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バルベルデが小集団スプリント制する、イネオスは連日の奇襲ならず|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ

フランスで開催中のUCIワールドツアー、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは現地6月4日、第6ステージを実施。この日からプロトンはアルプス山脈へと足を踏み入れたが、今大会最初の山頂フィニッシュとなるレースを制したのはアレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)。総合系ライダーに絞られた中でのスプリントを制した。個人総合順位でも変化があり、メイン集団でフィニッシュしたアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)が首位に立ちマイヨジョーヌに袖を通している。

ゲイガンハートのアタックを冷静にかわしたバルベルデ

アルプス初日は、レース後半のカテゴリー山岳が集中。レース距離167.5kmのこの日は今大会最初の山頂フィニッシュとして、3級山岳のル・サペ=アン=シャルトルーズを上ることになる。1つ手前の3級山岳コート・ド・ラ・フレットと合わせると、フィニッシュまでの約10kmを上り続ける形。総合争いへとつながる、人数の絞り込みがあるものと予想された。

5ステージまでを終えた時点で個人総合争いは、マイヨジョーヌのルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)から総合タイム差1分以内に17人がひしめく混戦となっている。

迎えたレースは、リアルスタート直後から逃げ狙いのアタックが頻発。逃げが決まらないまま序盤を進み、追い風もあって最初の1時間が50.3kmのハイペースに。タイミングを同じくして、14人の逃げがようやく決まった。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

人数が膨らんだ先頭グループに対して、メイン集団は3分程度のタイム差にとどめて追走タイミングを計りながら進行。残り80kmを切ったあたりから徐々にその差を縮めていき、後半の山岳区間へと入る頃には前を完全に射程圏に捉えた。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

少しずつリードを失っていく先頭グループでは、2級山岳で山岳賞首位のマシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)がポイント収集に動いたり、中間スプリントポイントをグレッグ・ファンアーヴェルマート(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)が1位通過を狙うなど細かな動きは見られたが、活性化したのは残り30kmを切ったあたりから。ジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード、フランス)が再三のアタックで逃げる人数を減らしていくと、他選手もカウンターアタックで応酬。そうした中から、ローソン・クラドック(EFエデュケーション・NIPPO、アメリカ)が単独で抜け出すことに成功。それまで一緒に逃げていた選手たちは集団へと引き戻され、クラドックは独走で最後の上りへと向かっていく。

一方のメイン集団は、モビスター チームの牽引でスピードを上げていく。このペースに耐えられず遅れていく選手が続々出る中、マイヨジョーヌのペストルベルガーも集団から離れていく。途中までアシストとして前方にポジショニングしていたこともあり、役目を終えて下がっていく格好となった。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

ル・サペ=アン=シャルトルーズの上りでもクラドックは粘ったが、勢いに勝る集団のスピードからは逃げ切れず。集団からルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、南アフリカ)が飛び出すと、そのままクラドックをパスし、数秒後ろを走る集団にも引き戻された。メインチェスの先行も長くは続かず、吸収されると同時にダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)、数百メートル進んだところではテイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)がアタックと、打ち合いが激しくなる。

ただ、どれも決定打にはならず、ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター チーム、スペイン)の引きですべての攻撃が封じられると、そのまま最後の1kmを迎えた。そして残り500m、再度のゲイガンハートのアタックでそのままステージ優勝争いのスプリントへ。前日のゲラント・トーマス(イギリス)に続く早掛けでリードを広げたかに見えたゲイガンハートだったが、少しずつ差を詰めたバルベルデが残り50mで追いつくとそのまま追い抜いてフィニッシュラインへ。今シーズン2勝目となるステージ優勝を挙げた。見せ場を作ったゲイガンハートは2位、パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)が3位に続いた。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

レース後半の上りと終盤の駆け引きによって、メイン集団に残ったのはちょうど20人。事実上、このメンバーが総合争いの有資格者となりそうだ。なお、ペストルベルガーが下がったことにより、マイヨジョーヌはこの日2位でスタートしたルツェンコへ移動。総合タイム差8秒でチームメートのヨン・イサギレ(スペイン)、同12秒でウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)と続く。さらに1分差以内にいまだ16人がひしめく混戦模様となっている。

日本勢で唯一参戦中の中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)は、1524秒差の110位でフィニッシュ。レース後にTwitter投稿し、序盤のアタック合戦にトライしたが、わずかに逃げ形成には至らなかったことを悔やんだ。

5日に行われる第7ステージは、サン=マルタン=ル=ヴィヌーからラ・プラーニュまでの171.5km。中盤に上る超級山岳コル・デュ・プレ(12.6km7.7%)と、最後に上る超級のラ・プラーニュ(17.1km7.5%)が双璧。頂上に近づくにつれて勾配が厳しくなるコル・デュ・プレと、8%前後の上りが淡々と続くラ・プラーニュ。趣きが異なる2つの上りで、マイヨジョーヌを賭けた争いが激化することは必至だ。

ステージ優勝 アレハンドロ・バルベルデ コメント

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

「最高の気分だ。大会の開幕から数日にわたって支えてくれているチームメートに感謝を伝えたい。ロペスが先頭を引く必要があるかと確認してきたので、それを実行してほしいと告げていた。彼の素晴らしい仕事ぶりには驚いている。イネオス・グレナディアーズの攻撃も強力だったが、ゲラント・トーマスが脚を止めたのでゲイガンハートを追うべきだとすぐに分かった。それからは全力を尽くして、確かに苦しかったがフィニッシュラインが見えた瞬間に喜びでいっぱいになった。どの勝利も特別で、美しいものばかりだ。

総合成績については、ロペスやエンリク・マスが頼もしいので彼らに任せたいと思っている。第7・第8ステージは彼らが狙えるコースだと思う」

個人総合首位 アレクセイ・ルツェンコ コメント

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

「ハードなステージだったが、マイヨジョーヌのために戦った。それが今日の目標だったので、実際に手に入れられてうれしい。私自身は攻撃する計画はなくて、モビスターとイネオスの動きに対処することに集中していた。最後の1kmはバルベルデをチェックしていたが、追い切れなかった。

明日の走りについては、上りの調子を見て決めたい。長い上りが待っているが、マイヨジョーヌを守れるよう戦おうと思う。後ろにはヨン・イサギレも控えているので、戦術に幅を持たせられそうだ」

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021 第6ステージ 結果

ステージ結果

1 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)3:52’53”
2 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
3 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)ST
4 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
5 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)ST
6 セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)ST
7 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)ST
8 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)ST
9 ベン・ヘルマンス(イスラエル・スタートアップネイション、ベルギー)ST
10 ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)ST
110 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+15’24”

個人総合成績

1 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)20:52’16”
2 ヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)+0’08”
3 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+0’12”
4 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’13”
5 イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)ST
6 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’15”
7 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)+0’27”
8 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)+0’34”
9 ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’39”
10 ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター チーム、スペイン)+0’42”
117 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+45’36”

ポイント賞

ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)

山岳賞

マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)

ヤングライダー賞

イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)

チーム総合成績

イネオス・グレナディアーズ

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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