BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

タコ、27歳にして初のグランツール、逃げ切りで第3ステージで優勝|ジロ・デ・イタリア

大会序盤戦が進行中のジロ・デ・イタリア。現地510日には第3ステージが行われ、スタート直後に形成された逃げグループに入ったタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、オランダ)が最後まで先頭を守り、逃げ切りでステージ優勝。グランツール初出場で初勝利、チームにも今季の1勝目をもたらした。個人総合首位の証であるマリアローザは、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)がキープしている。

グランツール初出場のファンデルホールンが自身も驚きの単独逃げ切り

3ステージはビエッラからカナーレまでの190kmに設定された。中盤を過ぎてから3級と4級のカテゴリー山岳が待っているほか、フィニッシュ前約15km地点には山岳にカテゴライズされないながらも最大勾配15%の登坂区間も待ち受ける。山岳に扱われない代わりに、頂上には中間スプリントポイントが置かれ、レース展開次第では重要な局面になる可能性も考えられる。

前日と同様に183選手がスタートラインに並び、雨が降る中一斉にスタート。リアルスタートが切られると、いくらかの探り合いの中から8人が集団を飛び出す。アレクシー・グジャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、シモン・ペロー(アンドローニジョカトリ・シデルメク、スイス)、アンドリー・ポノマル(アンドローニジョカトリ・シデルメク、ウクライナ)、サムエーレ・ゾッカラート(バルディアーニCSFファイザネ、イタリア)、ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオーロ・コメタ、イタリア)、サムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ、イタリア)、ラルス・ファンデンベルフ(グルパマ・エフデジ、オランダ)、ファンデルホールンというメンバーで逃げグループを形成した。

この逃げはレース前半で最大6分のリードを確保。メイン集団はボーラ・ハンスグローエが中心となってペーシング。少しずつタイム差を縮めながら、フィニッシュまでの距離を減らしていく。

©︎ LaPresse

中間地点を過ぎてから迎える中間スプリントポイント、山岳ポイントはそれぞれ逃げメンバーによる争いに。114km地点に設けられた1回目の中間スプリントポイントはペローが1位通過。これに前後してチームメートのポノマルが数回アタック。直後の3級の上りでも動きを見せ、これに山岳賞のマリアアッズーラを着るアルバネーゼとファンデンベルフが反応。頂上ではアルバネーゼが2人を振り切ってトップ通過し、山岳ポイントを伸ばすことに成功している。

続く4級の上りでもアルバネーゼは1位通過に成功。一緒に逃げに入ったリーヴィを発射台にしながら、順調にポイントを収集する。

©︎ LaPresse

一方で、メイン集団では上りに耐えられず遅れていく選手の姿が見られるようになる。前日のステージを制したティム・メルリール(アルペシン・フェニックス、ベルギー)やカレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)、ジャコモ・ニッツォーロ(チーム クベカ・アソス、イタリア)らスプリンターが軒並み脱落。ペテル・サガン(スロバキア)でのスプリントを狙うボーラ・ハンスグローエがコントロールを継続し、ステージ優勝争いのライバルを少しずつ減らしていった。

そうしているうちに、逃げグループのリードは1分台に。こちらも数度の登坂でメンバーを切り離しながら、先を急ぐ。この日最後の4級山岳はペローが1位で通過。ペローは、次に待つ無印の上りを目前にアタック。さらに人数を減らすと、この上りの頂上にある中間スプリントポイントも1位で通過。これに反応できたのはファンデルホールンだけで、そのまま2人逃げの態勢に持ち込んだ。

その頃にはメイン集団も先頭を射程圏に。トニー・ガロパン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)とジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)が集団から飛び出して追走パックを組むと、状況はさらに活性化。逃げ、追走、集団とが20秒ほどの等間隔になって最終盤へと入っていく。

©︎ LaPresse

逃げ切りのわずかな可能性にかけ、残り8kmでアタックを成功させたのはファンデルホールン。それまで再三積極的な姿勢を見せていたペローを引き離し、独走に持ち込んだ。すると追走、集団との差は一時的に拡大。残り6kmでメイン集団とは約1分差とした。

