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ツール・ド・フランス前哨戦が活況! ポガチャルらの動向を総まとめ|ロードレースジャーナル

vol.8
各地で開催のツール・ド・フランス前哨戦
有力選手の動向も合わせて紹介

国内外のロードレース情報を専門的にお届けする連載「ロードレースジャーナル」。今回は、ヨーロッパ各地で盛り上がりを見せるツール・ド・フランス前哨戦の話題。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)ら有力選手たちが順調な仕上がり。ツール出場予定選手がどのレースに出ているか分かるよう記載していくので、ひいきの選手の動向チェックにぜひ役に立ててほしい。

ポガチャルが山岳で圧倒 ツール・ド・スロベニア

©︎ Sportida

ツール・ド・スロベニア(UCI2.Pro

6913日 ※本記執筆時開催中

・主なツール・ド・フランス出場予定選手
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)
ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)
マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)

ツール2連覇を目指すポガチャルは、春のクラシック後の休養を経て、最終調整の場を自国最大のレースに求めている。「この大会を制してツールへ向かう」との宣言通り、今大会最初の山頂フィニッシュとなった第2ステージで終盤に独走する圧倒的な勝利。第4ステージにも本格山岳が控えており、力強い走りが見られるはず。UAEチームエミレーツは「仮想ツール」として、マイカら山岳アシストを動員。今大会への本気度は群を抜く。

ポート、トーマスらイネオス勢が力の違い見せつける クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)

530日~66

・主なツール・ド・フランス出場選手
リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)
ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)
ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)

既報の通り、ポートの個人総合優勝で幕を閉じたドーフィネ。3位に入ったトーマス、山岳で好アシストのテイオ・ゲイガンハート(イギリス)も含め、イネオス勢の充実ぶりが光った。最後まで優勝を争ったルツェンコや4位のケルデルマンらも順調。第3ステージで勝利したコルブレッリは、ツールでマイヨヴェール候補に。第7・第8ステージを制したマーク・パデュン(バーレーン・ヴィクトリアス、ウクライナ)という新星も誕生した。

急峻な山々でツール主役候補たちが脚試し ツール・ド・スイス

©︎ TdS

ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)

6613日 ※本記執筆時開催中

・主なツール・ド・フランス出場予定選手
リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)
マルク・ヒルシ(UAEチームエミレーツ、スイス)
マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)
ヤコブ・フルサン(アスタナ・プレミアテック、デンマーク)

ドーフィネと並んで、ツール前哨戦として伝統あるステージレース。詳細は日々のレポートを見ていただくとして、カラパスやアラフィリップら豪華顔ぶれはツールへ期待大。第2・第3ステージ連勝のファンデルプールが改めて「ツールと東京五輪が目標」と明言するなど、2年ぶりの開催はビッグトピックが豊富となっている。なお、ファンデルプールは風邪の症状があるため第6ステージを前に大会から撤退。ツールへの調整を最優先する。

強力スプリンターが集結 バロワーズ・ベルギーツアー

©Luc Claessen / Getty Images

バロワーズ・ベルギーツアー(UCI2.Pro

6913日 ※本記執筆時開催中

・主なツール・ド・フランス出場予定選手
カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)
パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
セース・ボル(チームDSM、オランダ)
ジャコモ・ニッツォーロ(チーム クベカ・アソス、イタリア)
ナセル・ブアニ(チーム アルケア・サムシック、フランス)

本格的な山岳ステージを含むレースが多い中、多くのスプリンターがチョイスした平地系レース。同時期に開催される平地系レースがキャンセルとなったことも関係している。個人TTや春のクラシックさながらの石畳も登場するが、大会後半に平坦ステージが集中。第3ステージではユアンが実力通りのスプリントで勝利を飾っている。総合では、非ツール組のレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)が大量リード。

ピレネー舞台のステージレースのトップチームが参戦 ラ・ルート・ドクシタニー

©︎ Aubin Lipke / Route d’Occitanie – La Dépêche du Midi

ラ・ルート・ドクシタニー(UCIヨーロッパツアー2.1

61013日 ※本記執筆時開催中

・主なツール・ド・フランス出場予定選手
アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)
ヘスス・エラダ(コフィディス、スペイン)
マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)

ピレネーの山々を舞台とする4日間の山岳ステージレース。かつては「ルート・ドゥ・スッド」の大会名で行われ、ツールに向けた調整レースとしてすっかり定着した。今年もUCIワールドチームを中心に有力どころが多数参戦。第1ステージでは、ジロ・デ・イタリアで活躍したアンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)が勝利。大会後半から本格的にピレネーの山岳地帯へと飛び込んでいく。

ツール期待のロペスが圧倒的クライミング モン・ヴァントゥ・デニヴェルチャレンジ

© J. Startt / Agence Zoom.

モン・ヴァントゥ・デニヴェルチャレンジ(UCIヨーロッパツアー1.1

68

・主なツール・ド・フランス出場予定選手
ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター チーム、スペイン)
エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)
ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)

ツールでもおなじみの「魔の山」モン・ヴァントゥの頂上を目指す山岳ワンデーレース。今回で3回目と新興ながらクライマーにとってのチャレンジレースとして定着。153kmにモン・ヴァントゥ2回登坂を含む6つの山岳を詰め込んだ今回、ドーフィネでも好走のロペスが圧倒的強さを発揮。2位以下に2分以上の差をつけて、登坂力の違いを見せつけている。中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)も参戦し、70位で完走を果たしている。

福光 俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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