ハンドメイドバイシクル展、2年ぶりのリアル開催。編集部が選ぶベスト5台は?
ニシヤマ
- 2022年01月24日
リアル会場での2年ぶり開催となったハンドメイドバイシクル展。会場での目玉&おもしろ発見と、今回のハンドメイドショーで選ぶ自転車ベスト5を編集部が勝手に選んでみた!
INDEX
2年ぶりのリアル会場開催
2022ハンドメイドバイシクル展が1月22~23日、科学技術館で開催された<主催:(一財)日本自転車普及協会 自転車文化センター>。これは、日本中の名だたるハンドメイド自転車の職人たちとその自転車が集まる1月の恒例イベント。昨年は、新型コロナウイルスの影響でオンラインのみで開催されたが、今回は待ちに待ったリアル開催。もちろん、感染症対策チームが常駐するなど、対応を行ったうえでの開催となった。
今回は自転車工房や国内パーツメーカーなど38社が集まり、フレームビルダーと彼らの手掛けた自転車の前で、コミュニケーションを楽しめるのが最大の魅力。やはりリアル開催であってこそ、その魅力を存分に発揮できると言えよう。また、前年のオンライン開催での実績もあるため、今回はリアルとオンラインを合わせた開催となった。
高い注目を集めた伝説のビルダー梶原氏のトークショー
トークイベントの目玉は、日曜日に開催された梶原利夫氏の出演。エロイカジャパン技術委員長の松本 敦氏と、日本における自転車の歴史研究の必要性について熱く語った。梶原氏は、日本のハンドメイドの礎を築いた伝説的な偉人で、表舞台に登場する機会は珍しく、高い注目が集まった。入場にあたっては感染症対策として整理券が配られるなど入場制限もあったがオンラインでも開催され、トークショーの様子はユーチューブでも見られる。興味のある方はぜひ見てほしい!
BPAJチャンネル
https://www.youtube.com/c/BPAJch/videos
会場で見つけたおもしろいもの
いつも楽しいトークと、いろいろな発見があるハンドメイド展。バイシクルクラブ的に気になったのはラバネロの高村製作所コーナーにあった
ビルダーの高村精一さんを描いたのは、バイシクルクラブ最新号の表紙イラストを手がけたリンネさん
ご本人と比べるとそっくり
アイデアが斬新で先に行き過ぎている荒井 正ビルダーのシルクサイクル。こちらは7㎏を切る軽さのテンションシルク号
謎の数珠シフター! ディレイラーのパンタスプリングとほぼ同じテンションのゴム、ダイニーマのケーブルでつながったリアメカ。間に11個の数珠があり、それがプチプチとシートステーのチューブに引っかかって11速インデックスでシフトするという。わかりづらい!
会場エントランスには、1964年のオリンピック試作車のエバレストほか、初期の競輪モデルなどエバレスト3台が登場。エバレストで天才ビルダーとしての頭角を現した梶原氏にちなんでいるようにも見受けられる
編集部が勝手に選ぶ今回の5台!
5位 ケルビム・固定内装3スピード
ビルダー今野真一氏が、自ら教鞭をとる渋谷の東京サイクルデザイン専門学校に行くための通学仕様フィクスドマシンを制作。珍しい固定ギヤの3段変速だが、それにしても美しい
高木の厚歯ギヤにカンパニョーロの3アーム鉄クランク。今野氏のオタクぶりが伺われる
シングルのように見えて内装3段。スターメーアーチャー製のハブギヤだ。都内の移動に使う、3段の固定ギヤの調子はすこぶるよいとか
4位 サノマジック・木製ランドナー
ついに登場したマッドガードも木製という木製ランドナー。スチールパイプの自転車とは別次元のハンドメイド感で圧倒的な存在感!
「フロントバッグも木で作ったんだけど、装着するとファンシーなオモチャみたいに見えるので、展示では外してます」と笑うビルダーの佐野さん
3位 C.S.OKADA・キャンパーな雰囲気のミニベロ
C.S.HIROSEの廣瀬秀敬ビルダーは一昨年亡くなったが、その後を継いだのが廣瀬さんの晩年に製作を手伝っていた岡田さん。小平の工房でヒロセの技術を継承した自転車を製作している
スイス軍のボルケーノストーブを装着し、ミニキャンパーな雰囲気。会場でいちばんかわいかった一台。バッグはRSASUNBAGS製
2位 マッキサイクルズ・日本縦断最速記録のマシン
東京サイクルデザイン専門学校第1期卒業生で、滋賀県に工房を構えるマッキサイクルズの植田真貴ビルダー
ブルべ界では有名な落合佑介ライダーが、日本縦断最速記録を更新したときに乗車したバイク。特徴的なカラーは、シルバーの下地に銀箔を貼るような工法で装飾された
クロモリとカーボンのハイブリッド素材となる。まずはスチールパイプで普通にフレームを作って、それをカットしてカーボンパイプをつないだ。そうしないと微妙に寸法がずれてしまうとか
1位 TOEI・猫ポタリング車
猫好きなオーナーが作った、究極の猫愛ポタリング車。一見普通のスタッガードフレームの自転車に見えるが……
チェーンリングが猫顔パターン
それだけじゃなくボトルケージも猫
ペダルのケージには肉球
そしてシフターは、にぼし!
ほかにも魅力的な自転車&パーツが集まったハンドメイドバイシクル展。30年以上も続く初春の伝統的な展示会、来年もリアル開催でビルダーさんたちと新作にお会いできることを願いつつ楽しみにしたい。
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