレート形状のフロントフォークを採用。
エアロ形状のシートポストはクランプをフレームに内蔵し、さらに空力性能を追求した。細身のシートステーをオフセットして接続することで振動吸収性と路面追従性も向上。
ボーマ
ヴァイドディスク
25万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボンMR70 ■フォーク:カーボンMR70 ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ホイール:ボーマ・TH-W35TLD ■タイヤ:IRC・フォーミュラプロTL RBCC 700×28C ■ハンドル:ボーマ・HB-05 ■ステム:ボーマ・ST-02 ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:コア・フューズⅡ ■サイズ:XS、S、M、L ■カラー:パープル、オレンジ、Pゴールドほか全11色 ■試乗車重量7.5kg:(編集部実測値Mサイズ/ペダルレス) ※市販車はグラデーションカラーになる
加速と巡航性能を両立したエアロレーシングバイク
管洋介がインプレッション
フレームの剛性はハンガー部のウイップを生かせるセミハードな仕上がりで、ペダリングフィールに落ち着きがある。しかしホイールベースを短く設計することで高い駆動力を獲得している。短めのフロントセンターは俊敏な立ちまわりを助け、鋭い加速力で高まったスピードをエアロダイナミクスに優れた形状で巡航速度に乗せていけるのがこのバイクの醍醐味だ。
ショートリーチの設計で立ちまわりが機敏でありながら、59mmのトレイル量で操舵性を確保し、ハンドリングの接地感はとくに安定。素早いコーナーの立ち上がりが可能だ。またやや勾配のきつい上りもこれらの性能が全面に生き、驚くほど俊敏に走ってくれる。立ち上がりの多いクリテリウムや、パンチのあるアップダウンとテクニカルなコーナーをもつサーキットに最適だ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴25年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。最新のカーボンロードからスチールバイクまで、長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:ASKトレーディング
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