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ピナレロ新型ドグマFは乗りやすく進化した! F12と徹底比較試乗チェック|PINARELLO

3年ぶりにフルモデルチェンジをし、注目を集めているピナレロ・ドグマF。今回、ドグマFを試乗するにあたり、従来のドグマF12と比較してみた。試乗ライダーはワイズロード川崎店、ピナレロルームを担当する平山冬芽さん。日本でもっともドグマを取り扱っている。

ドグマらしさを生かし、Xライトの軽さを追加した「ドグマF12」

さっそく試乗してみて、第一印象を伺えますか?

剛性感は高いのに、快適さがあります。こう言ってしまうと、美辞麗句のようですが、ドグマという名前が与えられるべくして与えられたバイクという印象です。

具体的に言うと、まず、ドグマF12(以下略、F12)と比べて車重を軽くしながらも、ドグマF(以下略、F)はその乗りやすさを継承されていると思いました。Fはシートピラー、ハンドルが軽量化されています。Fではその軽量化されたぶん、通常はそのトレードオフとして剛性が落ちていることが考えられますが、剛性不足は感じられませんでした。それでいてドグマらしい乗りやすさを感じるバイクだと思いました。

剛性がアップしているとメーカーは言っていますが、どう感じましたか?

上り坂で試してみたところ、ドグマ持ち前の剛性感、そしてしっかり地面にトラクションがかかる感じを継承しつつも、車重が約0.3㎏軽くなったことでその軽さの恩恵を感じます。そして、個人的な印象としてはF12に比べ、むしろマイルドになっているように感じました。メーカーは「BBまわりの横剛性感が12%アップした」と謳っています。これは「BBまわりの剛性だけ」を高めたという意味ではなく、「公表数値がBBまわりの横剛性のみ」という意味のようです。いたずらに部分的に剛性アップを図った訳ではなく、バイク全体で剛性バランスが考えられていることが試乗で実感できました。

左がF、右がF12のフロントフォークエンド。Fのフォークのフィンが薄くなっているのがわる。フォーク全体で58g軽量化している

新ドグマFの注目ポイント

  • 265gの軽量化 ( DOGMA F12 サイズ53のディスクブレーキモデルと比較して)
  • 12% 剛性がアップ( ボトムブラケット周辺)
  • 3.2% 空力特性が向上 (F12 リムブレーキモデルと比較して)
  • 4.8% 空力特性が向上 (F12 ディスクブレーキモデルと比較して)
  • 1.3Wセーブ( 40km/h) / 2.6W セーブ( 50km/h)

比較となるドグマF12

マイルドに感じた理由はどこだと思いますか?

左のFは右のF12と比べ、トップチューブ、シートピラーが細いのがわかる

F12同様にフォークまわりの剛性は高く、地面からの状況を伝えてくれる感じがするので、どちらかといえばシートまわりがソフトな印象です。そのあたりのシートステイまわりやトップチューブ、シートピラーの変更が影響しているんだと思います。さらに、乗りやすい理由として、F12ではシートステイが途中で枝別れてしていて一体感が強い印象でしたが、Fでは左右が別々に動いている感じがします。トップチューブがかなり細くなっているので、多少影響している気もします。細くなったわりには横剛性がしっかりしていて、いやな剛性ではないですね。過度な剛性もなければ、柔らかすぎるわけではない感じです。ホントに万人受けするなじみやすいバイクなのかなと思いました。

Fのリア三角。エアロをより意識した結果か、シートステイの位置が下がり、シートステイの途中で大きく曲がっているのが特徴
F12のリア三角。非対称デザインが特徴的

ハンドルも大きく軽量化されていますがフィーリングはどうですか?

ドグマFの新しいタロン。表面のカーボンがUDになっている
F12のタロン。表層がクロスカーボン

ハンドルも剛性感は変わらず、タロンがスプリントしたときにしっかりと力を伝えてくれます。タロンの変更点を見ていくと形はほぼ一緒です。ただ、カーボン柄がクロスカーボンからUDカーボンへと変更されており、Xライトで使われた技術がつかわれているのではないでしょうか。

どんな人におススメですか?