そこからは1km進むごとに10秒程度タイム差を縮めながら、集団がファンデルホールンに迫る。残り2kmでは先行していたガロパンとチッコーネを吸収。序盤からの逃げメンバーも拾っていき、残すはファンデルホールンだけ。残り1kmではその差15秒。UAEチームエミレーツとコフィディスが前に出て、ファンデルホールン吸収とスプリントの準備を整える。

©︎ LaPresse

しかし、そんな追撃ムードをよそに、ファンデルホールンの勢いは最後の最後まで衰えることはなかった。残り1kmからの連続コーナーを抜け、フィニッシュへ1人で到達。後ろとの差が十分であることを確認すると、残り150mでステージ優勝を確信。驚きの表情を見せながら、めいっぱい両手を広げて歓喜の瞬間を迎えた。

27歳のファンデルホールンは、これが初のグランツール。昨年まで2年間はチーム ユンボ・ヴィスマの一員として走ったが主力にはなれず、今季から現チームへと移っていた。自身、そしてチームにとっても初となるグランツール勝利。また、今年からUCIワールドチームとして活動するアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオにとっては、ようやく手にしたシーズン初勝利となった。

メイン集団はファンデルホールンから4秒後にフィニッシュ到達。ステージ110位までが一団でレースを完了し、ガンナはマリアローザのキープに成功している。また、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)はステージ61位。集団内で走りを終えている。

11日に行われる第4ステージは、ピアチェンツァからセストラまでの187km。中盤以降アップダウンの連続。最後に上る2級のコッレ・パッセーノは、登坂距離4.3kmで平均勾配9.9%、最大勾配は16%。この頂上からフィニッシュまでの2.5kmの間には500mにわたる石畳区間もあり、終盤にかけて慌ただしい展開となることは間違いない。

ステージ優勝 タコ・ファンデルホールン コメント

©︎ LaPresse

4秒差での勝利だったとは知らなかった。最後の100mで喜びすぎてしまったね。

後ろが追ってきていることは感じていたが、十分なリードを持っていることは振り返るたびに感じていた。残り1kmからの2つのコーナーについては把握していたものの、どこまで鋭角かまでは知らなかった。今日の目標は逃げに入ることだった。1人で逃げ切ることは難しいと分かっていたが、わずかなチャンスをものにするしかなかった。今年の初勝利は、新たなチームにとっても大きな意味を持つものになった」

個人総合首位 フィリッポ・ガンナ コメント

©︎ LaPresse

「今日の個人的な目標はマリアローザを守ることだった。明日からはチームオーダーが最優先される。この2日間、チームリーダーのエガン・ベルナルが意欲的であることを間近に見てきた。この先、チームとしてマリアローザを保持できることを願ってはいるが、他チームへと移動するなら展開を注視しながらレースを進めていきたい。

(ライバルについて問われ)レムコ・エヴェネプールは上りでも大きなギアで走っていて驚いている。彼のどこにそんなエネルギーがあるのか、まったく想像がつかない」

ジロ・デ・イタリア2021 第3ステージ 結果

ステージ結果

1 タコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、オランダ)4:21’29”
2 ダヴィデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネイション、イタリア)+0’04”
3 ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)ST
4 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス、イタリア)ST
5 パトリック・ベヴィン(イスラエル・スタートアップネイション、ニュージーランド)ST
6 ジャンニ・フェルメールシュ(アルペシン・フェニックス、ベルギー)ST
7 フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ、コロンビア)ST
8 アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・NIPPO、イタリア)ST
9 ステファノ・オルダーニ(ロット・スーダル、イタリア)ST
10 ジャコポ・モスカ(トレック・セガフレード、イタリア)ST
61 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)ST

マリアローザ(個人総合成績)

1 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)8:51’26”
2 トビアス・フォス(チーム ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+0’16”
3 レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)+0’20”
4 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)ST
5 レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)+0’21”
6 ジャンニ・モスコン(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’26”
7 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+0’27”
8 アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・NIPPO、イタリア)+0’29”
9 ジョナタン・カストロビエホ(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)+0’30”
10 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ、イタリア)+0’32”
66 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+0’56”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ティム・メルリール(アルペシン・フェニックス、ベルギー)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオーロ・コメタ、イタリア)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)

チーム総合成績

チーム ユンボ・ヴィスマ

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load