ロードレースを本気で走りたい人へ向けてというのはもちろんですが、特に感じたのはグランフォンドに向きのバイクだということです。

ピナレロは特別にコンフォートモデルを出したり、エアロロードを出していません。F12になってKシリーズがなくなり、ドグマでロングライドを走る際の快適さが高くなりました。今度はXライトのモデルがなくなって、Fに集約された感じです。ホントにグランフォンドのシーン、ホビーライダーがヒルクライムして、ダウンヒルして、そして200㎞近く走ったときに楽しいバイクだと思いました。これでグランフォンドへいったら楽しいでしょうね。ピナレロらしさを保ちつつ、F12より角が丸くなった感じで、万人受けしやすくなっています。

レーサーへ向けての伝えたい感触は?

ピナレロはしっとりしていて、アメリカンブランドのパリッとした感じとは違います。トルクをかけしっとり粘るように踏んでいくと気持ちがいい、ヨーロッパ系の乗り味ですね。パーンと踏んで、その反応の良さを生かすとうよりかは、じわじわとギヤを重くするように慎重に丁寧に踏みまわすイメージで進みます。空力性能は言わずもがなで、40㎞/hでの巡行はしやすく、さらにそこからの50㎞/hまでの加速は軽いですね。全体的にボリュームを抑えたことで横風の影響も少なくなっていると思います。普段自分はF12とカンパニョーロ・ボーラWTOというこのバイクと同じ組み合わせで乗っていますが、ボーラWTOの風抜けの良さを差し引いても巡行がしやすいバイクだと思います。

インプレ車両重量※実測値

ドグマFディスク( サイズ500、カンパニョーロ・スーパーレコードEPS、カンパニョーロ・ボーラWTO45)=7.1 kg
ドグマF12ディスク( サイズ500、シマノ・デュラエースR9100、フルクラム・ウインド40DB) = 7.5kg

DOGMA F DISK フレームセット

希望小売価格:935,000円(税込)

DOGMA F フレームセット

希望小売価格:935,000円(税込)

SPEC

• Carbon Torayca T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology
• Asymmetric frame
• Onda Fork Dogma F with ForkFlap
• TiCR (total integrated cable routing)
• 1.5 upper and lower steerer
• Italian thread BB
• Seatclamp Twin Force
• 3D printed titanium top seatclamp
• 3XAir two positions option for the second bottle cage (サイズ515以上)
• FlatBack profile
• UCI approved
• Rad System disc brake(ディスクブレーキ)
• ディスクモデルブレーキ規格:Disc flat mount 最大160mm リア-TA142
• リムブレーキ規格:Direct mount rim brake
• 最大タイヤサイズ 622x28c
• 重量: ディスク/865g, リム/860g ※サイズ530; 塗装前
• サイズ:430, 465, 500, 515, 530, 540, 550, 560, 575, 595, 620(CC)

ジオメトリー

CE: SEAT TUBE CENTER – END | CC: SEAT TUBE CENTER – CENTER | L: TOP TUBE CENTER – CENTER | A[°]: SEATTUBE ANGLE | B[°]: HEAD TUBE ANGLE | P: CHAIN STAY | T: HEAD TUBE | D: BB DROP | R: FORK RAKE | G: FORK HEIGHT | REACH | STACK

IMPRESSION RIDER
平山冬芽

世界で4番目、トレヴィソ、パリ、ロンドンに次いで川崎に作られたピナレロルームの専門スタッフとして、日本でもっともドグマを扱っている。学生時代にはトラック、ロード選手として活躍しインターハイにも出場経験をもつ。

ワイズロード川崎
http://ysroad.co.jp/kawasaki/

問い合わせ:ピナレロジャパン オフィシャルサイト
http://www.pinarello.jp/

 

ドグマFの詳細記事はコチラから。

バイシクルクラブ9月号
Amazonで購入

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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